越谷オサム作品のページ No.1


1971年東京都生、学習院大学中退。越谷市在住。2004年「ボーナス・トラック」にて第16回日本ファンタジーノベル大賞優秀賞を受賞。


1.
ボーナス・トラック

2.階段途中のビッグ・ノイズ

3.陽だまりの彼女

4.空色メモリ

5.金曜のバカ

6.せきれい荘のタマル

7.いとみち

8.くるくるコンパス

9.いとみち 二の糸

10.いとみち 三の糸


魔法使いと副店長、房総グランオテル、まれびとパレード、四角い光の連なりが、たんぽぽ球場の決戦

越谷オサム作品のページ No.2

  


   

1.

●「ボーナス・トラック」● ★☆   日本ファンタジーノベル大賞優秀賞


ボーナス・トラック画像

2004年12月
新潮社刊

(1500円+税)

2010年04月
創元推理文庫化


2005/01/26


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ストーリィ自体は単純で、それほど大きな出来事がある訳でもありません。
アダルトビデオを借りに行こうと暗い田舎道を歩いていた大学生が乱暴な運転のスポーツカーにひき逃げされる。大手ハンバーガーチェーンに勤める若手社員が帰宅途中その場を通りがかり、警察に通報する。
そこまではフツーなのですが、轢かれた大学生がユーレイとなって現世に残り、若手社員にぴったり付きまとうことになったところがフツーではない。
轢かれた大学生・横井亮太と、彼に付きまとわれることとなった草野哲也が、ハンバーガー・チェーンの激務の傍ら一緒にひき逃げ犯人探しをするというストーリィです。

この作品の魅力は、草野と横井の2人の間で交わされる、息のぴったり合った掛け合い漫才のようなやりとりにあります。
ユーモラスでテンポが良く、温かみもあって楽しくなります。
片割れがユーレイだというのに、健やかな青春風に収まっているところが愉快。
草野哲也、横井亮太、交互にそれぞれの立場から語られますが、前者は三人称、後者は一人称という使い分けも、良いテンポをもたらしています。
なお、脇を固めるハンバーガー店・Sスタッフの、高校生バイトのしょうちゃん首コキコキ、彼らの高感度もバッチリ。
頭をあまり使わずに楽しみたい、という方にお薦めの一冊。

 

2.

●「階段途中のビッグ・ノイズ」● ★★☆


階段途中のビッグ・ノイズ画像

2006年10月
幻冬舎刊

(1500円+税)

2010年05月
幻冬舎文庫化



2011/09/11



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第2作にしてこんなに面白い、魅力的な青春小説を書いているとは思いも寄りませんでした。
いとみちを読むにあたり、一応と思って読んでみたというところなのですが、読み逃さなくてよかった。私の好みにぴったりの作品です。

軽音楽部の上級生2人が麻薬所持で退校処分となり、軽音楽部自体も廃部の危機。
たった一人残された部員の
神山啓人は廃部通告にやむなしと諦めかけたのですが、戻ってきた同級生部員の九十九伸太郎と2人、軽音楽部存続をかけ、県立大宮本田高校文化祭“田高マニア”のステージを目指して奮闘することになります。
しかし、部室と言えば階段途中の踊り場、軽音楽部を見る周囲の白い眼の中、まずはバンドを組むに必要な最小限のメンバー、そして顧問教師を探すことになりますが、それすら難題。

何かとおどおどしがちな啓人、暴走気味の伸太郎、天才的なギタリストながら少々協調性の欠ける嶋本勇作に、吹奏楽部からドロップアウトしてきたロバ男の岡崎徹という4人の組み合わせも個性的ながら、脇を固める登場人物たちの方がさらに魅力的。
存在感薄い教師ながら顧問に就任して以来きちんと練習に付き合う古文の
カトセンこと加藤、啓人たちを応援する水泳部の大野亜希、人間味溢れる校長、定められたルールに厳格な女性体育教師の森淑美、という4人。
ことごとく4人の前に立ちふさがる森も、融通が利かない点でかえって面白い存在なのですが、何と言っても啓人が密かに想いを寄せている大野亜希のキャラクターが抜群。
この手の青春小説でヒロインとなるのは大人しい美少女系が多いのですが、この亜希、自他認める大食いでそれを少しも恥じることない大らかで逞しい体育系女子。彼女の人物造形が実にいい。

どん底からの挑戦、葛藤、到達と団結、そして文化祭直前での挫折感と、その展開は月並みかもしれませんが、文化祭前から始まり当日に至ってのステージの盛り上がりはとにかく圧巻。
突きぬける躍動感、全校挙げての一体感には、読んでいても興奮する、といって誇張ではありません。
主役である4人+1人+α、最後に加わった1人に拍手喝采。

      

3.

