よしだたくろう/青春の詩(エレック・レコード EB-1006)

今や大御所となってしまった吉田拓郎の2枚目のヒットシングル。
ファースト・シングルは「イメージの詩/マークU」だ。余りにも斬新な詩と曲でドギモを抜かれた。最近は kinki kidsと「LOVE2 愛してる」で 中年の姿をさらしている。エレック・レコードは いまや存在しないが 今で言えばエイベックス・トラックスに匹敵する当時の音楽を変えたともいえるインディペンデントのレコード会社だ。

(1971年)



中島みゆき/わかれうた(キャニオン・レコード V-22)

ヤマハのポピュラー・ミュージックコンテストでグランプリを穫り、「時代」でデビューした中島みゆきであるが、この曲で彼女の世界を確立したとも言える。
最近は 小室さん系の「いろいろあるけど みんな毎日元気に生きようね。」といったような軽いノリの詞が多いが、やはり心に深く入ってくるのは詞であり音楽の重要な要素である。
年月が経っても 彼女の詞は衰えることなく、ズサッとこころの中に踏み込んでくる。
中島みゆきは すごい人だ。竹中直人の映画「東京日和」を見ていたら、ホステス役でゲスト出演していたりして 年をとるほど色気を増している。また、工藤静香が歌う<中島みゆき>も好きである。

(1977年)

荒井由実/12月の雨(東芝EMI ETP−20057)

1973年にアルバム「ひこうき雲」、シングル「きっと言える」でデビューした。一時期は 深夜放送のオールナイト・ニッポンの3時の深いに時間、ピアノを弾きながら、ディスク・ジョッキーをやっていたこともある。この曲は 2ndアルバム「ミスリム」からの曲で 彼女の代表曲とも言える。
彼女の詞の世界は 絵画的で 曲を聞いているだけだ情景が浮かんでくる。
「中央フリーウェイ」などは その代表とも言える曲で、現在でも彼女しか書けないような作品を作り続けており、まさにバケモノ(天才)である。




長谷川きよし/別れのサンバ(日本フォノグラム FS-1087)

彼自身の作詞・作曲によるデビュー曲だ。盲目のシンガーで、ギターを弾きながら、軽快に歌う姿は心打つものがあった。
海外では、レイ・チャールズ、ホセ・フェルシアーノ、スティービー・ワンダー等盲目の歌手が 活躍しているが、先日他界した高橋竹山、ポップス界では長谷川きよし以外でプロで活躍しているミュージシャンは少ないような気がする。
音楽にエスニックな要素を取り入れ、例えば、加藤登紀子とのデュエット曲、「灰色の瞳」等は彼の方向性を示した曲であった。



りりイ/クイズの賞金(東芝EMI ETP−20035)

りりイのデビュー曲である。いままで歌手は 声がキレイであることが条件であったが、海外では ジャニス・ショプリン、日本では りりイがそれをうち破ったのではないかと思う。彼女は ハーフでありしゃがれ声で振り絞って歌う姿はカッコ良かった。
その後発売した「私は泣いています」が大ヒットした。
彼女は 一時期、ヤマハの2サイクル「RZ-250」に乗っていたライダーであり、話題にはならなかったが「雨の第三京浜」という曲はライダーの気持ちをよく歌ったバイク乗りにしか書けない詞であった。その後、バイク乗りの気持ちを 本当に歌った歌は存在しない。