日常茶飯

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#22 
目次

衝動買い

 まだ買ってもいないのに衝動買いと云うのもおかしな話である。 私は一太郎とATOKの古くからのユーザであるが、余り熱心な方ではない。 毎年のようにバージョンアップ版が出るので、その都度応じるわけにも行かない。 だから、途中を省略して時々バージョンアップしている。 今使っているのは確か2つ前のバージョンである。 何年か前に買ったばかりなので、今度は控える予定でいた。 ところが松下電器が訴えた裁判で、製造・販売の中止と製品の破棄を命じる判決が出て、 それで気が変わり一太郎2005とATOK2005にバージョンアップしようかなと思うようになった。 そう云う衝動買いを考えている。
 昨日のIT Proの記事で、松下に抗議して不買運動を呼びかけるサイトが現れたと云うので、 見てみると署名を集めている。 2000人分ほど集まったそうだが、匿名の署名がやたらと目につく。 中には松下幸之助と云うのもある。 コメントも書かれていて悪口、ため口、減らず口をたたいている。 これでは署名でなく掲示板である。 冗談ではないのだろうが、余り効き目もないように思う。
'05年02月15日

一風変わった時代小説家(続き)

 さて、これら異色の主人公ばかり登場する時代小説を支えているのが、確かな時代考証である。 作者は江戸時代の政治と経済、それに法曹と法律を自家薬籠中(ろうちゅう)のものとして時代考証をすすめる。 説得力ある考証が、ストーリーの展開と相まって小説を面白くさせている。 佐藤雅美と云う作家は長年ゴーストライター、無署名ライターをやっていたそうだ。 そして、この浮草稼業の時代に多く学んだと云う。 「知らなければ嘘を書くのにもこわごわになるが、怖いものなしに堂々と嘘も書ける。もちろん真実もだ。」 と書いている。
 初めて署名入りで書いたのが幕末の通貨を扱った『大君の通貨』である。 幕末日本が開港したとき、小判が大量に流出した。 日本の金銀比価が国際水準よりも低かったため巨額の金が流出し、物価は急騰して、猛烈なインフレを引き起こした。 これが徳川幕府の瓦解の一因だとする話は歴史書で読んだような気がするが、 『大君の通貨』はそのプロセスを克明に描いたもので、 この本で経済歴史小説というジャンルが生まれた。
 10年ほど前に講談社の文庫版を本屋で見た覚えがある。 やたらと分厚い本だった。 内容も難解で晦渋だと聞いていたので、読む気にはならなかった。 それが何かの弾みで読みたくなって数年前に本屋を探したら絶版になっていた。 ところが、2年前に文春文庫から薄い本になって現れた。 初版本は新田次郎文学賞を受賞し英訳版まで出た程だからテーマは良かったのだろうが、 「未完成品」だったそうだ。 難しかったのは、書き過ぎて焦点がボケていたからで、 それを削りに削って書き改めたのが文春文庫版だと云う。 通貨の計算でけっこう頭を使う。 何せ経済外交がテーマである。 だけど実に面白かった。
'05年02月14日

一風変わった時代小説家

 佐藤雅美(まさよし)と云う作家はどれほど知られているか分からないが、 この人の時代小説は実に面白い。 10年前は文庫本は余りなかったと思うが、この数年にわかに幾つも文庫に入り出した。 連作ものも幾つかあり、『半次捕物控』、『物書同心居眠り紋蔵』、 『八州廻り桑山十兵衛』などのシリーズに、最近では『縮尻(しくじり)鏡三郎』がある。 主人公のキャラクターは異色で卓抜した魅力がある。
 『物書同心居眠り紋蔵』シリーズの藤木紋蔵(もんぞう)には所かまわず居眠りする奇病がある。 そのため同心なのに定廻りにつけず、ずっと内勤。 俸給は少ないし、その上育ち盛りの子だくさん。 だから生活は楽ではない。 こんな窓際同心の捕物帖なのだが、読み出すと話は二転、三転し結末への意外な展開はいつも面白い。 以前ドラマ化されて、NHK金曜時代劇で館ひろしが主演していた。
 『縮尻鏡三郎』の拝郷鏡三郎は、もと勘定方で将来を嘱望された役人だった。 仔細あって仕事をしくじってクビになり、今は八丁堀近くの大番屋(仮牢兼調所)の元締めをしている。 これも何年か前に金曜時代劇で中村雅俊がやっていた。 また、桑山十兵衛シリーズの八州廻りとは、池波正太郎の『鬼平犯科帳』での火付盗賊改方と同じく特別警察で、 正式名称を関東取締出役と云う。 関八州にたむろする無宿人、悪党者を見つけ次第に捕らえて江戸に送るのが役目である。 つまりこれも捕物帖なんだが、八州廻りは捕らえ過ぎても迷惑すると云う因果な稼業なのだ。 江戸まで護送する費用は、悪党が捕らえられた村の負担となる。 村は出費を惜しむ。 八州廻りはそのへんを考えて犯人を捕まえなければいけない。 実に変わった時代小説である。この話続く。
'05年02月13日

