山本甲士作品のページ No.1


1963年生。96年「ノーペイン、ノーゲイン」にて第16回横溝正史賞優秀作を受賞し、作家デビュー。「どろ」「かび」「とげ」三部作で「まきこまれ型小説」の境地を拓く。05年映画ノベライズ「Always 三丁目の夕日」を刊行。


1.
かび

2.わらの人

3.ひろいもの

4.ひなた弁当

5.俺は駄目じゃない

6.ひかりの魔女

7.つめ

8.ひなたストア(改題前:がんこスーパー)

9.ひかりの魔女−にゅうめんの巻−

10.ひかりの魔女−さっちゃんの巻−


迷犬マジック、迷犬マジック2、民宿ひなた屋、迷犬マジック3

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1.

「か び 


かび

2003年06月
小学館

2006年07月
小学館文庫

(657円+税)


2018/05/06


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出版社の宣伝文によると、“巻き込まれ型小説”の傑作との由。
つめが案外面白かったので、旅行中に読むには格好かなと読んでみた次第。

主人公は、平凡な会社員の専業主婦=
伊崎友希江
残業ばかりでいつも深夜帰宅、会話もほとんどないマザコンの夫、自分の気分次第でいろいろ口を出し孫の
理沙を甘やかす義母、理沙が通う幼稚園でのいざこざ等々、ストレスばかり。それでも友希江は、ことを荒立てないよう我慢するのが常。
しかし、勤務中に脳梗塞で病院に担ぎ込まれ、麻痺を起こした夫の姿を目にする一方、問題を会社ではなく夫個人の健康管理問題としてケリをつけよう、友希江にそう認めさせようとする会社の露骨な姿勢に、ついに怒りを爆発させます。

その会社、友希江もかつて勤めていた
ヤサカ株式会社の非道な対応の仕方は、今回に留まらず、ずっと続けられていたこと。
友希江の行動によりそれが明らかになり、ヤサカが社会から糾弾されるという展開は胸のすくところがありますが、問題なのは友希江のとった行動。
いくら怒りから始まったことだとはいえ、ヤサカの問題点を明らかにするという正義の行動ではなく、なりふり構わない、犯罪行為とも言える嫌がらせ、復讐となるとなぁ。

後味の悪さが残り、読了感はイマイチ。

  

2.

「わらの人」 ★★


わらの人画像

2006年11月
文芸春秋
(1771円+税)

2009年12月
文春文庫



2006/12/20



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大人しい性格の人間としては、ちょっとスカッとするような小ストーリィからなる連作短篇集。
誰しも外に出れば腹立たしく思うことのひとつやふたつ、必ず出くわすもの。ストレス解消になる!とばかりに喜んで読んだのは姫野カオルコ「ひと呼んでミツコでした。本書はそこまで過激になることはなく、どちらかというとユーモラスな物語。

ふと初めて入った理容室。年の頃は30歳前後と思われるその女理容師は、おしゃべりだけれどマッサージがとても上手。つい気持ち良さにウトウトして女理容師に髪型を任せてしまったら、目覚めてビックリ。なんでこんな髪型に!?と思うものの、女理容師から似合う、似合うと言われ、自分もちゃんと頷いていたと言われれば、それ以上文句も言える訳もなく。
ところが髪型がガラリと変わると、気分まで一変してしまうものらしい。内気な女性社員ははっきり物言う女性に変身するし、退職後やることがなくて元気を失っていた祖父は積極的かつマメに働き出し、・・・・・。
まぁ、自分で思っても見なかった面が、他人によって初めて引き出される、そのステップがたまたま髪型だった、ということでしょう。そんな人間の面白さをユーモラスに描き出したところが、本作品の楽しさです。
冒頭「眉の巻」でまずスカッとし、最後の「守の巻」が圧巻というべき面白さ。
その他にも、祖父と孫娘の2人が活躍する「花の巻」は気分良く楽しめる好篇ですし、「犬の巻」、判るんだよなぁ。
どこの会社にも、ろくでもない人間なのに何故か昇進しているという輩がいる筈です。ろくでもないから早く昇進させて追い出してしまおう、という変なエネルギーがどうも会社というところは時によって生じることがあるらしい。
でも、私はやっぱり敬遠しますよ、見知らぬ理容室は。

