1996 Formula One World Champion Ship

Round 14. Italian GP. Results



Last updated, Sep.09 1996

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第14戦 イタリアGP最終結果
◇9月6日〜9月8日:モンツァ・サーキット
 (5.770Km×53周)

○イタリアGP予選結果

○イタリアGP結果詳細

○ドライバー&コンストラクターランキング


○M.シューマッハ、モンツァで優勝!

シューマッハ  1996年F1第14戦イタリアGPの決勝が8日モンツァ・サーキットで行われ、M.シューマッハ(フェラーリ)が今期2勝目を挙げた。(写真:優勝でガッツポーズのシューマッハ)

 フォーメーションラップのスタートでは、O.パニスがエンジンがかからずスタートが遅れ、最後尾からのスタートとなる。

 そしてレースのスタート。ポールポジションのヒルと2位ヴィルヌーブがスタートで激しく牽制し合う間に、6番手J.アレジが上手く抜け出しトップに立つ。ヒルとヴィルヌーブは横に並んだままシケインへ。ここで突っ込みすぎたヒルはシケインを曲がれずショートカットしてしまうが、ヴィルヌーブの前に上手く割り込み、2位を死守。さらにはアレジをもパスしてトップに立つ。一方のヴィルヌーブはなぜかペースが上がらず、ハッキネンにもかわされ4位へ。5位にはクルサード、6位にシューマッハ。
 3周目早くもクルサードがコースアウトしてリタイア。さらにレッテフィロシケインの縁石内側に設置されたタイヤバリアのタイヤがコース上を転がるハプニングが発生。シューマッハ、ヴィルヌーブはなんとか避けることができたが、ハッキネンはそれに当たったらしく、フロントウィングがグラグラ状態に。これではフロントのダウンフォースがほとんどない危険な状態にもかかわらずハイペースを維持して後ろのシューマッハに隙を与えず、なんとかピットにたどり着くが大きく順位を落とす。

 4周目、早くもベルガーに電気系トラブルが発生し突然ストップ。そして6周目、それまで気迫のこもった走りでトップを走っていたヒルがシケインにおかれたタイヤバリアに右後輪を接触させスピン。マシンはコース上に止まったものの、エンジンがストールしてしまいそのままリタイアとなる。この時点での順位は、アレジ、シューマッハ、アーバイン、ヴィルヌーブ、ブランドル、バリチェロ。
 来期ヒルに代わってウィリアムズ入りするフレンツェンも7周目にヒルと同様のミスを犯しスピン。サンドトラップの餌食になってしまう。
 12周目、ヴィルヌーブがピットイン。ここまでなかなかペースが上がらず4番手を走行していたのだが、どうもサスペンションを傷めているとの情報も。取り敢えずタイヤを交換してピットアウト。これで10位までポジション・ダウン。

 序盤の混戦を上手くすり抜けてきた、トップのアレジと2位シューマッハの差は1秒前後。2人とも安定した走りで、3位以下を大きく引き離す。
 23周目、久々にここまで3位を好走していたアーバインが例のタイヤバリアにフロントタイヤを接触させ、サスペンションを傷めてしまいリタイアとなる。
 25周目、ヴィルヌーブが再度ピットイン。これはスケジュール通りのピットインだが、やはりフロントサスペンションが曲がっているらしく、コーナではブレーキをロックさせたり、シケインをショートカットしたりといったシーンが見られ、フロントタイヤの傷みが激しいようだ。ここでは給油も済ませてピットアウト。リスクを背負っての走りが続き、依然ペースが上がらない。
 トップを争う2人のうち、アレジが32周目にピットイン。1回ピット作戦のため9秒以上かけて十分の給油を行いピットアウト。その間に前が空いたシューマッハは当然のごとく猛ダッシュ。ファーステストを出し、アレジから2周遅れてピットイン。8.8秒で作業を終えてピットアウトし、その前の猛ダッシュが効いてアレジの前に出ることに成功する。シューマッハとアレジとの差はおよそ5秒。しかし、シューマッハは1分26秒台でラップを重ね、アレジを引き離す。38周目での順位は、シューマッハ、アレジ、ハッキネン、ブランドル、バリチェロ、ディニス、ハーバート。なんとかポイントを取りたいヴィルヌーブはどうしてもタイムが上がらず依然8位。そして3回目のタイヤ交換も強いられる。
 39周目、シューマッハが、アーバインと同様タイヤバリアに左フロントタイヤを接触させてしまう。しかし、マシンにダメージはないらしく、それまでのペースを保ったままの快走が続く。
 結局、シューマッハがそのまま逃げ切り、地元イタリアで1988年以来の優勝をフェラーリにもたらした。2位アレジ、3位ハッキネン、4位ブランドル、5位バリチェロ、6位ディニス。ジャックはなんとか完走したものの7位、ポイント・ゲットはならなかった。

