小路幸也
(しょうじ・ゆきや)作品のページ No.1


1961年
海道旭川市生。広告制作会社に14年間勤務した後、作家活動入り。2002年「空を見上げる古い歌を口ずさむ」にて第29回メフィスト賞を受賞して作家デビュー。


1.
東京バンドワゴン

2.東京公園

3.シー・ラブズ・ユー−東京バンドワゴンNo.2−

4.スタンド・バイ・ミー−東京バンドワゴンNo.3−

5.マイ・ブルー・ヘブン−東京バンドワゴンNo.4−

6.リライブ

7.オール・マイ・ラビング−東京バンドワゴンNo.5−

8.ピースメーカー

9.オブ・ラ・ディ オブ・ラ・ダ−東京バンドワゴンNo.6−

10.東京ピーターパン


花咲小路四丁目の聖人、荻窪シェアハウス小助川、レディ・マドンナ、キシャツー、つむじダブル、スタンダップダブル!、蜂蜜秘密、フロム・ミー・トゥ・ユー、札幌アンダーソング、スタンダップダブル!甲子園ステージ

 → 小路幸也作品のページ No.2


オール・ユー・ニード・イズ・ラブ、すべての神様の十月、札幌アンダーソング間奏曲、ヒア・カムズ・ザ・サン、怪獣の夏はるかな星へ、ロング・ロング・ホリディ、アシタノユキカタ、札幌アンダーソング−ラスト・ソング、ザ・ロング・アンド・ワインディング・ロード、ラブ・ミー・テンダー

 → 小路幸也作品のページ No.3


東京カウガール、マイ・ディア・ポリスマン、花歌はうたう、駐在日記、ヘイ・ジュード、春は始まりのうた、アンド・アイ・ラブ・ハー、あの日に帰りたい、夏服を着た恋人たち、国道食堂 1st.season

 → 小路幸也作品のページ No.4


<銀の鰊亭>の御挨拶、三兄弟の僕らは、イエロー・サブマリン、国道食堂 2nd.season、グッバイ・イエロー・ブリック・ロード、君と歩いた青春、明日は結婚式、隠れの子、すべての神様の十月(二)、ハロー・グッドバイ

 → 小路幸也作品のページ No.5

  


   

1.

●「東京バンドワゴン」● ★★


東京バンドワゴン画像

2006年04月
集英社刊
(1800円+税)

2008年04月
集英社文庫化



2006/07/10



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題名から本書のストーリィを推察することはとてもできないでしょう。だって“東京バンドワゴン”というのは、東京の下町で明治以来代々続く古書店の名前だというのですから。
東京バンドワゴンを営む堀田家は大家族。79歳の勘一を筆頭に4世代、伝説のロッカーである息子にシングルマザーを含む孫3人+元スッチーの嫁1人+曾孫2人(従姉弟同士)。それに加えて猫4匹+犬2匹が同居人。
孫娘と嫁の2人は古書店の横でカフェを開業。ですから堀田家の食卓はいつも会話が入り交じり、賑やかで愉快このうえない。

その堀田家の全員が様々に関わる日常ミステリという4篇のストーリィなのですが、本書においてミステリはほんのスパイスのようなもの。本作品の魅力は、いずれも個性溢れる登場人物が一家族として賑やかに過すその姿にあるのですから(古書店という設定も本好きにとっては嬉しい)。
堀田家にはいろいろな家訓がありますけれど、その筆頭が「文化文明に関する些事諸問題なら、如何なる事でも万事解決」というもの。
何もご近所向け探偵事務所を開業しているのではないのですけれど、そこはそれ。古くから商いをしている住人だけに顔が広いことに加え、大家族なものですから事起きれば手助けする手の数は十分にあるという風。
こうした家族全員で営む商店、大家族というのは昭和年代であれば結構あっただろうと思うのですが、今や核家族時代。だからこそこの堀田家がすこぶる楽しく魅力的に思えるのです。ただ自分がそうありたいかというと、辞退したい。私にとってはあくまで読んで傍目に見て楽しんでいるのが華という気がします。その意味で、現代におけるメルヘンティックな物語と思えるのです。
登場人物が多ければ必然的に自分の好きな人物、そうではない人物に色分けされそうなものですが、本書に限ってはどの登場人物もそれぞれの魅力があり、誰が一番とはとても言い難い。強いて言えば、登場する人物全員が大好きになるのです。
それもあってか、偏ることのないよう本書ストーリィは、2年前に亡くなった勘一の亡妻サチさんが堀田家を鳥瞰する形での第一人称で語られます。その視点も本書の魅力のひとつ。

