平 安寿子
(たいらあすこ)作品のページ No.4



31.言い訳だらけの人生

【作家歴】、素晴らしい一日、パートタイム・パートナー、グッドラックららばい、明日月の上で、結婚貧乏、もっとわたしを、なんにもうまくいかないわ、くうねるところにすむところ、Bランクの恋人、愛の保存法

 → 平安寿子作品のページ No.1


センチメンタル・サバイバル、恋はさじ加減、あなたにもできる悪いこと、あなたがパラダイス、風に顔をあげて、セ・シ・ボン、こっちへお入り、恋愛嫌い、幸せになっちゃおしまい、さよならの扉

 → 平安寿子作品のページ No.2


ぬるい男と浮いてる女、神様のすること、おじさんとおばさん、人生の使い方、しょうがない人、コーヒーもう一杯、心配しないでモンスター、こんなわたしでごめんなさい、オバさんになっても抱きしめたい、幸せ嫌い

 → 平安寿子作品のページ No.3

 


           

31.

「言い訳だらけの人生 ★☆


言い訳だらけの人生

2015年12月
光文社刊
(1500円+税)

2018年01月
光文社文庫化



2016/01/05



amazon.co.jp

女性や家族の姿を描き続けてきた平安寿子さんにしては珍しい、中年男性たちを主人公に置いた長編ストーリィ。

かつて花形だったニュータウン、そこで生まれ育った
田中修司は家電メーカー勤務、万年課長補佐という49歳。息子・娘に恵まれ一応幸せそうな平凡家庭を築いていますが、妻の直美に首根っこを押さえられている観がなくもない。
その修司と中学時代に仲の良かった
菊池和彦は、起業に失敗して自己破産、実家に戻り無職という状況。
その2人に当時遊んでもらった2歳下の
高瀬達也は、家族経営のガス設備会社の入り婿となり、一応専務という肩書。
そんな3人が、
徳市じいが死んだ、我々で葬儀をやってやらないかという和彦の呼びかけに応え、何十年ぶりに再会します。
そんな3人が、それぞれに来し方を振り返り、今を見つめる、というストーリィ。
何やら凡人3人の半生記を読んだような気分です。

そんな3人に対し、それぞれの妻あるいは元妻の目は結構きついものがあります。要はぼんやりしていないで、テキパキ動け、というところでしょうか。
極めて現実的な女性たちの目からするとどうも男たちは、いつまでも夢見たいなことばかり言っている子供の様なもの、ということになるのでしょうか。
その点で本書は、女性たちの目から分析的に見た、典型的な中年男性群像ストーリィと言って良いでしょう。

しかし、男というものは所詮、過去のことも含め、何かしら夢みたいなことを考えていないと生きていけない種族なのです。
再会して子供の頃を取り戻したかのような中年男3人に対する平さんの目は、意外と優しい。しょうがないなぁと思いつつそれを許してくれている、そんな気がします。

1.男は現実が苦手だ/2.男は説明するのを好まない/3.男の主食は「憧れ」である/4.男はバカと呼ばれたい/5.男はモテれば幸せになる、とは限らない/6.男は「大人向き」にできてない/7.男は夢の中で目覚めるのだ

    

平安寿子作品のページ No.1 へ   平安寿子作品のページ No.2

平安寿子作品のページ No.3

 


   

to Top Page     to 国内作家 Index