川上あかね著作のページ


1970年東京都生。ナイロビ、ローマ、東京のインターナショナル・スクールに学び、17歳でオックスフォード大学に入学。現代仏文学専攻、96年博士号取得。博士課程在籍中の95年より5年間、ケンブリッジ大学モードリン・カレッジの仏文専任講師として教鞭をとる。他の著書に「わたしのオックスフォード」(晶文社)あり。現在、英国ウォリック大学仏文専任講師。

 


   

●「ケンブリッジの贈り物」● ★☆




2003年3月
新潮社刊
(1400円+税)

 

2003/04/19

仏文学講師に応募して選ばれた結果、オックスフォードの学生から一転してケンブリッジの講師へ。そんな川上さんの、5年間にわたるケンブリッジ講師生活に基づく見聞記。

ケンブリッジ生活を語ったエッセイというとすぐ思い出されるのは、藤原正彦「遥かなるケンブリッジ。数学者である藤原さんの場合は、再度の海外生活、家族での英国生活という中で、困惑・ストレスが溜まりストレートに激昂に繋がったという辺りがユーモラスでしたが、外国生活の長い川上さんの場合は落ち着いたもの。本書は、初体験であるケンブリッジの講師兼フェロー(カレッジ教員という家族の一員といったものだそうです)としての生活レポート・大学レポートという傾向が強いです。
なにしろ、併せて“オックスブリッジ”と呼ばれるくらい,伝統と格式、そして英国を代表するカレッジの街のひとつなのですから興味津々。
そのオックスブリッジと言えども、学生の学力水準維持には苦労しているようです。また、女子学生の入学、女性講師が認められる迄の経緯、夏休み期間中のフェローたちの様子を知るのも面白いところ。
※なお、川上さんの属したモードリン・カレッジにはピープス図書館があるとのこと。思わず親しみを覚えます。

オックスフォードからケンブリッジへ/モードリン・カレッジの新米教師に/ハイテーブルからの眺め/フェローは今日も大忙し/カレッジとチャペル/ケンブリッジの女性たち/カレッジのスタッフ/オックスフォード対ケンブリッジ/ケンブリッジ散策/「ローラ・スペンス事件」/ギャップ・イヤー/シェイクスピアが消えた?/「学問」は生き残れるか?/ケンブリッジの夏

 


     

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