○魔のタイヤバリア

 前回のスパはセーフティーカーが勝敗を決めたが、今回はホームストレート直後のレッテフィロシケインに置かれたタイヤバリアが勝敗を分けてしまった。このバリアは、シケインのショートカット防止のために置かれたのだが、それにタイヤを接触させるシーンが続出。ヒル、フレンツェン、アーバイン等がその餌食となってしまった。またハッキネンも、それに引っかけたか、もしくは誰かが接触してコース上を転がったタイヤにフロントウィングをぶつけ、ピットインを強いられてしまった。シューマッハもアーバインとまったく同じようにぶつけたかに見えたが、さすがにターミネータ・シューマッハはびくともせずに走り続け、とうとうフェラーリの地元優勝を8年ぶりに成し遂げてしまった。それにしても、このタイヤバリアのおかげでコース上をタイヤが転がりまわり、見るからに危険で問題となりそうだ。
ヒル  そんな波乱のレースのなか、チャンピオンを争う2人はノーポイント。ヒルは前述の通り、タイヤバリアに後輪を引っかけスピン。マシンはコース上に止まったが、エンジンをストールさせてそのままリタイアしてしまう。今回のヒルは雪辱に燃えていた。モンツァ直前に今シーズン、ポイントランク・トップにいながらウィリアムズからの解雇が言い渡され、再就職のためには絶対チャンピオンを獲得するしかない。その崖っプチに立たされた状況のなか、予選で気迫の走りを見せてポールを獲得。しかし決勝スタートでは、ここ数戦同様もたつきヴィルヌーブに並ばれる。そして必要以上にヴィルヌーブを牽制しすぎて、6位からジャンプスタートのアレジにトップを奪われてしまう。お互いに譲れない2台のウィリアムズは横に並んだままシケインへ。そこでヒルはシケインをショートカットするもそれが幸いして2位をキープ。さらにアレジをもパスしてトップに躍り出るという、ヒルには珍しいアグレッシブさを見せていたのに、結局ミスで自滅とは・・・・・・・・・・・。(写真:スピンしたD.ヒル)

 一方ヒルのリタイアで楽になるはずだったヴィルヌーブも、フロントサスペンションにトラブルを抱えてオープニングラップからペースが上がらず7位でフィニッシュ、ノーポイントに終わる。ヴィルヌーブが何処でフロントサスペンションを傷めたのか、TV映像ではまったくわからなかったのだが、多分ヒルがシケインをショートカットしてコースに戻った時に、ヒルの後輪とヴィルヌーブの前輪が接触したのではないだろうか?。ヴィルヌーブは、オープニングラップからハッキネンにかわされるなど、ペースが上がらなかったので多分そうだと思うのだが・・・
 これでチャンピオン争いはポルトガルに持ち越し。しかし、ポイント差が縮まらないまま残り2レースとなって、ヒル絶対有利にはなったのだが・・・・・・・・。

ティフォシ  チャンピオン争いはお預けを食ったが、シューマッハがフェラーリの地元モンツァで1988年のベルガー以来8年ぶりに優勝を遂げ、F1ファンなら皆熱くなったのでは? あのティフォシが15万人も詰め掛け、独特の雰囲気のモンツァで、その15万人すべてが応援するフェラーリがトップでチェッカーを受けたのだから物凄い。観衆がレース後コースになだれ込みシューマッハを祝福していた。このシーンを見ながらゲストのマッチが「日本でこんなシーンがいつ見られるようになるのかな?」と、コメントしていたけど、どうなんだろう?。このページで先週「童夢F1が危ない」と掲載したが、やっぱり文化が違うのかな? イタリアと言えばパスタとセリエAとそしてフェラーリ!。にわかF1ブームが数年でさめてしまう日本とは、歴史も伝統もファンのレースの楽しみかたも違いすぎる!と痛感してしまった。やはりイタリア人にとってF1(モータースポーツ)とは生活の一部なのであろう。(写真;表彰台前を埋め尽くすティフォシ達)

 その他では、序盤にフロントウィングがブラブラ状態でシューマッハを抑えてピットインしたハッキネンの走りも凄さを感じた。余計なピットインがあったにもかかわらず3位に入り、ハッキネンと、来年シルバーアローになる?マクラーレン・メルセデスの好調さを示していた。

○シューマッハがパパに

 イタリアグランプリの決勝スタートの直前に、シューマッハとコリーナ夫人との間に子どもが誕生した。性別は定かではないが、シューマッハは「引退後はカナダの農園で夫人とおおくの子ども達と一緒に暮らしたい」と語ったようだ。

 今回のレースは前半とにかく混乱、そして興奮しすぎたためか(?)、今日(9/9)再度見直してみると、かなり文章がひどく、データに誤りもあったため修正いたしました。前よりはマシになったと思いますがいかがでしょうか?(ちなみに毎回アップ後もいろいろ修正しています)
 この、レースレポートに間違いがありました。まず、スタート直後のシケインをショートカットしたのは、ヒルではなくヴィルヌーブでした。したがって、ヴィルヌーブのフロントサスが曲がったのも、ヒルとぶつかったのではなく2周目に自分でタイヤバリアに接触したためでした。訂正して、お詫びいたします。(Sep.22 1995)

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