日常茶飯

[注意] Netscape 4.x では日付が表示されません。このページ半月経つと移動します。
#105 
目次

つゆの雨

 つゆの雨と云うのはしとしとした雨で、紫陽花(あじさい)の葉には蝸牛(かたつむり)がいたものである。 また夏の雨は入道雲が出たりして、にわかに降り出す通り雨で、それは明るい雨だった。 ところが今ではつゆの雨と夏の雨に区別がない。

 豪雨だったり雷雨である。 いつからこうなって仕舞ったのか判然しないが、風情がなくなったどころじゃない。 ちかごろの豪雨は物騒である。 雷が鳴れば落ちてくるんじゃないか、と気が気じゃない。

 先週金曜日、テレビで「となりのトトロ」をやっていた。 いま劇場公開の「崖の上のポニョ」の宣伝プログラムである。 懐かしいなぁ、とみていたら、雨のシーンがある。 あれはむかしの<しとしと降る>つゆの雨で、蛙(かえる)が現れた。 そう、つゆの雨に蛙はつきものだった。 こどもの時分は、色々な蛙が出たもので、雨蛙(あまがえる)や蟇蛙(ひきがえる)、 何だか偉そうな殿様蛙(とのさまがえる)。 もう何年もみていない。 尤(もっと)も、ペットショップでは訳の分からない外国産の蛙をみたことはあるけれど。

 で、これは温暖化のせいかと云えば、そうでもない。 ヒートアイランド現象と云えば首都圏、都市部と思いそうだけど、港をもつ地方でも問題になっている。 原因は無計画な土地開発に尽きる。 風の通りを無視した建物の建設。駅を下りれば、どこもかしこも似たような建物だらけの個性のない街並み。 これらは、たとえば小林信彦さんが云う<町殺し>を続けた結果に過ぎないのじゃないかと思うのである。

 困ったことに、<ポニョ、ポニョさかなの子。青い海からやってきた…>と云う、 藤岡藤巻と大橋のぞみの歌のフレーズが耳に残っている。 三ツ矢サイダーのCMでもやっている。 だけどあの<当たります>は欲しいよね、と姪っ子が云ったりしてね。
'08年07月21日

Copyright(c) 2004-2008 Yamada,K All Rights Reserved