大家族故の楽しさ、登場人物全員の魅力、温かみあるストーリィの面白さが重なって、どっぷりと楽しい気分に浸かれる連作短篇集です。まずは本書を手にとり、冒頭の登場人物紹介頁をご覧あれ。読む気をそそられること間違いなしでしょう。
願いかなうことあれば、是非本書をシリーズ化して欲しい。そうでなければ余りに勿体ない、というもの。

春−百科事典はなぜ消える/夏−お嫁さんはなぜ泣くの/秋−犬とネズミとブローチと/冬−愛こそすべて

    

2.

●「東京公園」● 


東京公園画像

2006年10月
新潮社刊

(1400円+税)

2009年08月
新潮文庫化



2006/11/19



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幼い頃に死んだ実母がカメラマンでその面影が鮮明だった所為なのか、主人公の志田圭司は実母の遺したカメラで写真を撮ることが小学生の頃から好きだった。
東京で大学生活を送る今は、東京中の公園を回って親子連れや家族の写真を撮り続けている。
そんな圭司が葛飾区の水元公園で見かけ魅かれたのは、若い母親と幼い女の子の親子連れ。その直後、圭司はその夫である男性から、天気の良い日2人が公園へ出かける度に後を追って写真を撮って欲しいと頼まれる。
その日から、圭司はその母子の後を追うように東京中の公園を回りながら2人の写真を摂り続けることになります。
(以下ネタバレなのでご注意!)

東京バンドワゴンが良かったので、それなりに期待をして読み始めました。そして上記のような冒頭からどんなストーリィが繰り広げられていくのかと、期待も膨らみます。
しかし、途中で気が付きました。これは、ミア・ファロートポルの映画“フォロー・ミー”のパターンではないかと。
そう気がついたら、膨らんだ期待感は急速にしぼんだという感じです。
本作品は“フォロー・ミー”を真似した作品というつもりはありませんし、それ以外に独自に付け加えられた部分もあります。父親が再婚したおかげで姉となった咲実、恋人同士にはなっていない小学校からの付き合いである富永という2人の女性との関係、そして圭司が写真を通じて関わりをもつことになった百合香というその女性(母親)。
家族の繋がりにもいろいろな姿があること、恋人同士になる以外にも人と人が繋がり合うことは出来るということ、それが本作品からのメッセージであろうと思います。

    

3.

●「シー・ラブズ・ユー−東京バンドワゴン−」● ★☆


シー・ラブズ・ユー画像

2007年05月
集英社刊

(1500円+税)

2009年04月
集英社文庫化



2007/06/17



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古書店+喫茶店を大勢の家族で営んでいる堀田家の謎解き騒動記東京バンドワゴン第2弾。

前作で登場したすずみが次男坊・と結婚して家族の仲間入り。堀田家はますます賑やかです。
堀田家のメンバーはいずれも個性的な面々ばかり。そんな面々が集まっての大家族物語ですし、それを76歳で亡くなったサチが温かくかつ愛情たっぷりに語っていくのですから、楽しいこと紛れもなし。
ただ第1作に比較すると、堀田家とそれを囲む登場人物たちの新鮮味、ストーリィのスリリングさは薄れた感じ。その点がちと残念です。
この堀田家の物語、まだまだ続きそうです。堀田家の個性的な面々がいる限り、そして古書にまつわる謎解きが続く限り、リラックスして楽しめるシリーズであり続けるに違いありません。これからも楽しみです。

なお、本書で繰り広げられるストーリィは次のとおり。
・喫茶店の方に置いていかれた赤ん坊。何故その経緯を我南人が知っている?
藍子の相手はマードック、それとも若手社長の藤島? えっ、花陽も藤島を好きなの?
・勘一が幽霊が出たと言い、珍しく考え込んでしまう。
・またまた新たな、そして芽出度い堀田家の騒動記。

冬−百科事典は赤ちゃんと共に/春−恋の沙汰も神頼み/夏−幽霊の正体見たり夏休み/秋−SHE LOVES YOU

     

4.