●「陽だまりの彼女」● ★★☆


陽だまりの彼女画像

2008年04月
新潮社刊

(1400円+税)

2011年06月
新潮文庫化



2008/05/07



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仕事先で偶然にも10年ぶりに再会した渡来真緒。中学時代「学年有数のバカ」と言われイジメられっ子だった彼女は、今や綺麗で「できる」ワーキングウーマンとなっていた。
そんな幼馴染の真緒と主人公=奥田浩介との、純真でとても気持ち良いラブストーリィ。

こうした紹介文からどんな展開を予想するでしょうか。
かつてバカにしていた真緒が今や美人かつ優秀な女性となり、主人公がそんな真緒に振り回されるユーモラスなストーリィを予想されるのではないでしょうか。
ところがそんな私の予想とは大違い。元々中学時代の2人にはかなり密な関係があったのです。それは、イジメられる真緒を一度かばったことが契機となって浩介自身が「キレたら恐い」という要注意人物にされてしまい、2人して他の同級生から仲間外れになっていたこと。
そんな2人が大人になって再会したのですから、当然の如く2人の恋愛は順調過ぎるくらいスピーディに進んでいきます。
熱烈な恋愛というのではなく、相手と共に過ごせることに喜びを感じ、相手をよりいっそう大事に思う。こんな純粋で健やかで気持ち良いラブ・ストーリィはそうあるものではありません。
でも、そんな真緒にはたったひとつ秘密があった。それは現在の養父母に引き取られるまで13年間の記憶を一切喪っていたこと。

後半その秘密に絡んでサスペンス的な展開があるかと思えば、それがまた、全く予想も及ばない展開。
そもそも「有数のバカ」と言われた女の子が、いくら努力したからといってそうも優秀になったりする訳ないのです。
何よりも大切な恋人が・・・というストーリィは他にもありますが、予想もしない展開と、切なさより限りなく温かな余韻が最後に残る、そこが本作品の格別な魅力。
純粋で、気持ち良く、ファンタジーなラブストーリィ。そんな物語が好きな方に、是非お薦めです。

  ※映画化 → 「陽だまりの彼女

   

4.

●「空色メモリ」● ★☆


空色メモリ画像

2009年11月
東京創元社刊

(1600円+税)

2012年06月
創元推理文庫



2009/12/19



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軽快で健康的な高校生小説。
昔、中学〜高校にかけて購読していた学習雑誌(高一コースとか高一時代とか)にいかにも掲載されていたような雰囲気の作品です。主人公たちにドジな面があるところ、ストーリィ展開の鮮やかなところは、はるかに優っていますが。

部員は部長ただ一人という、県立坂越高校文芸部。その文芸部に何故か新入生の女生徒がたった一人で入部してきます。
たちまち部長のハカセこと河本博士(ひろし)は、その女生徒=メガネをかけた地味な野村愛美(まなみ)にボーッとなってしまいますが、その彼女には何かいろいろな事情があるらしい。
部室で読書に没頭している2人の横で、部室に年中入り浸っているのに部員外というデブの涌井陸は、パソコンに向かって学校で起きるあれこれを日記のように打ち込んでいく。
その陸が本ストーリィの語り手。そして陸が打ち込んだデータを保存しているUSBメモリが、名づけて「空色メモリ」。
その空色メモリが紛失したことから、思わぬ事態が発生・・・というのが本書ストーリィ。
その3人の中に後から飛び込んでくるのが、オッチョコチョイだけれど気は好くて暴走気味のあるサキこと宮原沙希
彼女の存在が良い潤滑油になって、ストーリィは滑らかに展開していきます。このサキ、い奴なんです。

セックスもドラッグも暴力も、大事件もない学園ストーリィ。
そこにいるのは、不器用で地味な、どちらかというと教室の隅にいるような高校生たち。
ごくありふれた高校生活といっても、それなりにちょっとした事件は起こります。
恋にやきもきし、好きな相手のために頑張ってしまう。そうした内に仲間としての繋がりが深まっていく。
そんな仲間ができれば、きっと高校生活自体が楽しくなりそう。
こうした青春小説、私は好きですねー。
軽い気分で健やかに楽しめる、学園ストーリィ。重い小説ばかり読んで疲れ気味の方に、是非お薦め。

   

5.

