楽しかったことが つまらなくなる
夢中だったものが ある日突然何も感じなくなるのさ
かつて、こう謳ったロックバンドがあった。
それはちがうぞ、とそのときには思ったのだけれども、ああそうか、と納得したのは、皮肉にもこのバンドにときめかなくなったときだった。
このバンドをだんだんきかなくなって、ある日、思い立ってちょっときいてみたら、なんにも感じなくなっていて。そのことにはちょっとびっくりしたのだけれども、だから「ある日突然」っていうわけではなかった。
でも、ある日突然、というか、ある瞬間突然、っていうのも、たしかにあるんだよね。
それは、めちゃくちゃ気に入っていて、車のなかでしばらくそれしか聴かなかったロックバンドが、家の中で聴いた途端、つまらなくなってしまうこと。それは、しばらく人生の拠り所としていた短編集が、六回目に読んだ途端、輝きをなくしてしまうこと。
きのうまで、ついさっき車のなかで聴いたときまではあれほどに輝いていたのに、一度なくしてしまった輝きは、もうどうやっても戻ってこない。
そんなことが重なると、自分って、信じられなくなりませんか?
あるものがすきで、その事ばっかりかんがえていて、それがあるだけでしあわせになって。そういうものが、次の瞬間、まったく胸を騒がさない、ただの存在に変わってしまう。そういうことがおこりうる自分を自覚してしまったら、一生の決断ってどうやってすればいいのだろう。
そのために、紙切れ一枚が必要なのかな?
でも、今回の主旨は、こういう感情を、自分でコントロールできたら楽なのにね、っていうことです。僕の中の「あれ」を胸から締め出す方法、だれか教えてくれませんか?
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