日常茶飯

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困った地図

 この連休は地図を眺めて無駄に過ごした。 地図と云ってもパソコンの地図。 ソフトウエアの地図ではなくて、ブラウザでタダでみる地図である。 紙の地図には昭文社の地図があるが、あれは不正確なところがあるし滅多に更新されない普通の地図である。 詳しいのはゼンリンの住宅地図で、 住む人の苗字まで印字されているのは不動産業界のための地図だからで値段も高い。 まあ、玄人が使う地図だろう。

 そのゼンリンが地図をWebで公開したのは何年か前。 住宅地図ほど詳しくはないがマンションの屋号ぐらいは分かると云うもので、ときどき使っているのだが、 確かに昭文社の市販の地図よりも正確である。 そこに現れたのはGoogleマップ。 ゼンリンの地図に航空写真を組み合わせた地図である。 しかし、ブラウザのFirefoxでは地図すら表示できない。 なあんだ詰まらない、とゼンリンのサイトで済ましていたら違っていた。 調べてみると設定の問題で一箇所変えるとFirefoxでも大丈夫なのだ。

 8月にGoogle(株)は新しくストリートビュー機能と云うものを追加した。 これを試したいが為にFirefoxの設定を調べたのであるが、こんな機能である。 地図や航空写真に青く縁取られた道路をクリックすると、その道路から見た風景が360度回転させて表示される。 公道を車で走らせてパノラマ映像を撮影したものらしいが、 たしかに車道(公道)を移動しながら風景を見ることが出来る。 操作は歪だけど、その場所を歩いている気分になるのである。 解像度は少し悪いけど、家の表札や道を歩いている人も写っている。 知っている人には分かるもので表札の苗字は読める。

 <青い道路>は限られていて、INTERNET Watch の記事によると、 現時点では、札幌、小樽、函館、仙台、東京、埼玉、千葉、横浜、鎌倉、京都、大阪、神戸の12都市。 盗撮まがいの<青い道路>は、いま私が住むところは都市の中心部を外れているから、 <青い道路>から離れているが、 かつて住んでいたマンションはぐるりと見ることが出来る。 そのうち完全に車を走らせ撮影するのだろうが。

 只、この連休いろいろみていると、地図はゼンリンとは分かっているが、航空写真は何処のものか知らない。 よくみればずれている。 分かりやすく云えば、地図にある建物はすでに写真にはない。 取り壊されいる。 日付がないのは困る。 そのうえクルマで撮影した<青い道路>は別の時間のものである。 つまり、地図や航空写真、道を歩いているような画像も別の時間のもので、これが何の役に立つのだろう。 東京都町田市議会が法規制を政府に求めたのは当然である。 が、詳細は知らない。
'08年10月13日

2001年10月1日

 秋らしくなった。 で、10月1日は待ちに待ってた『古今亭志ん朝 全集』、下巻の発売日だった。 予約をすると云うような習慣はないので、帰りに遠回りしてレコード店に這入ると、確かにありました。 一割引だとかで、特典に手拭いが付いてきた。 それでこの数日、晩飯の後にはDVDで志ん朝の高座をきく贅沢な日が続いている。

 これまでに、志ん朝落語のCDは33枚が残されている。 芸は消えるからいいと云って、はじめは録音を渋っていた。 最初の録音は1976年9月27日、第一回目の独演会「志ん朝の会」での『唐茄子屋政談』である。 このとき志ん朝は38歳。 ディレクターだった京須偕充氏は書いている。 <志ん朝はタブーを解き、 渋々ながらシリーズ独演会の実行とその録音許諾の方向へ大きく舵を切っていた。 まもなく志ん生の三回忌が来る。 それまで圓生、正蔵、小さん、 馬生が独占していたホール落語会のトリの座に志ん朝が座るようになったのもこのころからである> (『落語名人会 夢の勢揃い』)。 翌年の第2回目の独演会のとき、『花見の仇討ち』をかけた。 最後の最後のサゲで、<肝心の六部が参りません>と云うところを、<ろくぶ>を<りくぶ>と言い間違えた。 そのためこの噺は音源化されていない。

 CD版は76年から82年にかけて、三百人劇場での「志ん朝の会」と、81年4月11日に始まる「志ん朝七夜」での録音で、 これが『落語名人会 志ん朝』シリーズとして20枚が世に出た。 それから99年に発足したホール落語会「朝日名人会」まで、録音は長らく中断する。 その年の口演『お見立て』と『火焔太鼓』を収めた一枚が生前最後に発売されたものとなる。 志ん朝歿後の翌年にあたる2002年から、『志ん朝復活』と銘打って12枚が世に出た。 これで締(し)めて33枚。

 つまり、志ん朝さんが40歳前後のころに録音は集中している。 話芸の型はこのころ既に出来上がっていた。 『志ん朝復活』では晩年の「朝日ホール」のものが含まれている。 『お若伊之介』は79年版と01年版とふたつあるが甲乙つけがたい。 フレッシュでいて既に完成度の高い志ん朝と、晩年の味わい深い間(ま)の妙味。

 さて、DVDボックスである。これはTBS主催の放送を前提とした、国立小劇場での「落語研究会」の映像。 上下巻揃えてみると、80年代から90年代の高座を中心に収録されていて、 CD版になかった<録音中断期>の志ん朝がいる。
'08年10月06日

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