餓鬼道肴蔬(こうそ)目録

 春野菜に因(ちな)んだ惣菜を思いつくまま書き並べてみる。

蕗(ふき)のとうのみそ和え
たらの芽のソテー
うるいの浅漬け
野蒜(のびる)の酢味噌
新じゃがの素揚げ
菜の花の天麩羅
わらびの白胡麻和え
こごみの胡麻和え
うどのサラダ
小松菜とキャベツのジュース
春キャベツのレモン漬け
若竹汁

 ええっと、後は何だっけ。閑話休題(それはさておき)。 戦争のさなか昭和十九年、内田百閒(ひゃっけん)は日本郵船の内田嘱託室で、「餓鬼道肴蔬(こうそ)目録」と云う随筆を書いている。 いや、随筆と云うよりこれは単に御馳走の名前を書き並べただけのもので、冒頭を一寸引くと、

さはら刺身 生姜醤油(しょうがじょうゆ)
たひ刺身
かぢき刺身
まぐろ 霜降りとろノぶつ切り
ふな刺身 芥子味噌(からしみそ)
べらたノ芥子味噌
こちノ洗ひ
こひノ洗ひ
あはび水貝
小鯛焼物
塩ぶり

と云うふうに、料理のメニューがえんえんと続く。 百閒は「段段食べるものがなくなつたのでせめて記憶の中からうまい物食べたい物の名前だけでも探し出して 見よう」と思いついて、この目録を書いた。 その後で、「目録」のしまいの所に「こちめし」を挙げているのが気になって、 「こち飯」と云う随筆を書いている。 「気になると云ふのは思い出して食べたくなつたと云ふ丈のことである」。 その何ヶ月後に日本は空襲を受けるようになり、一年後には敗戦を迎える。
 戯れに真似てみたが、百閒のすさまじい精神力には敵わない。 この人ただの健啖家ではない。 「餓鬼道肴蔬目録」は中公文庫『御馳走帖』に入っているが、 ちくま文庫『内田百閒集成・全24巻』に未収録なのは残念な気がする。
'05年02月11日

砂書帖 ・ アップデート

 ▼ 去年の11月頃、ウィルス対策ソフトのライセンスを更新しソフトもバージョンアップした。 するとこれまではウィルス対策だけだったのに、 スパイウェアやスパム(迷惑メール)などまで検出するようになったものだから、 パターンファイルは毎日何度かアップデートされる。 日曜日は休んでいるようだ。 ファイルのサイズも重くなって来て、ダウンロードに時間が掛かる。
 スパイウェア対策など余計なお世話だと思っていたら、 たまには手柄をたてる。 これまでに2度だったかスパイウェアを検出したので、少しは見直した。 先日は立て続けに3、4度、 「ネットワーク・ウィルスの侵入を遮断しました」と云う看板のようなものがパタンパタンと現れるので、 少々迷惑したが我慢した。

 ▼ 今月のマイクロソフトの月例セキュリティ修正パッチは、7つが該当していた。 Windows Update を実行すると、はじめダウンロードからインストールのところで失敗し、 2度目で漸くパッチを当てることが出来た。
 以前この Windows Update がユーザー情報を収集していた事がばれたことがある。 他社製品のソフトを入れているか調べて送っていたと云う。 ばれてしまって詫びたのか開き直ったかは、忘れた。 ウィルス対策ソフトの設定で、許可していないソフトが何かを送信すると検知するようにしていると、 Windows Update の実行中に何度か何かを送信しようとする。 送信を遮断してアップデートが上手く行かなくなるのも迷惑なので許可したが、 勝手にするがいい。
'05年02月10日

