---えどめぇるまがじん---

銀座・三河屋・バックナンバー
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銀座・三河屋

再生ものがたり (3)

写真2「ウインドー1」  写真1「夏の外観」

 江戸スローフードの店「銀座・三河屋 本店」が、銀座八丁目の金春通りにオープンして、はや半年余り。この間、プロジェクトチームでは、雑誌、新聞、Webサイトなど、各メディアでパブリシティを展開するとともに、さまざまなリサーチを行ってきました。
 そこで今回は、「銀座・三河屋 本店」オープン6か月間の総括と、それを踏まえた今後の展開などについて、今だからお伝えできる旬なレポートをお届けしたいと思います。



ちょっとだけ、リニューアル
 前回の開店時にお店の模様をお伝えしたばかりですが、実はこの春、「銀座・三河屋 本店」の内装がプチリニューアルされました。ということで、さっそく新しくなったショップへ取材を敢行。毎度おなじみ、プロジェクトリーダーの神谷さんは、「オープン当初の造りには、少なからず和装小物店の名残があったような気がしましてね。食品を扱う店らしくもっとフレッシュな雰囲気にしたいと思ったんです」と、早すぎる(?)改装の理由について、教えてくれました。
 確かに、壁一面が真っ白になり、以前より明るく洗練されたムードに。また、レジの位置が変わって、前よりも親しみやすい雰囲気になったような気がします。
 「レジの正面に椅子があるでしょう? あの位置に椅子があると、お客さまが気軽に腰掛けてくださるんです。前からお客さま用の椅子はご用意してあったんですが、置き場所によって活躍度がまるで違う。勉強になりましたね。そうそう、他にも大きく変わった点が一つあるんですが、どこだかわかりますか?」(神谷さん)
 ん? どこでしょう。店内を見回しても、大きな変化は見あたらず。きょろきょろ。あ、勢い余って店の外に出てしまった。……アレ、店頭の幟が紺から白に反転してますか???
 「正解です(笑)。夏向きに白地の幟に変えました。前の紺地もいいけれど、こっちも涼しげでいいでしょう?」
 ハイ、これぞ日本の夏という趣で、とっても爽やかです。しばらくはもやもやした気候が続きますが、うっとうしい梅雨があけた暁には、さぞこの真っ白な幟が真夏のお日様に眩しく映えることでしょう。
写真3/4
リニューアル後の店内。白い壁とダークブラウンのファニチャーの
組み合わせで、親しみやすく、かつシックな雰囲気に
写真5
レジ前のこの椅子が大活躍

発表! 今月の売上ランクベスト3
 さあさあ、それではこのへんで、「最近の店頭売り上げベスト3」を発表させていただきたいと思います。 売上高だと単価の問題も出てくるので、ここはシンプルに「売れてる数」ということで。
 まず、第3位は……じゃじゃ〜ん「白楽京」「黒楽京」で〜す!
 っていっても、知らない読者の方が多いかもしれません。ご説明させていただきますと、これはつまり、らっきょう漬のこと。「白楽京=しろらっきょう」「黒楽京=くろらっきょう」と読みます。オープン当初は白楽京のみの扱いでしたが、3月から新たに黒楽京が加わり、白黒コンビ成立の効果か(?)、ぐんぐん売上を伸ばし、定番人気の「梅醤」をごくわずかの差で追い抜いてしまったのだそうです。
 人気の秘密はなんといっても国産らっきょうを使用していること。実は、今、日本で流通しているらっきょう漬の9割は中国産らっきょうなんだそうです。しかし、三河屋ではあくまで国産らっきょうにこだわり、国産の中でも特に品質の高い福井県三里浜産のらっきょうに白羽の矢を立てました。
 ちなみに、「白」はリンゴ酢と蜂蜜、砂糖をブレンドしたさっぱりしたお味。「黒」はさらにミネラル豊富な沖縄産黒糖を用いてコクのある旨味に仕上げています。どちらも、市販品にありがちなステビアなどの甘味料を一切使用していないため、甘みのキレがよく、後味も爽やか。その肉厚なこと、噛むたびに「シャキッ」「パリッ」とした歯切れの良さ。まさに「らっきょう好きが唸る一品」(神谷さん)なのだそうです。おお、そういえば今日の『試食セット』も、白黒楽京コンビがスタンバイ中ですが……。
 「どうぞ、どうぞ、召し上がっていってください」
 あ、いや、すいません。実はワタクシ、梅干しに続き、らっきょうも苦手な非国民なもんで。うう、頼りないレポーターでホントにごめんなさい(泣)。でも、この貴重な素材を使った「キング・オブ・らっきょう」、白も黒も、そりゃ〜ぴかぴかつやつやの超べっぴんさん。召し上がれる方がちょっとうらやましいような気がします。
写真6
どちらも大人気! 「白楽京」(180g 735円)、「黒楽京」(180g 945円)
写真7
本日の「ご試食セット」でも、ただいま
イチ押しの白黒コンビがスタンバイ中