残念なのは、そのおしゃべりでマッサージが上手くて、アッ!という髪型に仕上げてしまう女理容師、本当に客に良かれと思ってやっているのか、わざと眠りこませて意図的に好き放題しているのか、その辺りが書かれないままに終わっているところです。
気になりますねェ。

眉の巻/黒の巻/花の巻/道の巻/犬の巻/守の巻

  

3.

「ひろいもの」 ★★☆


ひろいもの画像

2009年03月
小学館
(1500円+税)



2009/04/17



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それほど期待していなかったのですが、予想外に良かった連作短篇集。
冴えない主人公たちが偶然に拾った落し物。それがきっかけとなって思いもしなかった自己変革を遂げる、そしてそれは新たな可能性を手に入れることに繋がる、という趣向のストーリィ。
どの篇をとっても楽しく、とても気持ち良いストーリィばかりでまさに私好み。
モチーフは“拾いもの”ですが、この一冊それ自体が拾いものだった、と感じる次第。
※思わぬことから自分自身が変革を遂げるという展開は、わらの人に共通するテーマです。

・対人関係に自信のないバイト店員が拾ったのは、高級セカンドバック。
・イベント司会が精々でちっとも売れない女優が拾ったのは、サングラス。
・喧嘩っ早い性格から職を転々と変えてきた元不良が拾ったのは、何と警察手帳。
・高校中退以来ひきこもりになっている青年がたまたま外に出て拾ったのは、ハンドグリップ。
・恋人が事故死したショックから立ち直れないでいる女性が拾ったのは、腕時計。
さて、それらの拾い物は果たして主人公たちにどんな変化をもたらすのか、主人公たちはどんなことに目を開くのか。それが読み処です。
率直に言って、ストーリィ展開にちょっと安易なところ、ファンタジーっぽいところはありますが、私の好みに合いさえすれば気になるものではありません。それより気持ち良い、ということの方が大事。

5篇の中では、冒頭の「セカンドバッグ」が私は一番好きです。
落とし主である女性との出会いを期待して変身を遂げるというのではなく、高級バッグを返すに相応しい人間になりたいという思いから少しずつ変わっていく、そんな処が良いじゃないですか。
山本甲士さん、各篇主人公の造形もストーリィ運びも、実に上手い。各々のエンディングも実に爽快です。お薦め!

セカンドバッグ/サングラス/バッヂ/ハンドグリップ/ウォッチ

    

4.

「ひなた弁当」 ★☆


ひなた弁当画像

2009年11月
中央公論新社

(1500円+税)

2011年09月
中公文庫

2017年02月
小学館文庫


2009/12/20

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突然会社をリストラされた中年サラリーマンの再生物語。

49歳のサラリーマンである主人公、上司の言葉を信じたばかりにあっけなくリストラされ、失職。
会社は再就職を斡旋すると言っていたにもかかわらず、実際は人材派遣会社に登録を斡旋しただけのこと。
何とか一時しのぎの仕事を見つけてみても肉体労働ばかり。結局は腰痛を悪化させただけであえなくダウン。
予備校生の次女に不安を与えてはならないということで家にいることも許されず、スーツ姿で家を出た後は、公園でただ時間を過ごすばかりの毎日。
そんな日々の中、主人公がどんなきっかけで再生を成し遂げたのか、というのが本ストーリィのミソ。

題名から推測つくかもしれませんが、主人公が始めたのは路上販売の弁当屋。
取引先や上司に気兼ねすることもなくなり、弁当を買ってくれるお客さんに喜んでもらえるのが嬉しいと、毎日が楽しくなり、腰痛もなくなった日々に、主人公の目は輝きを取り戻します。
ただ、あくまでそれは結果論。
リストラ、失業者から弁当屋になるまで、その間を繋ぐストーリィにこそ本書のユニークな面白さがあります。
鍵となったものを敢えて挙げると、それはどんぐりなのです。

温かくてユーモラス、元気を取り戻すことのできるストーリィ。

            

5.

