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11.賢帝の世紀−ローマ人の物語(文庫版)24〜26− 12.すべての道はローマに通ず−ローマ人の物語10− 13.終わりの始まり−ローマ人の物語(文庫版)29〜31− 14.迷走する帝国−ローマ人の物語(文庫版)32〜34− 15.最後の努力−ローマ人の物語(文庫版)35〜37− 16.キリストの勝利−ローマ人の物語(文庫版)38〜40− 17.ローマ世界の終焉−ローマ人の物語15− 18.塩野七生『ローマ人の物語』スペシャル・ガイドブック(新潮社編) |
【著者歴】、海の都の物語・続海の都の物語、マキアヴェッリ語録、ローマは一日にして成らず、ハンニバル戦記、勝者の混迷、ユリウス・カエサル−ルビコン以前、ユリウス・カエサル−ルビコン以後、パクス・ロマーナ、悪名高き皇帝たち、危機と克服 |
絵で見る十字軍物語、十字軍物語1、十字軍物語2、十字軍物語3、想いの軌跡、皇帝フリードリッヒ二世の生涯、ギリシア人の物語1、ギリシア人の物語2 、ギリシア人の物語3 |
小説イタリア・ルネサンス(1〜4) |
●「賢帝の世紀(上中下)」● ★★☆ |
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2006/11/17
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まずトライアヌス。 次いでハドリアヌス。ハドリアヌスも秀でた人物だったのでしょうけれど、トライアヌスが後見人となっていた事実も大きい。 第一部
皇帝トライアヌス (在位 98-117年) |
●「すべての道はローマに通ず−ローマ人の物語10−」● ★★★ |
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2002/01/30
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「ローマ人の物語」刊行以来、本書が始めて読むその1冊となりました。シリーズの中でローマ帝国のインフラ(社会基盤)を取り上げた本書は、それだけ興味深く、惹きつけられます。
ローマ帝国の歴史をとりあげた古今の名著というと、ギボン「ローマ帝国衰亡史」が名高いのは言うまでもないことですが、実はそのギボン「衰亡史」に一番欠けていたのが、経済・社会基盤の部分です。
そして、ローマ水道。これまた、素晴らしい。
本書は、ローマ街道、水道に主眼を置きながら、さらにインフラのソフト面として、医療、教育等へと話をひろげていきます。また、巻末に地図、写真等の資料が、ふんだんに収録されているのも魅力。 第2部・・・ソフトなインフラ:医療/教育/ おわりに/巻末カラー |
●「終わりの始まり(上中下)」● ★★☆ |
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2007/09/27
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ギボン「ローマ帝国衰亡史」を読んで以来、パクスロマーナと呼ばれていた五賢帝時代にこそローマ衰退の萌芽があった、と思っていましたが、本書は塩野さんがその点を鋭く突いた巻。 長男コモドゥスへ皇帝位を譲渡したマルクス・アウレリウスに問題があったとこれまで思っていましたが、その前皇帝アントニヌス・ピウスからそれは始まっていたと考えるべきらしい。 そのマルクス・アウレリウスが皇帝位を譲った実子コモドゥス、極めて悪帝だったことからさすがの賢帝もローマ衰退の原因をもたらしたと非難される訳ですが、塩野さんは他の選択肢は現実になかったのだと父帝を弁護します。 そしてコモドゥス後に生じる内乱の時代。 第一部
皇帝マルクス・アウレリウス(在位161-180年) |
●「迷走する帝国(上中下)」● ★★☆ |
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2008/12/31
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カラカラ帝に始まる混乱に加え、蛮族の大侵入、短期間の間に多数の軍人皇帝が乱立しては軍団兵によって殺されるという、まさに「迷走」の3世紀。 また、本巻におけるローマ帝国の迷走ぶりは、そのまま現日本の政治の迷走ぶりにそのまま重ね合わせることができます。 なお、末尾のローマ帝国とキリスト教の関係を考察した一章はことに面白い。耳を傾けるに値します。 第一部
ローマ帝国・三世紀前半(紀元211-260年) |
●「最後の努力(上中下)」● ★★ |
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2009/11/05
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ディオクレティアヌス帝、ギボン「ローマ帝国衰亡史」の第2巻で知ってから(歴史の授業で教わったのは、知ったことになりませんので)、私の好きなローマ皇帝の一人です。
しかし、私欲を持たない賢者というのは在り難いもの。ディオクレティアヌス帝の皇帝退位の後暫くして、後を継いだ皇帝同士が争う内乱が生じたことを思うと、そのことが強く感じます。 第二部からは、コンスタンティヌス大帝が主役。他皇帝に勝利したコンスタンティヌスをローマが称えるため凱旋門を新たに建造するのにあたり、ハドリアヌス門を転用したうえ、足りない分をあちこちの凱旋門からレリーフを取り外してくっつけた、らしいというのですから、ローマも落ちたものだと実感します。 皇帝としてローマ帝国に尽くした功績大だったにもかかわらず、この人ほど人間としての不幸を味わった人物もいません。一方、これまでのローマ社会を一変させ専制君主の姿を露わにしたコンスタンティヌス帝、対照的な2人によってこの時代は常に忘れ難い。 第一部