●「金曜のバカ Fool on Friday ★☆


金曜のバカ画像

2010年01月
角川書店刊

(1600円+税)

2012年11月
角川文庫化



2010/02/27



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ユーモラスで、温かな、高校青春グラフティ、といった短篇集。
感動とかいうことはありませんが、とにかく楽しい。
こうしたところが越谷オサム作品の魅力、だと思います。

5篇中秀逸なのは、表題作「金曜のバカ」
長い長い田舎の通学道を自転車で通う、素っ頓狂なところある女子高生カナの前に現れたのは、ストーカー青年。
その2人が毎週、決まったように繰り返すバトル。折角の男女の出会いがこんな風になるなんて、何ともバカらしく笑ってしまうのですが、楽しいといえばこんな楽しいことはないのかも。
ユーモラスな青春短篇がお好きな方には、是非お薦めしたい篇。

「星とミルクティー」は、流星群を見るため夜中、堤防に出かけた男女の高校生同士が出会うストーリィ。
梶尾真治さん的なファンタジーなのですが、何とも心温まるところが素敵です。

「この町」は、絶好のチャンスと期待を高まらせていた男子高校生が、寸でのところで・・・というストーリィ。友達から失敗した恋愛体験を聞くような面白さあり。

「僕の愉しみ 彼女のたしなみ」は、恐竜オタクの男子高校生が折角のデートでしくじる話。オタクが恋愛にうまく対処するというのは、難しいものなのです。私としては共感するところ大きいなぁ。

最後の「ゴンとナナ」は、老犬ゴンを連れて海辺を散歩する女子高校生ナナの話。ちょっとビターな味わいが本短篇集の最後を引き締めてくれます。

金曜のバカ/星とミルクティー/この町/僕の愉しみ 彼女のたしなみ/ゴンとナナ

           

6.

●「せきれい荘のタマル」● ★☆


せきれい荘のタマル画像

2011年01月
小学館刊

(1300円+税)



2011/09/26



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東京の大学に進学した主人公=石黒寿史、予備校時代から想っていた相手=法村珠美(のりたま)が同じ映画研究部に入部したと知り、大喜び。
しかし、住むことになったアパート“
せきれい荘”の隣室には、はた迷惑な先輩=田丸大介(タマル)がいた。
決して悪い人ではない。でも、元気過ぎ、思いつくままに突っ走り過ぎ、人の事情を考えない等々、振り回されるばかり。
タマルを知る上級生からは「大変だろう」と同情され、タマルの隣人と知るとバイト応募先を断られと、何かとはた迷惑な先輩。
そんなタマルがのりたまに恋心を抱き執拗なアタックを始めたと思ったら、映研部絡みで起きた様々なトラブルにタマルと共に巻き込まれ・・・。
はた迷惑な隣人かつ先輩のおかげで主人公が味わう、それはそれで充実(?)した大学生青春ストーリィ。

このところで階段途中のビッグ・ノイズ」「いとみち、本書と、3作品を一気に読んできたのですが、越谷オサムさん、こんな面白い作品を書く作家とはまるで認識していませんでした。
ふむふむ、他にもない訳ではない話だなと思って読み進んでいたら、途中から俄然として面白くなる、というのが越谷作品の特徴だと思います。
はた迷惑な男という印象だったタマルが、いつの間にか、いいところ有るじゃないかこの男、と印象が変わっていることに気づきます。
でも、そう思っても中々このタマルのようには行動できない。そこにタマルの魅力があります。

                

7.

●「いとみち」● ★★


いとみち画像

2011年08月
新潮社刊

(1300円+税)

2013年11月
新潮文庫化



2011/09/12



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弘前市内の高校に通う相馬いとは、育ててくれた祖母の影響で濃い津軽弁。おかげで子供の頃から津軽弁がコンプレックスで、かなりの人見知り、人とのコミュニケーションが苦手。
何とか人見知りを克服しようと始めたのが、青森市内にあるメイド喫茶
“津軽メイド珈琲店”
ところがそう簡単に津軽弁が治る訳でもなく、挨拶からして「お、おけえりなせえまし、ごスずん様」とひどく訛るばかりか、皆が呆れるくらいにドジっ娘ぶりを発揮。

そんな相馬いとの、バイト先であるメイド喫茶を舞台にした、青春成長物語。

本ストーリィの良さは、ローカルなところ、がまず第一。
メイド喫茶でバイトしているにもかかわらず、いとの津軽弁は相も変わらず。高校に入学してやっとできた友人も、同じ五能線沿線で津軽弁が濃い3人だからこそ。バイト先でも裏側ではついつい津軽弁が飛び出すという風で、津軽弁が本ストーリィに楽しいリズムをもたらしています。
その中でも、いとの祖母=
ハツヱの純粋かつ古典的な津軽弁は理解できる人が僅か、というのが凄い。それなのに津軽三味線でロックまで演奏してしまうのですからこの祖母、只者ではありません。
その祖母に幼い頃から教わって、
いとも津軽三味線は得意。
しかし、ある理由から津軽三味線から遠ざかっていた
いとでしたが、本書の最後では津軽三味線を手に、店の危機に立ち上がります。

不器用で地味な主人公が居場所を手に入れたおかげで成長をとげ、最後は演奏で観客たちを熱狂させるという展開、階段途中のビッグ・ノイズに良く似ています。
「ビッグ・ノイズ」がさしずめ男子高校生版なら、本書は女子高校生版と言えるでしょう。
店員と客たちが一緒になって、家族的な雰囲気を醸し出しているのも楽しいところです。

※映画化 → 「いとみち

        

8.

