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1.本の雑誌風雲録 |
●「本の雑誌風雲録」● ★★ |
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1998年10月
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「本の雑誌」発行人・目黒考ニ氏からみた本の雑誌の成長物語。 同誌編集人・椎名誠氏が描いた「本の雑誌血風録」とはかなり違う印象を受けます。 椎名誠氏は「本の雑誌血風録」を面白く書いています。木原ひろみ (群ようこ)さんの登場をはじめ、配本部隊の組成とか、出来事もさまざまです。本の雑誌の歴史を描いたという点では本書より俯瞰的のように思います。 本書は、やはり本の雑誌が椎名氏らとの雑談から生まれ、創刊号を抱えて目黒氏がひとりで書店めぐりしたことから始まります。 ただし、内容は「血風録」と対照的に、配本にまつわる苦労話のことが殆ど。 とくに配本部隊のことが中心になっています。その部分については、「血風録」よりはるかに詳しく、ジワジワっと伝わってくる楽しさがあります。それだけ本を好きな人がいたんだ、という喜びでしょうか。 就職しても「本を読む時間がなくなる」という理由だけで三日目退職を繰り返していた目黒氏が、あろうことかこんな雑事を負わされ、それにもかかわらず本の雑誌を続けたというのは、配本部隊と一緒の楽しさがあったからではないかと思います。 本書を締めくくる目黒氏のひとこと、それに対する配本部隊のひとりであった吉田伸子氏の最後のひとことに、静かな感動を覚えました。 本のために愚直に行動するこんな人達がいたんだ、ということを知るだけでも、読み甲斐のある一冊だと思います。 |
●「だからどうしたというわけではないが。」● ★★ |
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本書は、目黒さんが“Web 本の雑誌”に行き当たりばったりに連載した「目黒考ニの今週の一冊」をまとめたものとの由。 まず、最初の第一章ですっかり嵌ってしまいます。 話は映画本から始まって/ミステリー作家の自伝と池袋/海を渡った日本人のこと/放浪する人たち/白球と中学生/犬が好き/図書館めぐり/編集稼業/実話雑誌の青春/本に関する本/旅暮らし/あとがきにかえて−最終回 |