古池や



 あつい

 こんないなかにいると、家から一歩でるとそこにはクルマが待っていて、かえって外の気温を感じることが少ないのだけれども、あついね。
 夜は結構涼しくなるから、窓を開けて寝たりすると、明るくなったとたんにおこされて、エアコンをつけて二度寝にはいるよ。

 いまは梅雨?

 季節感がなくなって久しいので、あまり大層なことはいえないのだけれども、紫陽花も咲いてるし、何よりも7月の頭だから、たぶん梅雨、という季節なのだと思うのだけれども。
 今年、まだ一回もカエルの声を聞いてないよ。
 ここは、四六のがまで有名な山の麓だよ。まわりは田圃ばっかりだよ。一昨年には、結構うるさいほど聞こえたと思ってたんだけど、今年に限っては、まったく鳴かない。
 曇り空でも鳴かない。
 雨が降っていても鳴かない。
 そういえば、夜中まで芝生に寝っころがって、星の数を数えていても、ひとつも蚊に刺された記憶もない。
 どうなってるんでしょう。
 たしかに、僕は暑いからといってエアコンをかけて寝てしまうような文明人だし、蚊に刺されるのも好きじゃない。
 でもね、梅雨なのにカエルもなかない、草むらにいても蚊にも刺されない、っていうのは、ちょっと気持ち悪いよね。
 なんかすごい農薬使ってるの? とか、天変地異でもあるの? とか。
 これなら人工的につくられた自然観察園を歩く東京人の方が、よっぽど自然を、季節の変わり目を感じられるよね。
 ということで、かわいい雨蛙でも、ちょっとドスの利いたガマガエルでも、刺されるとかゆい薮蚊でも、なんでもいいから、僕に自然を感じさせてくれないかなあ。

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