「くるくるコンパス」 ★☆


くるくるコンパス画像

2012年04月
ポプラ社刊

(1400円+税)

2015年05月
ポプラ文庫化

2013/04/14

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中学の修学旅行は奈良・京都。
冴えない将棋部の男子中学生3人組が、大阪に転校していった同じ将棋部の女子に会いに行こうと、自由行動日に行動ルールを破って京都から大阪へ。
知らない街でのちょっとした中学生時代の冒険を回想したヤングアダルト向けストーリィ。

まず懐かしいです。
私も中学の修学旅行は奈良・京都でした。ただし乗った列車は新幹線ではなく、修学旅行専用列車“日の出号”でした(3学年下の妹の時にはもう新幹線)。
修学旅行の途中抜け出して京都から奈良へ自分たちだけで行くというのは、中学生にとってはかなりの冒険だと思いますよ。実際に彼らは梅田、道頓堀で身を持って冒険を体験してしまいます。
主人公と同級生女子とのささやかなエピソードも、修学旅行最中だからのことと微笑ましい。

同級生の仲間たち、女子の同級生たち、厳格だったり様々なタイプの先生たち。自分の中学修学旅行当時を思い出したくなる、そんな懐かしさを感じる一冊です。

               

9.

●「いとみち 二の糸」● ★☆


いとみち二の糸画像

2012年09月
新潮社刊

(1300円+税)

2015年02月
新潮文庫化



2012/10/05



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ドジッ子の津軽娘=相馬いと(いとっち)を主人公にしたユーモラス青春ストーリィいとみちの続編。
前作が非常に印象的だっただけに、続編である本書からは前作のような新鮮な面白さ、というものは感じません。
それでも本作品の登場人物は、主人公のいとっちを始めとして、皆心楽しくなるキャラクターばかり。私のお気に入りの作品であることに変わりはありません。

本作品でいとっちは2年生に進級。同じ五能線通学組の親友3人とは悲しくも別クラスになりましたが、
早苗のリードにより4人で写真部を結成。結成早々写真部に入部してきたのが、新一年生の石郷鯉太郎(りたろう)。中学まで相撲で活躍実績のある巨体ですが、心優しき新入生。その鯉太郎が新たな登場人物。
2年生になったいとっちたち、高校そして
“津軽メイド珈琲店”を背景になんだかんだと色々な出来事が書き綴られ、本ストーリィを形作ります。
そん中で肝腎のいとっち、濃い方言故の内気は相変わらずで格段の成長は認められないものの、少しは成長したのかも。
一方、主要人物の中で格段にステップアップするのは、メイド長の
幸子と自称エースメイドの智美
その2人を囲んでの終盤、大勢が集まってワイワイガヤガヤする場面には思わず読み手も一体感を味わえ、本作品の楽しさ満喫できるところです。

作者の越谷さんに乞う! いとっちの更なる続編を!

      

10.

「いとみち 三の糸 ★★☆


いとみち三の糸画像

2014年04月
新潮社刊

(1400円+税)

2016年11月
新潮文庫化



2014/05/15



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ドジッ子の津軽娘=相馬いと(いとっち)を主人公にしたユーモラスな青春ストーリィいとみち」三部作、完結編。

高校3年生になったいとっち、冒頭では相変わらずの引っ込み思案で濃厚な津軽弁も全く変わっていないなぁと思わせられるのですが、いやいや、2年以上この津軽メイドカフェに勤めた経験は着実にいとっちを成長させているのです。
それがどんなところで発揮されるのかは、この完結編を読んでのお楽しみ。

冒頭では、漫画家を目指して上京した
福士智美の妹で高校一年生のチハルがメイドカフェの新バイトとして加わってきますが、これが中々の難物。
そしてまた心優しき後輩にして巨体の
石郷鯉太郎といとっちの関係は進展するのやら。
さらに、高校3年生=受験生。いとっちは自分の進路をどう選ぶのか。そして同時にこれだけ内気ないとっちが、実家を離れて都会の大学へ進学などできるのでしょうか。

この完結編の見所は、思わぬところで見出される主人公いとっちの成長ぶり。
最後の最後は、まさしく大団円です。
心優しく内気な少女の成長ストーリィ完結編。温かくユーモラスで、そのうえ爽快、楽しきこと限り無しの青春篇。
いとっちが口に出す津軽弁の何と愛おしいことでしょうか。願いが叶うことあれば、是非またいとっちとその仲間たちに再会したいものです。

         

越谷オサム作品のページ No.2

  


  

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