Mozillaで各種機能の設定法

 以前、ASAHIネットの電子フォーラムで一時盛り上がっていた話に、 Mozilla などのブラウザの上部のアドレスバーに「マイクロソフト」と打ち込んでエンタ・キーを叩くと、 「www.マイクロソフト.com」と云うサイトが現れて、なにやら怪しげな歌声が聞こえる、 と云うものがあった。 先ほどまた遣ってみたら、同サイトは今も存在するようだ。 ただし、あの変な歌声はなかった。
 ドメイン名をこのように日本語などで表示する仕様、 IDN(国際化ドメイン名)に関するセキュリティ・ホールが見つかった。 MozillaやFirefoxなど複数のブラウザに、アドレスバーなどの偽造につながる脆弱性が存在すると云う。 これは、偽装サイトを用いたフィッシング詐欺に悪用される恐れがあると。 また、Internet Explorer(IE)にはこの脆弱性は存在しないそうだ。 詳細は、IT Proの記事にあるので触れないが、ただその記事でMozillaやFirefoxにおいて各種機能の 設定方法が書いてあり、これは知らなかった方法なので備忘録のつもりで記しておく。
 記事によると、この脆弱性はMozillaなどのブラウザがIDN(国際化ドメイン名)処理をデフォルトで サポートしているためで、IDN対応機能を無効にすれば偽装されなくなる。 IEが影響を受けないのは、単にIEはIDNをデフォルトでサポートしないからだそうだ。
 Mozilla製品(Firefox、Mozilla)では、 アドレス・バーに「about:config」と打ち込めば、各種設定項目がズラズラと表示される。 こんな機能があるとは知らなかった。 その中の、設定名「nework.enableIDN」を探すと、値はデフォルトの「true」になっている筈。 ダブル・クリックすると、ダイアログが現れるので、値を「false」に変更すればよい。 試しに、Mozillaでアドレスバーに「マイクロソフト」と打ち込んでエンタ・キーを叩くと、 今度は見つかりませんと答えて来た。

日経BP社「IT Pro」
http://itpro.nikkeibp.co.jp/
'05年02月08日

4次元デジタル宇宙シアター

 国立天文台が天体シミュレーター&プラネタリウムソフト「Mitaka」を公開したのを知り、 早速アクセスしたがなかなか繋がらない。 暫くして繋がったが、ダウンロードのページへのリンクでまた待たされる。 ようやくダウンロードを開始する段になると、意外に早く終わった。 ZIP書庫形式で、サイズは35MBである。
 「Mitaka」は、国立天文台の4次元デジタル宇宙シアターで上映用に使用しているソフトウェアで、 天文学の観測データや理論的モデルを使い、 宇宙の幅広い空間スケールを自由に移動して、 宇宙の様々な構造や天体の位置を見ることができるそうだ。
 取り敢えずzipファイルを展開して起動する。 いやぁ、なかなか面白い。 分からないままメニューを選択して、いろんな画面を表示させるのだけど、 表示が直ぐに変わる時と、そうでない場合がある。 使い方を知らないのだが、 改めてホームページで「推奨動作環境」を見るとPentium4 2.6GHz(相当)以上とある。 うわぁ重いんだ。750MHzで見ているんだけどな。

Mitaka

国立天文台
http://www.nao.ac.jp/

'05年02月07日

砂書帖 ・ 今日の色々

 ▼ 動物園のライオンが堀に落っこちて、それを救出すると云う椿事(ちんじ)を、 昨夜テレビのニュースで見た。 堀の中のライオンは、さぞや冷たいだろう水につかって情けない顔をしていた。 何だかよく分からないけれど、余ほど感の鈍いライオンかと思ったが、 今日の新聞にも載っていた。
 そのライオンは25歳の雄で、人間では80歳に相当する爺ライオンだったそうだ。 普段は、堀に落っこちてもスロープを這って上がれるようになっているらしく、 ところがこのライオン、足腰が弱りスロープが濡れていたことなどで上がれなかったようだ。 命に別状はなく、しばらくは動物病院に入院すると云う。

 ▼ 人の受け売りで恐縮だけど、秀吉とねねの寺京都高台寺のホームページにある 「ZEN英語版」は、ひじょうに面白い。 爆笑もの。 数日前、玉木正之さんのホームページにある「ナンヤラカンヤラ」で知ったのだが、これ必見です。
 ところで、禅(或いは仏教)と云うものは一寸おかしな宗教で他とは違っている。 あの世はない或いは考えないと云う宗教なのだが、それでいて坊さんは葬式をやるし、 その後のことも執り行う。
 司馬遼太郎が何処かに書いていたが、 親鸞はあの世があるのかどうだが分からないと云ったそうだ。 このホームページにも、お寺の坊さんが禅について解説していて、 その中でこう云うことを書いている。 第一線で活躍する禅僧に、あの世があるのか問うたところ、 「在るんじゃないか」と5割が答え、 「無いんじゃないか」と4割が答えたと云う。 まあ下記のホームページを見て下さい。

