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2.浮かれ三亀松 3.本牧亭の鳶 4.芝居の神様−島田正吾・新国劇一代− |
●「江戸前の男−春風亭柳朝一代記−」● ★★☆ |
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1999年04月 2007年11月
1996/12/21
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落語家の実態と業界内部の事情がよくわかる一冊。
実家が比較的裕福で甘やかされて育ったことから、こらえ性がなく、職を転々。落語好きから、とうとう噺家の弟子入り。蝶花楼馬楽、後の林家正蔵(次いで彦六)の一番弟子だったそうです。ところが、先輩と喧嘩した件を馬楽から咎められると、あっさり破門を受けてしまう。 ※ちなみに、柳朝の3番目の弟子が人気者の春風亭小朝。 |
●「浮かれ三亀松」● ★★☆ |
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2003年08月 2007年11月
2000/08/26
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帯の文句が内容を良く語っていますので、文章をそのまま紹介しますと、 本名は伊藤亀太郎。小粋であることを自慢とする江戸は深川に生まれ育ち、子供の頃から芸事が好きだったことが、三亀松の一生を決めたようです。 この本の良さは、吉川さんが、三亀松という人物をやたら解釈しようとせず、ありのままに書き出しているところにあります。ですから、素直に三亀松という人の人生を読み、そして共感することができるのだと思います。 |
●「本牧亭の鳶」● ★★☆ |
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2007年12月
2001/09/13
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吉川さんの作品はこれまで長篇を2作読みましたけれど、いずれも芸人を語った作品で、とても味わい深いものでした。 6篇とも、哀感があって、職人(芸人)気質が色濃く反映された作品。藤沢周平さんが亡くなって後、こうした味わいのある作品になかなか出会えなくなっているような気がします。それに付け加え、芸人という興味深い世界を語っているのですから、吉川潮さんという作家は貴重な存在です。 声帯模写−九官鳥/コンビコント−借金鳥/百面相−カラスの死に場/トリオコント−梟の男/お囃子−老鶯/講釈・下足番−本牧亭の鳶 |
●「芝居の神様−島田正吾・新国劇一代−」● ★★★ |
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2011年04月
2008/01/19
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これはもう絶品!、すこぶる面白い! いくらでも没頭して読んでいける、という一冊です。 「序幕」で飲み込まれた後は、大正12年、18歳にて島田正吾が新国劇を率いる澤田正二郎の元へ弟子入りするところから始まります。 本書は島田正吾という稀代の名役者の一代記であると同時に、一世を風靡したものの時代の変化、ついに後継者を得られなかったこともあって解散に至った“新国劇”という劇団の歴史であり、さらに新国劇の代表作品のエッセンスを盛り込んだ演劇史そのものにもなっています。 最初の1頁目から最後の1頁まで、読み応え、魅力たっぷりの一冊。 第一部:(序)白野弁十郎/国定忠治/沓掛時次郎/関の弥太っぺ/瞼の母/一本刀土俵入/人生劇場・青春篇/王将・前篇/殺陣師段平 |