1998 Formula One World Champion Ship

Round 6. Monaco GP. Results

Last updated, 98/05/25


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第6戦 モナコGP最終結果
◇5月21日〜5月26日
 モンテカルロ市街地コース(3.366Km×78周)
  • 1 M.ハッキネン(マクラーレン・メルセデス)
  • 2 G.フィジケラ(ベネトン・プレイライフ)
  • 3 E.アーバイン(フェラーリ)
  • 4 M.サロ(アローズ)
  • 5 J.ヴィルヌーブ(ウィリアムズ・メカクローム)
  • 6 P.ディニース(アローズ)

○モナコGP予選結果

○モナコGP結果詳細


○ハッキネン、モナコ初優勝!!



 昨年、一昨年と雨となったモンテカルロは3年ぶりの晴れ。ドライの方が迫力あるレースが期待できる。

 モナコで勝つには最も重要となるスタートは、大きなアクシデントもなくほぼ順当。モナコ初出場で予選6位のウルツが前のフレンツェンをかわしてポジションをアップ。オープニングラップは、ハッキネン、クルサード、フィジケラ、シューマッハ、ウルツ、フレンツェン、アーバインと続く。ハッキネンは快調にクルサード以下を徐々に引き離す。接戦なのは3位フィジケラと4位シューマッハ。シューマッハはマシンの動きが予選より断然よくなり、フィジケラを猛プッシュするが、狭いコースでなかなか抜き所がない。
 その2人が競り合ってる間に、マクラーレン勢がどんどん逃げて行く今年おなじみの展開となる。

 9周目6位のフレンツェンをアーバインがローズ・ヘアピンで強引にインを差したため接触。はじき出されたフレンツェンはガードレールにぶつかってそのままリタイア。アーバインにダメージはなかったようで、結果的に6位に浮上。

 17周目、それまで快調だったクルサードがトンネル出口でエンジン付近から火を吹きそのままエスケープゾーンへ入ってリタイアしてしまう。

 22周目、15位を走行中の虎之介がピットストップ。2回ピット作戦を取る模様。

 30周目、シューマッハが1回目のピットイン。次の周フィジケラがピットイン。これでまたしてもシューマッハが労せずして前に出る。まだウルツがピットインしていないので、シューマッハはウルツの後3位。ただ、フィジケラは多めに給油している模様で、フィジケラはこのまま最後まで走りきる作戦かもしれない。フェラーリはもう一度ピットインが必要と思われ、結果どうなるのか?
 また、シューマッハはフィジケラの同僚ウルツに引っかかった状態での周回を強いられており、この間にフィジケラが前に追いつきたいところ。

 37周目、ハッキネンがピットストップ。無難にトップをキープでコースに復帰する。
 38周目、ローズヘアピンで、シューマッハが周回遅れにてこずるウルツのインをついてこれをパス。しかし、ウルツも次のヘアピンでインをついて食い下がり接触しながらも前に出る。ところが、ポルティエで再度シューマッハが抜きかえす大バトル。だが、シューマッハはリア・タイアにダメージを受けてマシンがまっすぐ走らなくなり臨時ピットイン。なんとかマシンを修復してコースに戻るが、5分以上ピット・ストップしたため、完全に上位争いからは脱落。

 一方のウルツにはダメージはなく、そのまま周回を重ねるが、44周目のピットストップの後、トンネル内で何かが起こって、ガードレールにぶつかりながら、マシンはタイヤ、ウイングが無くなった状態でトンネルから出てきてリタイア。トンネル内の映像がないため何が起こったのか、今の時点ではわからない。

 この時点の順位は、ハッキネン、フィジケラ、アーバイン、アレジ、サロ、ヴィルヌーブ。

 コース復帰したシューマッハは、ファンサービルのためか、失うものはないとばかりに快走を見せ、前を行くヒルをトンネル出口のシケインで強引にインを刺し、ヒルがシケインをショートカットするシーンも。

 59周目、2位を順調に走っていたフィジケラが、ラスカス・コーナで右リア・タイヤをイン側のガードレールに引っかけスピン。しかし、マシンにはダメージはない模様で、そのままレースを続ける。

 70周目での順位は、ハッキネン、フィジケラ、アーバイン、サロ、アレジ、ヴィルヌーブ、ディニス、ハーバート、ヒル、中野、高木、M.シューマッハの残り12台。

 5位を走行し健闘しているアレジは、後ろから少しオイルを吹いてるようで、このままチェッカーを受けることができるのか微妙な状況。そして残り6周のところで、とうとうマシンは息絶えそのままリタイアしてしまう。アレジはヨットハーバーのところに座り込みガックリとした表情。