●「スタンド・バイ・ミー−東京バンドワゴン−」● ★☆


スタンド・バイ・ミー画像

2008年04月
集英社刊

(1500円+税)

2010年04月
集英社文庫化



2008/05/23



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古書店+喫茶店を大勢の家族で営んでいる堀田家の謎解き騒動記東京バンドワゴン第3弾!
大家族の楽しさ、個性的な面々がずらりと顔を揃えているところから生まれるドラマが、本シリーズの魅力です。その点は3冊目に至っても少しも衰えるところはありません。
それどころか毎回少しずつメンバーが増え、和気藹々とした賑やかさはいっそう募るばかり。

本巻では、前巻の最後で同じ日に生まれた、かんな(親は紺と亜美)と鈴花(親は青とすずみ)という2人の赤ん坊が新しく家族に加わり、楽しげな彩を加えています。まだ籐の籠に収まって堀田家の猫や犬にも見守られながら満足そうな表情を浮かべているだけの存在に過ぎませんが、それでも堀田家の和気藹々とした雰囲気をさらに盛り上げてくれています。
他に、勘一と一緒に堀田家で育ったという「かずみ」が新登場。
また研人に恋しているらしい、同級生の女の子=芽莉依(めりい)ちゃんの存在感も楽しい。

なお、本書で繰り広げられるストーリィは次のとおり。
・買い取った本の中に<ほったこん ひとごろし>のクレヨン字が。誰かの恨みか?
・勘一の昔馴染みであるジョー・タカサキの遺言によって贈られてきた大量の本。それを米国人が何故狙う?
・京都の古本屋の集まりに出かけたすずみを待ち受ける試練。
真奈美の悩み事。馴染みの小料理居酒屋<はる>存続の危機!
我南人の周辺を誰かが嗅ぎ回っている。その狙いは?

堀田家の周辺を飾る元刑事の茅野、祐円・康円父子も相変わらずですが、今回はIT企業の若き社長=藤島の、さっそうとした活躍ぶりが特にカッコイイ。
このシリーズの楽しさ、家族が減らない限りまだまだ続きそうです。何たって事件ものに非ず、ホームドラマを主にした日常ミステリ、なのですから。

秋−あなたのおなまえなんてぇの/冬−冬に稲妻春遠からじ/春−研人とメリーちゃんの羊が笑う/夏−スタンド・バイ・ミー

   

5.

●「マイ・ブルー・ヘブン−東京バンドワゴン−」● ★☆


マイ・ブルー・ヘブン画像

2009年04月
集英社刊

(1500円+税)

2011年04月
集英社文庫化



2009/05/16



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古書店+喫茶店を大勢の家族で営んでいる堀田家の賑やかな揉め事相談&奮闘記東京バンドワゴン」の番外編!

語り手はいつもどおり堀田サチですが、時代は戦争が終わったばかりの昭和20年。つまりサチが堀田家に嫁入りする前のこと。
主人公のサチ、実は子爵五条辻政孝の令嬢=咲智子。両親から大事な文書が入っているという箱を託され、守り抜くことを厳命されて家を出ますが、早速GHQに捕らわれそうになる。そこを偶然救ったのが、江戸っ子のぺらんめえ口調の一方で正当なキングズ・イングリッシュを操る堀田勘一
成り行きから勘一の実家=古本屋“東京バンドワゴン”に連れて行かれた咲智子は、一家の主である草平美稲の決断の下、堀田家に匿われることになります。勘一の結婚相手、堀田家の嫁という名目で。
さらにサチを守るためということで、マリア、高崎ジョー、和泉十郎という曰くありげな面々が堀田家に集合。
「文化文明に関する些事諸問題なら、如何なる事でも万事解決」という堀田家の家訓がここでも開陳され、サチを守るための皆の活躍が賑やかに繰り広げられます。

本書の面白さは、ストーリィそのものより、東京バンドワゴン=堀田家の由来、謎が明らかにされること。
そして堀田家とサチ、スタンド・バイ・ミーで登場したかずみジョー・タカサキらとの関わりが読者へ明らかにされる、というところにあります。
「東京バンドワゴン」ファンだったら、見逃せない一冊です。

※本筋ではありませんが、戦争孤児であるかずみが自分の気持ちを鼓舞するため唱える言葉、それに象徴される彼女の健気さ・明るさが忘れ難い。

※“My Blue Heaven”はジーン・オースティンの曲(邦題:私の青空)

   

6.