写真8
朝食、昼食のお供にどうぞ。
「貝汁」各種(2食入り 420円)

写真9/10
見てください、1食分にこれだけの貝が
(左/あさり、右/しじみ)

意外なダークホースが2着に大健闘!
 さて、お次の第2位ですが、ここには惜しくも前号では紹介しきれなかった「貝汁」が入っています。
 実はこれ、開店当初からの人気商品。八丁味噌の本場「三州味噌」を使い、九州の海で育んだ新鮮な貝(あさり/しじみ)を具に配した「即席・高級お味噌汁」なのです。貝と生味噌をお椀にあけ、適量(1食170ml)の熱湯を注ぐだけで、本格的な貝の味噌汁の出来上がり。ここで使っている三州味噌は「平成15年度農林水産大臣賞」に輝いたお墨付きの良品でもあります。
 それなのに、味噌汁と言わず、あくまで「貝汁」と名乗るところに、三河屋ならではのこだわりが。なんと市販のカップ味噌汁の倍量も貝が入っているのです。つまり、貝汁の旨味こそがこの汁の「ミソ」なんですねえ。二日酔いの朝なんぞに、浅葱をどば〜っと散らしてずいずいと飲んでみますと、貝の濃ゆいエキスが弱った肝臓にしみわたり、お味噌のやさしい風味と相まって、なんだか泣けてくる旨さデス。
 ラインナップは、白味噌+あさり、赤味噌+しじみ、合わせ味噌+あさり、合わせ味噌+しじみの計4種類。お値段は同種2食入り420円から。詰め合わせも各種ありますので、ギフトにも超オススメです。

写真11 メディアから引っ張りだこの煎酒。
今回はちょっとオスマシしてみました
やっぱり、煎酒が売上No.1!
 さて、それでは、注目の第1位は??? これは、やはり言うまでもなく「三河屋・煎酒」が断トツ。一度買ったお客さんが知り合いに勧めるケースが多いこともあって、常にコンスタントに、しかも右肩上がりで売れ続けているそうです。まさに開店当初の店長さんの目論見どおり。しっかり口コミで広がっているんですねえ、煎酒の輪が。
 「おかげさまで、いろいろなメディアで紹介していただきまして、それがまたいい循環を呼んでいるようです」(神谷さん)。
 そうなんです、煎酒ってば、今ではすっかりマスコミの人気者。この春、『読売新聞』家庭欄(3/18付)で大きく取り上げられたのを皮切りに、『文藝春秋』5月号、『BMW BIKES』Vol.23、『Basic Life 3(小澤典代 著)』『産経新聞』(5/3付)etc.、たくさんのメディアにちゃっかり「出演」しているのです。
 実は、神谷さん自身も、TBSラジオ『小堺一機のサタデー・ウィズ』(3/27オンエア)で、煎酒や三河屋のコンセプト、われらが『江戸料理百選』についてトークをしています。で、神谷さんに負けてはならじと(?)、『江戸料理百選』の編集人にして、えどまがチームの総元締め・S編集長までもが、千代田区のラジオにお呼ばれして、江戸料理について語ってきてしまうという(かわら版のコラム参照)、なんだか空前のメディア出演ブームが到来中。神谷さんによれば、今後も煎酒は続々と各メディアに登場の予定。これ以上、需要が増えると、生産体制を見直さなければならないというウレシイ誤算もあるようです。新生 三河屋渾身の自信作だけあって、ホントのホントにブレイクしちゃいそうな勢いの煎酒なのでした。
 「今後は、煎酒の多様な使い方、おすすめできる調理法などについても、多くの皆さまに具体的に紹介していけたらと考えています」と神谷さん。中でも、神谷さんが個人的に今、一番気に入っているのは「和風パスタに煎酒」なんだそうですヨ。
 実は、このあたりのことについては、「えどまがチーム」でも独自の調査を行っておりまして(えっへん!)、次回、いろいろご紹介させていただければと考えているところです。皆さまも「ン、これは! 」という煎酒使用法の発見がありましたら、ぜひ『えどまが』デスクまでご一方くださいませ。

