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        原作の面白さまでは期待できないだろうと思いつつも楽しみにして観に行ったのですが、予想は大外れ。 
        原作に負けず劣らず、抜群に面白かった! しかも、小説ではない映画だからこその面白さを満喫しました。 
        これは全て、主人公である中島加代子を演じたのんさんの奮闘、ともいうべき熱演があってこそ。 
        名作とは言いません、しかし、傑作と言いたい面白さ! 
         
        また、山口瞳さんらが愛した山の上ホテルをいろいろと見聞できた処がまた嬉しい。 
         
        さてストーリー。 
        新人賞を受賞し作家デビューを果たしたものの、大御所作家である東十条宗典が同作を酷評したことから、単行本デビューを果たせず鳴かず飛ばずじまいとなってしまった新人作家が中島加代子。 
        何度も自分の前に立ちふさがる大御所作家に一矢報いるべく、あの手この手で奇想天外な復讐を仕掛ける、というもの。 
        そしてそれが一度で終わるものではなく、何度も繰り返される処が、存分に楽しめるところ。 
        でもその過程で実は加代子、東十条ファンらしいこと、一方東十条も徐々に加代子の作家としての力量を評価しているらしいことが感じられる処で、本作に好感が持てる、というもの。 
         
        山の上ホテルだけでなく、作家と編集者の関係、作家の書店廻り、受賞連絡を待つ模様、等の文壇ネタも楽しめます。 
        しかし、編集者が付いてきてくれない書店廻りは、厳しいですよね〜。 
        原作、本映画とも、是非お薦めです。 
        2024.12.27 
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