●「リライブ relive」● 


リライブ画像

2009年12月
新潮社刊

(1500円+税)

2012年10月
新潮文庫化


2010/02/22


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死を迎えた人の前に、夢を食うと言われる“”が現れ、人生の分岐点に戻って人生をやり直したくはないか、と言う。
その代わり、分岐した後のこれまでの人生の思い出は獏のもの、という取引条件。
選択を与えられた人たちが、もう一度やり直す人生を描く7篇。
それは「人生の最期に、幸せだと思える夢のようなものを見る」というだけのことなのか。

ただ単純な人生のやり直しストーリィではありません。人生とは自分だけで作るものではなく、それに関係する人もいたのですから。
そこが巧妙な仕掛けになっているのが、本短篇集の持ち味。

しかし、鍵となる存在“獏”にもう一つ実感が湧かず、人生をやり直すなら前より良い人生になるのは当然のことだよなぁと思う気持ち、でもやり直せないからこそ人生ではないか、という思いが私自身にある所為か、読後感はイマイチ、というのが正直なところ。

東京バンドワゴンシリーズ以外の作品、期待して読むのですがどうもイマイチという読後感に終わってしまう。
これはもう、小路さんと私の相性のズレと言う他ないのかも、と思う次第。

輝子の恋/最後から二番目の恋/彼女が来た/J/生きること/あらざるもの/すばらしきせかい

  

7.

●「オール・マイ・ラビング−東京バンドワゴン−」● ★★


オール・マイ・ラビング画像

2010年04月
集英社刊
(1500円+税)

2012年04月
集英社文庫化



2010/05/26



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古書店+喫茶店を大勢の家族で営んでいる堀田家の賑やかな揉め事相談&奮闘記東京バンドワゴン第5弾!

このシリーズ、私は大好きです。いつも楽しい気分になれること疑いなし、ですから。
何故なのだろうなぁと改めて考えると、私が持ちようのないものが沢山溢れているから、かな。
まず大家族、それも賑やかで楽しそう。皆で商売を切り盛りし、いつも元気で明るい。それ故か、個性的な人物たちがこの一家に引き寄せられるようにして集まり、賑やかさはさらに膨れ上がっていくという展開。
そして各篇がちょっとした謎解きストーリィになっている上に、大きな流れとして堀田家の秘められた謎が少しずつ読者の前に明らかにされていくという魅力もあり。

この第5弾でも、堀田一家はますます賑やかです。IT企業の若社長=藤島が隣に建てた<藤島ハウス>が完成、藍子マードック夫婦が移ると共に、かずみも引っ越してきます。
かんな鈴花という同じ日生まれの女児2人も無事に1歳の誕生日を迎え、皆で盛大に誕生日パーティ。さらに最後の篇では研人の小学校卒業祝いもあります。

なお、本書で繰り広げられるストーリィは次のとおり。
茅野の甥=靖祐が恐れおののいた、頁が増える古本の謎は?
 そしてまた、亜美の弟=修平の道ならぬ恋の行方は?
・朝、店の前に置かれる箱の、猫の本ばかり、犬の本ばかり、○に関わる本ばかり、の謎は?
 そして、堀田家を探る怪しげな新聞記者の狙いは? その過程で、東京バンドワゴン・創設の秘密がついに明らかになる!
が大学講師を辞めた理由、初めて明らかになる!
・堀田家に関わる人達の、新たな出発を描いた篇。そのメインとなるのは、我南人研人という祖父&孫コンビ。

あなたの笑窪は緑ふたつ/さよなら三角また会う日まで/背で泣いてる師走かな/オール・マイ・ラビング

※“All my loving”は、ビートルズのラブソング。

        

8.

●「ピースメーカー」● ★★


ピースメーカー画像

2011年01月
ポプラ社刊
(1500円+税)

2013年08月
ポプラ文庫化



2011/03/09



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運動部と文化部間の対立が激しい赤星中学校。その理由は、各々の総合顧問を務める古株教師2人の確執にあるらしい。
しかし、その運動部と文化部の融和がなった時期が、過去に3年間あります。それは、放送部顧問の
コウモリこと中山俊一先生に頼まれ、容姿端麗かつ成績優秀だった林田みずき(みーちゃん)が放送部員を務めていた頃のこと。
そんな赤星中学校に入学した、みずきの6歳年下の弟=
良平、みずきの後を継ぎ“2代目ピースメーカー”となることが果たしてできるか、という学園もの連作風長篇小説。