写真12 そろそろお中元の季節。煎酒中心のギフトセット
写真13
この夏の新商品。江戸の製法を今に受け継ぐ「大門素麺」(350g 840円)
この夏はギフトで勝負!!
 さらに、この夏、三河屋が特に力を入れているのがお中元ギフト。「暑く湿気の強い日本の夏。どうぞ健やかにお過ごしください」-----そんな贈る側のこまやかな心遣いが先方に伝わる理想的なギフトとして、さまざまなセットを準備中のようです。
 主力選手の煎酒をはじめ、三河屋のコンセプトそのものが「江戸のヘルシーフード」なわけですから、先方の健康を願う立場からすれば、三河屋の商品は非常に「使える」ギフトです。実際、煎酒が気に入った私の友人は、煎酒+佃煮セットを地方の友人に送って、とても喜んでもらったと報告してくれました。
 こうした充実のラインナップの中で、特に夏のギフトとしておススメできそうなのが、この5月から取り扱いが始まったばかりの「大門素麺(おおかどそうめん)」。シンプルなパッケージが印象的で、リニューアルされた店内でも特に目を引いた一品です。
 この「大門素麺」は、江戸後期、加賀藩の発祥です。冬の厳寒期(11〜3月までの4か月)の間、じっくり寝かせた生地を、終始手作業で一本の糸のような細さまで延ばし、半乾きの状態で丸髷状に丸め、紙にくるんでから自然乾燥を行うという当時の製法を、今に至るまで一貫して続けている「完全なる手延べ素麺」です。手延べ製法が全国的にも希少になりつつある現在、「大門素麺」をつくる農家も、富山県砺波地区の21軒のみ。小麦の甘さを含んだ、きめが細かくコシのしっかりした麺は、一度食べたらやみつきになる特別なおいしさです。一本がとても長いので、茹でるときにはぐわっしゃと丸髷を手で割らなければならないのですが、それもまた、夏の贅沢な楽しみとなるかもしれません。
 「市販の素麺つゆに煎酒をちょっと足してもおいしいですよ」と、神谷さん。この夏、顔の見えるギフトをお考えの方は、大門素麺と煎酒のセットなんてのもオツな選択ではないでしょうか。

 なお、三河屋のHPも、開店当時に比べて非常に充実。サイトからの注文ももちろん可能ですので、気になる方は是非、訪ねてみてくださいね。(柚木ぽん)


地図
 
 
銀座・三河屋 本店
 所在地:〒104-0061
     東京都中央区銀座8丁目8番18号

 TEL:03-3571-0136
 FAX:03-3571-0157
 営業時間:11:00〜20:00/日祝・休
 E-mail:edo-info@ginza-mikawaya.jp
 Webサイト:
 http://www.ginza-mikawaya.jp

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