高台寺ホームページ
http://www.kodaiji.com/

玉木正之公式WEBサイト『カメラータ・ディ・タマキ』
http://www.tamakimasayuki.com/
'05年02月06日

データリカバリー

 四年前の大晦日の夜に、ノートパソコンの電源を入れたら ハードディスクがクラッシュして、パソコンが壊れてしまった。 思わぬ災難は、新しいパソコンを買う喜びを授けてくれたけれど、 こう云う事は余り起きて欲しくない。 パソコンが壊れるだけでなく、大切なデータを失うこともあるだろう。 数年前に、誰かに聞いたのかそれとも新聞で読んだのか忘れたが、 卒業研究の実験データを入れたパソコンが壊れて卒論が書けなくなって、 もう一年やり直すハメになった大学生の話を聞いた(或いは読んだ)ことがある。
 最近、デジタル機器のトラブル発生時に中のデータを復元する、 データリカバリー・サービスが増えているそうだ。 元祖は米国Ontrack社だそうで、 地震災害や戦争時に独自のデータリカバリー技術で迅速なデータ復旧の実績があると云う。 日本にも、データリカバリー技術のライセンスを受けたか、或いはマネして、 そう云ったサービスが現れているそうだ。 元々は法人向けのサービスだったのが、最近では個人向けにも広がり、 パソコンだけでなくデジタルカメラのデータも扱うようになったと云う。
 そう云った業者のホームページを幾つか見ると、 データリカバリーには「論理的障害」と「物理的障害」の2つがあると云う。 物理的障害はハードディスクが壊れた場合を指すのだろうと思われるけど、 論理的障害とは何だろうと思ったら、 操作を誤りうっかりデータを消してしまったことを指すらしい。 費用は初期診断費用と復旧費用の二段構えになっている。 値段もそう安くはない。 とりわけ物理的障害の復旧にはクリーンルームが必要で費用も高額だ。 何処の業者か忘れたが、クレジット・カードで決済する場合は迅速にやってくれるけど、 そうでない場合は預金通帳の残高額のコピーが必要だと書いていた。 支払能力を確かめるとは、ずうずうしくも可笑しな業界だな。
 データリカバリーの反対に、データを完全に消去するサービスもある。 パソコンを廃棄する際に中のデータを完全消去するものである。 パソコンからデータを消しても本当に消えたわけではなく、 廃棄したパソコンからデータが盗まれたと云うことがあって話題にもなった。 データを完全消去するソフトも販売されているが、 最も簡単なのは、ドライバーで本体をこじ開けて、 金槌でハードディスクを叩いて物理的に破壊することである。 以前テレビのニュースで、役所のパソコンを一斉に廃棄することになり、 トンカチを持った大勢の職員がハードディスクを叩く場面を見ていたら、どことなく可笑しかった。 除夜の鐘を聞きながら叩いた、四年前の大晦日の夜を思い出したからかも知れない。
'05年02月05日

砂書帖 ・ 寒波一過

 ▼ 寒波が去ってしまったら、そんなに寒くはない。 あのまま寒い日が続けば、蕎麦なら鴨南蛮、 うどんなら鍋焼きうどんでも食べようと思っていたら、当てが外れた。 現金なものだ。 お昼に蕎麦屋で、ざる蕎麦を食べ、そのあと蕎麦湯を飲んでおなかを温める程度で丁度いい。

 ▼ マイクロソフトの月例セキュリティ修正パッチは、来週水曜9日に公開されるそうだ。 今回は13件あって、「緊急」が多いと云う。
 Windowsに関するものが9件(緊急、再起動が必要)、 MS Officeに関するものが1件(重要)、 .NET Frameworkに関するものが1件(重要、再起動が必要)、 OfficeおよびVisual Studioに関するものが1件(緊急、再起動が必要)、 Windows MediaPlayerに影響を及ぼすものが1件(緊急,再起動が必要)。 以上は、日経BP社のIT Proの記事より。