ディオクレティアヌスの時代(紀元284-305年) |
●「キリストの勝利(上中下)」● ★★ |
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2011/02/28
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ギボン「ローマ帝国衰亡史」は皇帝列伝の様相があり、それに対して塩野さんの本書「ローマ人の物語」にはローマ人の特質、ローマの社会的仕組みを描いて対照的、という印象がありました。 下巻は、大帝と呼ばれたテオドシウス帝を差し置いて、40代にしてアタナシウス派からスカウトされミラノ司教に転じたアンブロシウスが主役。非常に政略家だったようで、最後のローマ統一皇帝となったテオドシウスも形無しです。 なお、学生時代に西洋史を学んだ時、コンスタンティヌス大帝はともかく、何故ディオクレティアヌス帝が“大帝”ではなく、テオドシウス帝が“大帝”なのか不思議だったのですが、今はその理由が判ります。 第一部 皇帝コンスタンティウス(紀元337-361年) |
●「ローマ世界の終焉−ローマ人の物語15−」● ★★★ |
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2011年09月
2007/02/26
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本書“ローマ人の物語”の刊行が始まったのはちょうど私がギボンの大作「ローマ帝国衰亡史」を最後の方をまだ読んでいた頃のこと。 本書は西ローマ帝国の滅亡を主としつつ、ローマ帝国=ローマ世界が実質的に終焉を遂げるまでを扱って終わりとしています。 ※なお、西ローマで帝政が終わりをとげ、蛮族がローマ世界を保護することになった“パクス・バルバリカ(蛮人による平和)”の時代、社会経済の運営を担ったのは相変わらずローマ人たちだったという。ちょうど明治維新で、支配者が徳川家から薩長連合に変わったものの官僚組織は元幕府の役人たちが引き続き担ったという経緯に似ていると感じたのですが、皆さんは如何でしょうか。 第1部・・・最後のローマ人 (紀元395-410年)第2部・・・ローマ帝国の滅亡(紀元410-476年) 第3部・・・「帝国以後」 (紀元476年−) おわりに/巻末カラー |
●「塩野七生『ローマ人の物語』スペシャル・ガイドブック」● ★★ |
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2011年09月
2011/09/04
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(単行本) (文庫本) |
【単行本版】 グラフ:1.塩野七生の散歩道/2.皇帝たちの愛した街 ビジュアル:『ローマ人の物語』を訪ねる 1〜15巻 コラム:ローマの不思議・謎に迫る 15篇 特別対談:「神々」のご加護で、書き続けられた* ロング・インタビュー:なぜ、ローマ人は「寛容」だったのか? ・ローマ人劇場ベスト5* ・初級ラテン語講座* ・ローマ人名言録* ・コラム−ローマ人の普通の生活* グラフ:3.帝国の属州を歩く グラフ:4."ローマ人"と友達になるための美術館巡り |
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【文庫版】 1.『ローマ人の物語』を訪ねる 1〜5巻 2.グラフ:皇帝たちの愛した街 3.『ローマ人の物語』を訪ねる 6〜10巻 4.グラフ:帝国の属州を歩く 5.『ローマ人の物語』を訪ねる 11〜15巻 6.グラフ:"ローマ人"と友達になるための美術館巡り ロング・インタビュー:なぜ、ローマ人は「寛容」だったのか? |
●「ローマ亡き後の地中海世界(上)」● ★★☆ |
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2014年08月
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西ローマ帝国滅亡後、その威力消滅に付け込んだように急激に勢力を拡大したのがイスラム勢力。 国家の消滅とは何か。それは危機管理能力の欠如、即ち危機管理に対応できる組織力の消滅ということだったか、と思い知った次第。 上巻の最後、地中海世界の新たな主役として登場するのは、アマルフィ、ピサ、ジェノヴァ、ヴェネツィアという海洋都市国家。それを追えば「海の都の物語」に行き着くのでしょう。 |
●「ローマ亡き後の地中海世界(下)」● ★★☆ |
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2014年09月
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下巻に至ると、いよいよ地中海の制海権をかけた西欧キリスト教世界と、イスラム=オスマン・トルコとの対決が描かれます。もちろんその舞台は、東地中海〜西地中海。 上巻の最後でこのまま進むと「海の都の物語」に行き着くのではないかと思ったのですが、それは私の思慮不足。 とはいえ、本書で描かれる地中海情勢、物語として読んでもすこぶる面白いのです。 そして、ただ面白いだけでなく、本書地中海史のポイント、ポイントを射抜く塩野さんの慧眼が素晴らしい。 並び立つ大国の時代/パワーゲームの世紀/反撃の時代/地中海から大西洋へ |
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