 レースはポールから危なげなく走りきったハッキネンがモナコ初優勝。2位には今期初の表彰台フィジケラ、3位アーバイン、4位サロ、5位には我慢の走りでヴィルヌーブ、6位ディニス。以下、ハーバート、ヒル、中野が9位。最後まで諦めずに走ったM.シューマッハが10位、高木が11位となった。

 なお、ウルツの事故は、その後の本人へのインタビューで、右に緩やかに曲がるトンネルで思うようにマシンが曲がらず外側のガードレールに接触したらしい。

<シューマッハがウルツのインを刺す>


<ウルツがシューマッハを抜きかえす>


<ポルティエでシューマッハが再度前に出る>


○ウルツのファイトに興奮! シューマッハの無茶苦茶さに幻滅ー

 三年ぶりにドライレースとなり、狭い街中を走る迫力あるレースを久々に見ることができた。それに無謀とも思えるオーバーテイクシーンも見られたし。

 そんな中で一番の見せ場はウルツVSシューマッハのローズヘアピンでの攻防だろう。周回遅れのパスに手を焼くモナコ初出場のウルツにしびれを切らし、シューマッハがローズヘアピンでウルツのインへ差し込みこれをパスしたかに見えたが、並みの新人ではないウルツは次の右カーブでシューマッハのインにタイヤをぶつけながら強引に並びかける。しかし、ポルティエで再びウルツをかわしシューマッハが前に出てトンネルを抜ける。 これでこのバトルはシューマッハの勝利かと思いきや、シューマッハはすぐさまピットへ。これがどこでどうなったのかわからないのだが、左リアの足回りにダメージを受けており一旦はマシンを降りるが、テクニカル・マネージャのロス・ブラウンと話しをして、5分程修理に時間を費やして再びレースに復帰。レース後、「レースを続けたのはファンサービス?」との川井チャンの問いに、「ファンのために走ってるんじゃない、雨が降るかもしれなかったし、モナコは何が起こるかわからないから諦めずに走ったんだ」とコメントしている。結局、その後大きなアクシデントはなくシューマッハは11位でゴール。
 それにしても、シューマッハはどこで左リアを壊したのか? ウルツと接触したのは右側だし、その後緩やかな右回りのトンネル内を全開で抜けてきてるので、その時点ではトラブルはなかったはず。とするとプールサイドやたばこ屋シケイン、ラスカスにかけてのどこかで左リアをガードレールにヒットしてしまうミスをシューマッハが犯したのかな? とすると、シューマッハに立ちはだかったウルツの存在が気持ちとして少なからず影響していたのかもしれない。とにかく、シューマッハとウルツの攻防は、アレジが新人の頃、フェニックスでセナに挑んだシーンを再現したかのようで、ウルツからは今後ますます目が離せなくなった。
 それと、諦めずに走ったシューマッハもそれ自体はエライ!とは思うのだが、もう失うものは何も無いとばかりにヒルやディニースを強引に、それこそぶつかりながらのパスはひどすぎるなーと、ますますシューマッハを好きにはなれなくなってしまった。

 アーバインもまた、強引にフレンツェンをローズヘアピンで強引に抜こうとして、フレンツェンをはじき出し、フレンツェンはガードレールにぶつかってリタイア。前回スペインでもフィジケラと絡んでるし、多いよね昔からアーバインは。

 で、結局勝ったのは今年の定番ハッキネン。中低速コースのアルゼンチンが苦手と言ってたので、モナコは大丈夫かな?と心配(実際に過去6戦走って6位完走が1回あるだけだったんだから、苦手なのだろう)していたのだが、人間波に乗ってる時はそんなことは簡単に乗り越えられるようで、まったく危なげなかった。こうなってくると、ますます自身をつけたハッキネンが、フェラーリがBSタイヤに変更でもしない限りこのまま行ってしまうような気配。個人的には、それはそれでとっても嬉しいけどね。

 次回はカナダ。ヴィルヌーブに3度目の正直を狙って欲しいと言いたいところだけど、ウィリアムズの場合、それこそBSタイヤに履き替えても無理だろうなー。こんな調子だと、2000年からのBMWとの契約だって危なくなるのでは?



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