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2.亡国のイージス 3.終戦のローレライ 4.6ステイン 5.平成関東大震災 |
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●「Twelve Y.O.」● ★ 江戸川乱歩賞受賞 | |
2001年06月 1999/11/27 |
著者の言葉として、「ハリウッド製冒険アクション映画に憧れ(中略)その醍醐味を表現する手段として小説を選んだ」と福井さんは語っていますが、
まさにその言葉通りの小説と言えます。 とても日本を舞台にしたストーリィとは思えないような、如何にもアメリカ的なサスペンス・アクション。近代兵器を駆使した戦闘シーンもたっぷり、という作品です。 主人公である自衛官・平貫太郎は、かつて栄光を目指したこともあったが、今は街中で自衛官募集に明け暮れる日々。ところが、かつての恩人・東馬修一に再会した直後から、あれよあれよという間に壮絶な戦いの渦中に巻き込まれてしまう、というストーリィです。 それは、電子テロリスト・トウェルブが、軍事大国アメリカに対して仕掛ける孤独な戦い。同時にそれは、彼を阻止しようとする自衛隊の諜報組織との戦いでもありました。 戦闘シーンの壮絶さは呆気に取られてしまう程なのですが、その一方で、何かわからないなぁ、という納得いかないものが常にありました。好みの違いと言ってしまえば、それまでなのですが。 主要登場人物のひとりでかつ最も興味深いのは、東馬理沙という少女なのですが、結局彼女のことがよく判らないままだったことの影響が大きいようです。 攻防場面のスケールの大きさは、カッスラー“ダーク・ピット”シリーズ並なのですが、ピットの方がもっと単純明快で、だからこそ存分に楽しめた、という気がします。 結論としては、私の好みに異なる作品でした。 |
●「亡国のイージス」● ★★ 日本推理作家協会賞・日本冒険小説協会大賞他 |
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2002年07月
1999/12/08 |
前作「Twelve
Y.O.」
に続くストーリィのようです。同じく、自衛隊という、矛盾をはらんだ存在を題材にしたサスペンス・アクション。ただし、登場人物は一切異なりますので、単独で読んでも支障はありません。 |
※ 映画化 → 「亡国のイージス」
●「終戦のローレライ」● ★★ 吉川英治文学新人賞 |
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2005年1-2月 2003/03/15 |
圧倒的な量感をもった長編大作。 太平洋戦争末期、日本の降伏はもはや時間の問題という時期に、ドイツ軍が開発した秘密兵器=超高感度ソナー“ローレライ”を海底から回収し、それをもって最後の特殊作戦に向かう任務を与えられた1隻の潜水艦があった。 1人の日系ナチス親衛隊将校を乗せたその艦は、戦利(戦利品という意味)潜水艦<伊507>。戦艦並みの大砲を備えた同艦は、ドイツ軍下では“シーゴースト”という異名で連合軍に恐れられた潜水艦。 “あるべき終戦の形”をつかみ取ることが、<伊507>の与えられた究極の任務。しかし、それは一海軍将校の個人の思惑から計画されたものであり、それは果たして海軍、日本国民が望むものだったのかどうか。 戦争という大きな枠組みの中、戦争に運命を翻弄された様々な人の思い・苦渋を凝縮するように<伊507>、そしてその乗組員たちの姿が描かれます。 |
※ 映画化 → 「ローレライ」
●「6(シックス)ステイン」● ★★☆ |
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2007年04月
2005/05/19 |
福井さん初の短篇集とのこと。もっとも、どの篇も短篇というよりは中篇というべき重量感を備えています。 内容は6篇とも共通していて、防衛庁情報局に所属する、あるいは所属していた男女に関わるストーリィ。
冒頭2篇を読んだ時点では、情報局にひとたび関わった人間の因業およびその任務の索漠さを描いた、情報部員特有のスリリングなストーリィと思われました。日本では一般に想像もし得ない、防衛庁の秘められた姿を描いた点に希少価値があるのかと。 いまできる最善のこと/畳算/サクラ/媽媽/断ち切る/920を待ちながら |
●「平成関東大震災」● ★ |
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2010年09月
2007/12/23
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いつかは再びM7以上の直下型地震が東京を襲う・・・。 私は東京生まれ、東京育ちなものですから、そう言われ続けてもう半世紀。そんな大地震が起きないようにと願い続ける一方、いい加減聞き飽きたなぁという気分もあるのです。 しかし、そんな油断こそが大敵。実際に起きた阪神淡路大震災や新潟中越沖地震とかを見て、そう感じます。 本書は2007年に東京湾北部でM7.3の大地震が起きたという想定の元に、どんな状況が起きるかを描いた“実用的シュミレーション小説”とのことです。 まず考えることは、自分の身の安全、周囲の状況。次いで家族と実家の安否、何が何でも帰宅。そして、せちがらいことではありますが本書の主人公と同様、まだ借りたばかりのローンある自宅の心配になるだろうと思います。 1.大地震発生!どうしよう・・・/2.線路も道路も通行不能!どうしよう・・・/3.コンビニで火事場泥棒に遭遇!どうしよう・・・/4.瓦礫の下から老婆の声!どうしよう・・・/5.町が、家が、燃えている!どうしよう・・・/6.築一年の我が家が倒壊!どうしよう・・・/7.生き延びた・・・で、これからどうしよう・・・。 |