 ▼ 先ほどから「青空文庫」(www.aozora.gr.jp)で、寺田寅彦の随筆を読んでいる。 岩波文庫の随筆集全五巻は、大学一年の頃に面白く読んだ覚えがある。 「とんびと油揚」という可笑しなタイトルはよく覚えているし、 他にも内容を思い出すことは出来るけど、 その頃は文章を味わう余裕はなかったようだ。
 何年前だったか、岩波文庫に『柿の種』が入った時は、 少し意外な感覚があったから、前より成長したのかも知れない。 そして今、幾つか読んでみるとこれがけっこう面白い。 かなり深い内容なのに、気楽にさりげなく書いている文章は面白い。 寺田寅彦を再発見した様な気がする。 少しは成長したかな。
'05年02月04日

C++の設計と進化

 プログラミング言語C++の生みの親である、B. ストラウストラップの『C++の設計と進化』 の邦訳が、ようやくソフトバンクから出版された。 と、云うか、きょう久し振りに大型書店に寄って見たら、出ていたので買って来た。 だから、年末に発売されていたのかも知れない。
 原著は11年前に刊行されていて、翻訳は2004年3月発行の第12刷が原本だそうだから、 この約10年間一度も改訂されていない。 その間、C++は97年に国際標準が出来てプログラミング言語として完成した。 ストラウストラップの『プログラミング言語C++』も第3版になった。 つまり、言語仕様が完成する以前に、この本は完成していたのだ。 凄いなあ、まったく。
 邦訳版の初章「2005年のC++」でストラウストラップ自身がこう書いている。 「この本は美しく年をとった。 プログラム言語という視点から見ると、過去10年間に渡ってC++には何も起こっていない」。 この章は、邦訳版のためにストラウストラップにより加筆されたものである。
 これまで私は、『プログラミング言語C++』の第2版(トッパン)と第3版(アスキー)から、 オブジェクト指向やC++の設計について、設計者の考えを学びそれで、 C++とオブジェクト指向がすっかり気に入ってしまった。 この本はもっと直接、はじめから、「どのようにC++は生まれたのか、なぜそれはこのような方法をとったのか、 そしてまたなぜ別の道を選ばなかったのか」と云うwhyを書いている。 待っていたのだ。 いやぁ、それにしても相変わらず分厚い本だ。
'05年02月02日

砂書帖

 ▼ 大寒から立春までは凍えると云うけれど、寒波がやって来て今週は本当に寒い。 立春は四日だそうだ。 明日は、日本列島の半分以上が雪に覆われると云っていた。
 この冬はもともと暖冬である。 初めから本格的な寒い冬なら備えもするが、中途半端な冬なので、 寒さに対する気合いが足りない分、なおさら寒い。

 ▼ テレビのニュースでやっていたが、ジャストシステムの「一太郎」と「花子」に対し、 製造・販売の中止と製品の破棄を命じる判決が出た。 これは松下電器産業が、「ヘルプ機能」の特許を侵害されたとして訴えていたもので、 東京地裁が、松下の訴えを全面的に認める判決を下したと云う。
 一太郎なら、いくつか前のバージョンを持っている。 「ヘルプ機能」と云うのは初めて知ったが、 ためしてみたら、なあんだこんな事か。 「ヘルプモード」と云うアイコンがあって。 これをクリックすると、マウスカーソルの横に「?」マークが現れる。 この状態で別のアイコンを押すと、そのアイコンの機能を説明する文章が表示されると云うもの。 これ控訴審ではどうなるか分からないなあ。

 ▼ 今日の日経新聞、おしまいのページの「私の履歴書」でピーター・ドラッカーの連載が始まった。 おしまいのページは他の新聞では番組欄だが、「私の履歴書」は功名を成した人の回顧録で、 聞いた話では本人ではなくてゴースト・ライターが通常は書いているそうだが、真偽のほどは知らない。
 ドラッカーは「マネジメント(経営)」を発明した男と云われていて、 本屋に行けば経営の本が沢山並んでいる。 95歳で今だ現役で、大学でも講義を続けていると云う。 95歳なら、一人でまとめて一世紀分の話が聞けそうである。

 ▼ 見出しの「砂書帖」(すながきちょう)は、はじめは「沙書帖」と書こうとしたが、 「すな」と読んで貰えない恐れがあるのでこの様に表記した。 砂に文字を綴って、風が吹けば消えてしまう。 そう云うほどの意味である。 その日の出来事で日が経てば、どうでもよくなって忘れてしまう事でも綴ろうと云う思いつきである。
 去年は「雑記帖」と云う見出しで色々と書き散らかした。 似たようなものだけど、 この方が新鮮味がある。 本欄、中身より見出しに意匠を凝らすのである。
'05年02月01日

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