「俺は駄目じゃない ★★


俺は駄目じゃない

2013年05月
双葉社

2016年08月
双葉文庫
(685円+税)



2020/04/10



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主人公は35歳の独身男、名井等(みょうい・ひとし)
彼が下着泥棒と間違えられ、県警に誤認逮捕されたところから本ストーリィは始まります。

一晩明けて警察から釈放されたものの、その時には既に逮捕のことを言いふらした人間がいて、勤務先からは即クビにされ、居場所を失います。
そんな名井に取材したい、応援したいと声を掛けてきたのは、地元新聞社の記者である
本山、そして市民オンブズマン「警察を見守る市民の会」副代表の久保という中年女性、会に協力しているという新川弁護士ら。
新川弁護士の紹介で新しい勤務先を得た名井、一方で久保らに勧められて誤認逮捕の経緯を綴ったブログを立ち上げます。
ブログ名は
「俺は何もやってません」、名前は「エンザイ男」
ところが、そのブログから思わぬ展開が・・・・。

名井自身が何か行動したという訳でもないのに、淡々と事実を語っただけのブログがかえって信頼を得たのか、投稿された書き込みによって警察の不祥事が次々と明らかになるという展開は、やはり“巻き込まれ型”ストーリィと言うべきなのか。

おかげで名井を見る人の目が変わり、それに応じて名井自身の気持ちも行動も変わっていく、というところが楽しく読める処。

全てうまく行き過ぎとも思いますが、無欲でこつこつと真面目に行動しているからこそ恩恵も得られたのだと思えば、救われる思いがします。
この後も、どうぞ名井等に幸せが待っていますように。

        

6.
「ひかりの魔女」 ★★☆


ひかりの魔女画像

2014年03月
双葉社
(1600円+税)

2016年10月
双葉文庫



2014/04/29



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同居していた伯父が死去し、ばあちゃんはその家を引き払って主人公の家に同居することになります。
といっても
真崎家は、主人公である光一が浪人中、中三の妹=光来は素行が悪化するばかり、母親がパートで働く惣菜屋は今にも潰れそう、おまけに父親が勤務する電気設備会社も経営が悪化している様子、とかなり厳しい状況。

怪我されて呆けられたらなお大変と、母親は光一に、ばあちゃんが外出する際には必ずお供をせよと命じます。
そのおかげで光一、ばあちゃんの作る食事の美味しさばかりか、書道教室時代の教え子たちからばあちゃんが深く慕われていることを知ります。
うちのばあちゃん、何やら不思議な能力を持っているのか?

「魔女」という表題ではあっても、ばあちゃん(真崎ひかり)はごく普通の老女・・・・・なのかどうか。
はっきり言えることは、何に付けても丁寧、そして人をおだてて気持ち良くさせる術に長けていること。

一体ばあちゃんがどんな活躍を見せるのやら。
主人公である光一は言わば読者の視点。ばあちゃんの活躍、暗躍の記録者であって、差し詰めホームズとワトソンという風です。
ばあちゃんの仕掛けにより、皆が気持ち良く、そして皆が満足する方向へとストーリィは弾みがつくように展開していくのですが、その一つ一つのドラマがすこぶる楽しい。

ユーモラスでハートフルなストーリィ、気持ち良いことこの上なし。

         

7.

