日常茶飯

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豪雨のあとで

 夕方の明るいころに帰宅して服を着替えて、近所に買い物に行こうと玄関の廊下へ出て、おやっ。 雨が降ってる気配がする。 さっき帰る途中は晴れていた、いや、雲がかかっていたかも知れないが、雨が降るような雰囲気はこれっぽっちもなかったのに。 ドアを開けると、ざあざあ降っている。 何だろう、キツネに包まれたって感じで。

 ま、急ぐ用事でもないから暫く待つか。 と、天気情報のサイトの雨雲レーダーをみると、つい今しがた地図の上にぽつんと雨雲が発生しているじゃないですか。 通り雨なら帰ってくる途中で気づいているし、うちの中にいてからも外が急に暗くなる筈である。 そんなのじゃなくて、どうやら急に積乱雲が発生して降らせた雨らしいのである。

 大気が不安定だとこう云うことがあるのだろう。 地図でみるとピンポイントの爆撃みたいで、他はまったく雨は降っていないのである。 運が悪かったと、もって瞑すべし。 それにしても、帰宅途中でなくてよかった。 傘を持っていなかったのである。 極めて局地的豪雨(ちょっと大袈裟かな)だったから、うちに辿り着く前に出会っていたら。 と、思うといささか徳をしたのかも知れない。

 関係ないが最近、三谷幸喜がやたらとバラエティ番組でているのは何故。 水谷豊が再ブレイクするのは分からぬでもない。伊藤蘭と夫婦で出演しそうな勢いである。
'08年05月26日

清涼飲料

 カゴメのジュース「野菜生活100」は比較的飲む方で、 たいがいは冷蔵庫に1リットルサイズの紙パックを置いている。 いまこの野菜ジュースが売れてないのだそうだ。 日経新聞の記事である。 なにも「野菜生活100」だけが売れなくなったのではなくて、 伊藤園の「一日分の野菜」もだそうで、野菜ジュースそのものが敬遠されている、と云うことらしい。 尤も、野菜ジュースは去年までは<前年比二ケタ増で推移していた>のである。 一方で、一時低迷してた炭酸飲料の売れ行きが伸びている。 「キリンレモン」や「コカ・コーラ」。 とりわけサントリーの「ペプシ ネックス」は70%増の大幅な伸び。 この清涼飲料の売れ筋の変化は、何が原因だと思います?

 炭酸飲料が売れるようになったのは記事をみてもよくわからないが、 野菜ジュースが売れないのは<中国原産料へ懸念>からだと云う。 あの<毒ギョーザ事件>以来のことで、中国原産を懸念してのこと、と云うのである。 でも、ちょっと変だな。

 「野菜生活100」のパッケージには、二十何品目の野菜と果物が入っていて、その原産地は十何カ国に及ぶ。 これは、パッケージには書いていないが、カゴメのホームページから辿って確かめることが出来る。 品目別の原産国は複数の国が書いてあって、<使用する可能性のある原料原産地を全て表記しています> と云うから、原産地が中国だけのは、ブロッコリー、白菜、リンゴだけで、なにもこの3つは国産でよさそうなのだけど、 だから食料自給率がないと云えるのかも知れない。 スーパで野菜の産地が中国なら避けるのは普通で、そうなれば店も置かなくなるものである。

 野菜飲料を敬遠した人の多くが、サイトで原産地を確かめているとは思えない。 中国野菜を使っていると云う噂があるのでもなさそうだし、この日経の記事は何を云いたいのだろう。 野菜飲料が減って炭酸飲料が増えた。 別にそれが移ったのではないのに、こんな曖昧な書き方をしてお茶を濁すのか。 日経ではよくあることだが。
'08年05月24日

元祖おたく

 何にもする予定のない日曜の朝はやく目が醒めると気分が良い。 予定があればそれを実行に移す義務が生じるわけで、それはそれで愉しいかも知れないが、予定に拘束されるのである。 混雑するとわかっているのに、休日に行楽地に出掛けようとは思わない。 行きに混雑で草臥(くたび)れて、目的地でもまた混雑して、<さあ楽しもう>と云う人がいる。 義務のように苦労して楽しむ人の料簡が知らない。

