もう、ぼくの言葉は、きみではない他の女性(ひと)をむいているし、
きみにだってとどきはしない。
でも、ひとことだけ、
ほんとうに、おめでとう。
ぼくは、きみへの言葉で、この場所を埋めることができないから、かわりに唄をおくります。
君がどうしても 帰るというのなら
もう止めはしないけど
心残りさ少し 幸せにできなかったこと
故郷へ帰ったら あいつらに
会うといいさ よろしく伝えてくれ
きっとまた昔のようにみんなで
楽しくやれるさ
みんないいやつばかりさ
ぼくとはちがうさ
そして あの頃と同じように
みんなで釣りへでも行きなよ
ケンカ早いやつもいた
涙もろいやつもいた
みんな君のことが 好きだったんだよ
本当はあいつらと 約束したんだ
抜けがけはしないとね
バチ当たりさぼくは
だけどほんとさ 愛していたんだ
きれいな夕焼け雲を
憶えているかい
君とはじめて出逢ったのは
ぼくがいちばん最初だったね
君と歩いた青春が
幕を閉じた
君は なぜ
男に生まれて こなかったのか
君と歩いた青春 伊勢正三
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