「つ め ★☆


つめ

2016年10月
小学館

(1600円+税)

2020年07月
小学館文庫



2016/11/18



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主人公の真野朱音はファーストフードのうどん屋でパート勤め。2年前に子連れの中学同級生と結婚しましたが、その夫が単身赴任中とあって、現在は小学5年生になる義理の息子=裕也と2人暮らし。
「朱音さん」「裕也くん」と呼び方は他人行儀であるものの、それなりに順調な関係。
ところが、子供たちが遊ぶ公園の金網フェンスに隣家のイバラが絡み付いていて危ないと、朱音が子ども会を代表して何とかしてほしいと交渉にいったところ、けんもほろろに追い返されます。
その50代の女性=
南郷は、飼っているドーベルマンを遊んでいる子供にけしかけたりと、とかく評判の悪い人物。
市役所の担当者がロープを張り注意板を設置してくれたものの、南郷は朱音を恨んだのか、それ以降性質の悪い嫌がらせを執拗に仕掛けてきます。つい朱音もそれらに怒りを募らせ・・・。

やられたらやり返せ、というのが朱音のモットー。
それに対し、学校でイジメを受けているらしい裕也は、ガンジーを尊敬していて、身体を鍛え非暴力不服従で対抗しようとしているらしい。

朱音と南郷、壮絶なバトルを繰り広げる訳ですが、やはり「やり返し」は良くないよなぁ、と感じます。報復リスクという以上に自分を相手のレベルに落してしまう、ということですから。
一方、朱音と裕也という義理の母子関係も読み処。
それなりに面白く読めるストーリィ。最後の大団円はお約束事という感じですが、きれいに納めています。

     

8.

「ひなたストア ★★
 (ハルキ文庫刊行時:「がんこスーパー」)


ひなたストア

2018年10月
ハルキ文庫

2020年02月
小学館
文庫
(650円+税)



2020/02/26



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中年サラリーマンの再生ストーリィ。
刊行時は
「がんこスーパー」という題名でしたが、同じ中年サラリーマンの再生を描いたひなた弁当と併せて読んでもらいたいという思いから、「ひなたストア」へ改題したとのこと。

主人公はワタミキ食品に勤める
青葉一成
ワンマン社長の資産運用失敗のため、会社が管理職社員に退職勧奨。ちょうど友人から転職の誘いを受けていたことから潔く退職して転職したものの、転職先の
グリップグループ(小規模スーパーの連合体)の社長が交替。
元々前社長と対立していた新社長、青葉をも敵視し、開発課長という役職は容認したものの即座に研修名目で、潰れかけているスーパーに副店長として出向させられます。その先が<
ひなたストア>。
しかし、店長である
吉野は最初から青葉を警戒し、粗末に扱う姿勢。妻と娘からもさっさと辞めた方が良いと言われた青葉一成、さぁどうする?

主人公の提案によってひなたストアの状況(スタッフの雰囲気、独自商品等)が変わっていく、それに伴い主人公の働き甲斐も生まれていく、といった再生ストーリィ。
その中で特に気持ちが良いのは、それらの変化を主人公が自分の功績としていないことです。
自分は決して特別な能力を持っている人間ではない、他の店がやってうまく行っていることを真似しているだけ、自分だから出来たことではなくいずれ誰かが気付いて提案するようなことに過ぎないと、謙虚な姿勢に終始しています。
 
組織を活性化していくこと、皆が力を発揮していくためには、こうしたことこそ大事なことと思います。
全てが都合よく回り過ぎ、という面がなきにしもあらずですが、極めて気持ちの良いストーリィになっています。
仕事が辛くなったような時の気分転換に、是非お薦め。

      

9.