 その点、何にも予定がない。つまり暇(ひま)と云うのは清々しい。 暇で退屈することはない。 暇なのは贅沢なことで、何でも出来るし(限られているが)、結局は何かするもので、これが暇つぶし。 でも目的のため無理して疲れて満足するよりはいい。

 で、きょうは暇つぶしに図書館に出掛けた。 歩いていける。 目当ては予めWebで貸し出されていないのを確かめている。 作家別の棚をみると無い。 それで、映画関係の棚をみたら、あった。 小林信彦さんの『映画が目にしみる』(文藝春秋社)。 暇なその日に読み終えた。

 この図書館はタイトルだけで分類したのだろう。 間違っている。つまりは小林信彦をわかっていないのだろう。 この本は映画だけじゃなくテレビドラマや落語や喜劇役者も出て来る。 初出は、「中日新聞」に2002年から2006年までの連載したものである。 確かに映画の話題は多いが、ニコール・キッドマンがやたら出て来るし。 堀北真希、長澤まさみ、とかなんとか出て来るのである。 所謂(いわゆる)元祖おたく。

 そう云われたことがある小林さん、こう書いている。 「なるほどそういわれると、アイドルの写真といった初歩的なものから、他人には理解できないビデオ、怪しい書物、 スクラップブック…もう少しわかり易(やす)いところでは、映画に登場する以前のフレッド・アステアの歌のCD等々、 ぼくの好きなものは社会一般から大きく外れていて、<完璧なおたく>といわれても、返す言葉がない」(『東京散歩 昭和幻想』)、と。

 それで最近、小林さんの『定本 日本の喜劇人』が出ていて、 <喜劇人、エンタテインメントに関する評論、評伝、エッセイを完全収録する、ファン必携の決定版> だそうだが、せんじつ本屋でみると大袈裟な本で驚いたが、値段でも驚いた。
'08年05月18日

五月晴れ

 陽気にほだされて久しぶりにパスタ屋に這入った。 ランチメニューはボンゴレ。 ただし、ビアンコではなくロッソである。 この店のランチの野菜スープはうまいし、サラダのドレッシングの酸味が食欲をそそる。 そのうち、ボンゴレ・ロッソが出て来てトマトソースは絶妙な旨さ。

 春の陽気を描いた落語の「愛宕山」。 一枚の写真がある。古今亭志ん朝が上目遣いに両手を差し出している。 1981年の口演の一場面。 このとき43歳、写真は横井洋司氏によるもの。 これはどの場面だろうと思いながらCDで聴いていたがわからなかった。 それが、三月にでた「落語研究会 古今亭志ん朝 全集 上」のDVD映像をみて直ぐにわかった。 愛宕山の登り口で息を切らした幇間(たいこもち)の一八(いっぱち)を、繁蔵が後を押しているのだった。 押すなら手を前に広げるだろうが、指を押し出すようにするからわからなかったが、 確かにこの方が絵になる。

 途中で、旦那は土器(かわらけ)投げに興じる。 丸い輪の的をめがけて土器を投げる遊びで、 旦那は当たるが一八は外れる。 それを眼の動きでわかるンだからみごと。 そのうち、旦那は小判を投げだした。 一度やってみたかったんだ、と投げた小判30枚は的を外れて谷底へ。 拾ったらお前のもんだと云われて、一八その気になる。 谷の深さは90尋(ひろ)。つまり、両手を拡げた長さの90倍の深さの谷底である。 それが傘をみつけて、傘で飛び降りる。 これは現実的ではないが、下りる切っ掛けがつかずにいるところを繁蔵が旦那の命令で押したら、 傘でふわふわ谷底にたどり着いた。 しがみついた傘の手はなかなかとれない。 これは映像でしかわからない。
'08年05月16日

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