昼の校内放送が終わった頃、毎日のように放送室へお茶入りの薬缶を持って現れるのが、顧問のコウモリ先生。
そして時々コウモリは、お茶だけでなく、学園内の問題ごとも放送部に持ち込んできます。
放送部だから運動部と文化部の間を自由自在に動ける、放送部だからこそできることがある、というのが1年生放送部員、良平と
ケンちゃんの信条。
l顧問が2人に持ち込む難題を、放送部の特権と放送部だからこその情報収集力(含む盗聴)を駆使し、2人が学園内の平和のために活躍するという、“めざせ、ピースメーカー!”といったストーリィ。
このストーリィ構図、年配の人ならきっと思い浮かぶのではないでしょうか、まるで人気TVドラマ「スパイ大作戦」のよう。

背景が学園ドラマだけに微笑ましく、しかも飛び切り楽しい。
学校が舞台だからこそのユーモア+ハッピーストーリィと言って良いでしょう。
良平とケンちゃんの他、転校生の新入部員=
三浦文枝、3年生の女王様部長=沢本香苗も終盤活躍、読者を飽きさせません。
なお、最後には作者から読者へのプレゼントのような章。こんなプレゼントがあるのもまた嬉しいこと。

一九七四年の〈ロミオとジュリエット〉/一九七四年の〈サウンド・オブ・サイレンス〉/一九七四年の〈スモーク・オン・ザ・ウォーター〉/一九七四年の〈ブートレグ〉/一九七四年の〈愛の休日〉/一九七五年の〈マイ・ファニー・バレンタイン〉/ボーナストラック

        

9.

●「オブ・ラ・ディ オブ・ラ・ダ−東京バンドワゴン−」● ★☆


オブ・ラ・ディ オブ・ラ・ダ画像

2011年04月
集英社刊
(1500円+税)

2013年04月
集英社文庫化



2011/05/16



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古書店+喫茶店を大勢の家族で営んでいる堀田家の賑やかな揉め事相談&奮闘記東京バンドワゴン第6弾!
いつもどおりの楽しさが、そこにはあります。

マンネリ化という面がないではありませんが、それぞれ子供たちの成長する姿が描かれているので、そこに陥らずに済んでいるという観あり。
本書では、
研人が中学生となり、新たな才能を見せ始めます。花陽も自分の目標を決め、勉強に励みだします。
また、
かんな鈴花の2幼女が2歳となり、まだ会話に加われないものの、華を添えています。
一方、大人たちの間では、花陽らの学費に備えた収入増策が課題に。

本書で繰り広げられるストーリィは次のとおりです。
・店の前の古書のワゴン、そこに毎日置かれる林檎のメッセージは?
・子供の頃1回だけ映画出演したことのある
に、当時の監督から再び出演依頼が。さらに、舞台として東京バンドワゴンの店まで借り上げ依頼。さぁどうなる?
 一方、
我南人の後輩が、我南人の新曲を盗作して大ヒット?
・東京バンドワゴンの様子を窺う怪しい男。そして、堀田家にとって昔懐かしい人物が登場。
藤島にストーカー? 藤島にとっての辛い過去が蘇る。
 そして、お祝い事が幾つか。

春−林檎可愛やすっぱいか/夏−歌は世につれどうにかなるさ/秋−振り向けば男心に秋の空/冬−オブ・ラ・ディ オブ・ラ・ダ

※“All my loving”は、ビートルズのレゲエ風なポップな曲。

              

10.

●「東京ピーターパン」● ★★

東京ピーターパン画像

2011年10月
角川書店刊
(1400円+税)

2013年12月
角川文庫

2011/11/15

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早朝から翌朝までの24時間、時間と登場人物を追って展開していくストーリィ。
初老のホームレス、交番のベテラン警官、印刷会社の営業マン、ミュージシャン、引き籠りの高校生、その姉のOL、というのが本書登場人物の面々。彼らに共通するのは、プロ・アマを問わず、いずれもかなりのミュージック好きであること。

冒頭深夜に起きたドタバタ劇の挙句、3人の人物が高校生=聖矢が引き籠っている土蔵に駆け込み、登場人物が一同に揃うことになります。
その事情をこじつけるため、現ホームレスにして伝説のギタリスト=
シンゴを中心にドラマー、ベーシスト、ボーカル、作曲者が都合よく揃い、一晩だけのバンド結成が行われます。
ピーターパンのネバーランドならぬ土蔵の中、彼らにとって夢の実現のようなひと時が繰り広げられます。

各人のキャラクターも楽しく、24時間という時間設定の故にストーリィのテンポも良く、和気藹々として実に楽しい一冊。
楽しいこと好きな方にお薦め!

      

小路幸也作品のページ No.2    小路幸也作品のページ No.3

小路幸也作品のページ No.4   小路幸也作品のページ No.5

    


     

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