「ひかりの魔女−にゅうめんの巻− ★★☆


ひかりの魔女−にゅうめんの巻−

2019年05月
双葉文庫

(676円+税)



2019/07/24



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皆を幸せにする魔女?のおばあちゃん=真崎ひかりを中心とした連作ストーリィ、ひかりの魔女第2弾。

頭に白い手拭を姉さんかぶり、作務衣らしき紺の服の上に割烹着エプロンに、足元は紺の地下足袋? というのが本作品の中心人物であるおばあちゃん=
真崎ひかりの常なる姿。

読めば、ホント、幸せな気分になれるストーリィだなぁ。

魔法のコツは、上手に褒めること。
相手に褒められて幸せな気分になり、また褒められたいとヤル気が起きる。そこから新しい可能性が生まれる、という次第。

真崎ひかりおばあちゃんと縁が出来るや否や、ひかり先生は自分の恩人、自分こそひかり先生に特別に目を掛けてもらったと名乗る人たちが次々と各篇主人公の元にやってきます。
そして、弟子となのるどの人物も同じセリフを口にし、ひかり先生の知り合いのためなら是非手伝いをしたいと、名乗り出てくれる。おかげで窮状にあったというのに、とんとんと道が開けていきます。
わぁ、楽しい、嬉しい、これこそ幸せ、と言いたくなります。
まさに魔法と言うべき哉。
ひかりおばあちゃん、是非長生きしてもらい、続編を乞う!

「春」:漫画家の夢を諦め、母親からさびれた商店街にある喫茶店を引き継いだ鳥海結衣が主人公。
このままではいずれ閉店と覚悟したところ、幼馴染の祖父に線香をあげたいと訪れて来たのが、真崎ひかりという老女。
「夏」:クーデターにより社長の座から追い出され、今はマンションで一人住まいの東郷丈志。臨時の家政婦を務めてくれた真崎という老女の作った食事が美味しくて、ついその正体をつきとめようと・・・・。
「秋」:仕事が減り厳しい状況に至っている金属加工の田野上工業。雨宿りをしていた真崎ひかりという老女と知り合ったところ、後日その孫娘だというミツキが一緒にやって来て・・・。
「冬」:ラーメン店を潰してしまい、形式上妻と離婚し、妻・娘と別居、車中暮らしという湯崎弘司が主人公。自転車のまま転倒した真崎ナツミという中年女性を助けたところ、翌朝真崎ひかりという老女が訪ねてきて・・・。

春/夏/秋/冬

       

10.

「ひかりの魔女−さっちゃんの巻− ★★☆


ひかりの魔女 さっちゃんの巻

2020年10月
双葉文庫

(680円+税)



2020/11/03



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“ひかりの魔女”シリーズ第3弾。
このシリーズ、読んでいて本当に楽しい。
温かくて優しくて、気持ち良く明るい気分になってきます。
読み始めると、次は何?とワクワクする気持ちが抑えきれず、読み出したらもう頁をめくる手が止まらない、という風です。
 
本巻の主人公は、小五の少女=
重ノ木さち
イジメに遭って不登校となり、現在は「くすのきクラブ」というフリースクールに通う日々。
家族は、定年退職済の祖父とタクシードライバーとして働く母、という3人暮らし。
 
そのくすのきクラブに、新たなボランティアとして
真崎ひかりさんというおばあさんが現れた時から、さちの毎日がどんどん変わっていきます。
ひかりおばあさんの魔女ぶりは、前2作どおり。いや、相手が小学生だけにこれまで以上と言うべきかもしれません。
無理押しではなく、さりげなく語り掛けられる言葉についつい乗せられ、さちは少しずつ色々なことに挑戦することになります。
その結果、自信が生まれ積極的な心持ちになっていく。
灰色だった日々が、徐々に彩鮮やかな日々へと変わっていく、と言ったところでしょうか。

孫だというミツキや、「真崎ひかりさんは恩人」と明言する何人もの人とも出会い、さちの世界はどんどん広がっていきます。
さちだけではありません、人の悪口ばかりの祖父や、不機嫌なことの多かった母親まで、いつの間にかひかりさんのおかげですっかり変わってしまうのですから。
さらにさらに、ご近所まで変化が生じる、といった具合。

いやー、とにかく楽しい。楽しくって堪りません。お薦め!
※なお主人公のさち、
ひかりの魔女第一作にすでに登場していた少女でした。

    

山本甲士作品のページ No.2

         


  

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