日常茶飯

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目次

「七人の侍」の一場面

 黒澤明の映画「七人の侍」は、農民に雇われた侍(さむらい)が野武士と戦う時代劇だが、 村を襲う野武士が現れるのは後半のずうっと後である。 映画の前半で気に入っているシーンのひとつは、 侍大将役の志村喬が納屋に立てこもる男から子供を救い出す場面。 このエピソードの元になっているのは、柳生新陰流の創始者、 上泉伊勢守(かみいずみいせのかみ)にまつわる逸話で、 柳生厳長 『正伝・新陰流』(島津書房)の孫引きで申し訳ないがダイジェストする。

 伊勢守一行が伊勢路を目指して尾州の大刹、妙興寺のあたりに来かかると、道に人だかりがある。 話を聞くと、 「一人の乱心者が、この里の子供を奪って妙興寺の納屋に閉じこもり、脇差しの抜き身をもっているので、危なくて一晩たったが、 誰も救い手がない」とのことである。
 これを聞くと伊勢守は、民家に入って小憩し、頭を剃り妙興寺から僧衣を取りよせて僧形となり、 それから握り飯二つを持って、独りで納屋に入って行った。 乱心者は、 「我に近づいてはならんぞ、それ以上近づけばこの子供を刺し殺してしまうぞ」 と大声で怒鳴った。
 伊勢守は、 「見られる通りわしは僧侶じゃ。仏に仕える身は慈悲をもって第一とする。 聞けばこの童は、昨日から飯粒一つ口にしていないというではないか。 さだめし飢えているに違いない。 しばらくその手をゆるめて、この握り飯をたべさせてやってくれ」と、 手にした握り飯を泣きわめく子供に投げあたえ、さらに言葉をついで、 「お前もさぞ腹が空いたであろう、これをたべて空腹を充たしたらどうじゃ」 といって、いま一つの握り飯をさしだした。 乱心者は僧形の伊勢守にすっかり気を許して、手にした脇差しを下に置き、 右手をのばしてその握り飯を受け取ろうとした刹那、その手は間髪を入れず、 伊勢守に手取りされて組みしかれた。

 黒澤映画は、芥川やシェイクスピアなどの原作ものよりは、こう云った黒澤明自ら書いたものが好きである。 中でも「隠し砦の三悪人」が一番面白い。
'04年12月15日

年末年始警報

 何のことはない、情報処理推進機構(IPA)が ウイルスメールやフィッシング詐欺などに注意を呼びかけているのである。 要するに、(1)WindowsやIEに最新のセキュリティ修正プログラムを適用する。 (2)ウイルス対策ソフトを常駐させ、定義ファイルを常に最新にする。 ごく普通のことを云っているだけである。 寧ろ、これはコンピュータに不案内な一般のユーザ向けに呼びかけたものであろう。 次のような記述がある。

「 次の項目に該当があれば、既にウイルスに感染している可能性があります。
・「セキュリティホール」という言葉は初めて聞いた。または、聞いたことがあるが、よくわからない。
・パソコン購入時から、一度もバージョンアップを行ったことがない。
(以下省略)」

 バージョンアップとは、Windows Update の意味だろうが、 これらに該当する人は、まずこの警報は読んでいないんじゃないかな。 IPA(独立行政法人)なんて無名に等しいもの。 しかし、こう云う人は多いはずで、本当に周知させたければNHKなどで流すべきだろう。
 もっと重要なことは、IPAは IE やOutlook Express を使わない選択肢があることを明示すべきである。 これはマイクロソフトの悪口ではなく、常識を云っているのである。 IE やOutlook Express を適正に使うには、 最新のセキュリティ修正プログラムを適用することを含んでいる。 ユーザーに手間暇を要求する、そう云う仕様になっている。 だったら、常に修正プログラムを適用している人より、しない人の方が多いに決まっている。 それなら別のソフト、Mozilla や Firefox などを薦めるのが賢明であるし現実的である。 遠慮することはない。


情報処理推進機構 セキュリティセンター
http://www.ipa.go.jp/security/index.html
'04年12月14日

世論調査

 テレビで最新の世論調査の結果を報じていた。 世論調査は何度か受けたことがある。 最初は共同通信社からだった。 あらかじめ調査に協力して頂きたい旨の手紙が送られて来て、 その後予定された日に電話が掛ってきて質問に答えるというものだったと記憶する。 前もって手紙で依頼して来るとは思ってもみなかったが、 またそれが正式な世論調査のやり方だと心得た。
 ところが段々と勝手が違ってきたようで、 テレビ朝日から世論調査だと云う電話がいきなり掛って来るようになった。 2、3度あったと思う。 テープレコーダに録音したような女性の声で、「お時間は取りません。云々」と一方的に喋っている。 プログラムされた機械に電話を掛けさせるようにしたらしい。 いつも日曜日の午後に掛って来て、家を出払っていたので答えたことはない。 留守番電話に延々と記録が残っていた。
 尤(もっと)も、テレビ朝日は以前からこういう方式なのかもしれないし、 共同通信の方は今はどうなのかは知らない。 無作為抽出で選ばれると当分は選に漏れるのだろう。 それにしてもテレビ朝日が何度と掛けて来るのは、 以前答えなかった分の有効期限が残っているのかどうだか知らないけれど、 そんなことはどうでもよい。
 世論調査を受けてひとつ分ったことがある。 テレビなどで内閣支持率と一緒に支持理由が発表される。 必ず決まって「(首相)の人柄がいいから」なんて云う馬鹿げた理由が挙がってくるのは、 答が用意されているからで、 その中から選ぶようになっていて、 これが何ともステレオタイプでどれにも該当しないと云う場合が多かった。 本来、「人柄」と「政治」はまったく別物なんだけどね。
'04年12月13日

ユニコード

 この欄の文字コードをシフトJISからユニコード(UTF-8)に変えた話は何度か書いた。 ただひとつ「閒」の文字を使いたかっただけで、おかげでGoogleの検索に「内田百閒」が掛るようになった。 今のところは単にこれだけのことであるが、ユニコードにすることはもっと広く意義のあることである。
 例えば、「おうがい」をかな漢字変換すると「鴎外」と「おう」は略字体で表示される。 これが何とも嫌だった。 それがユニコードだとちゃんと「鷗外」となる。 因みに「鷗」の文字のコード番号は「9DD7」である。 Windows の付属ソフト「文字コード表」で探すことが出来る。
 ただし問題なのは、少し古いマシンだとうまく行かない場合がある。 試しに家にある古い Windows 98 のマシンでは、Netscape 4.7 では正しく表示されるが、 IE 5.5 では「□外」となる。 実際はもっと縦長の四角だったけど。 マシンが古くなくても、Linux のKNOPPIX 3.3 では矢張り同様になることは「百閒」で確かめているが、 「鷗外」は知らない。 ユニコードだと各国の文字、ローマ数字だとかギリシャ文字なんかも扱えて 画像で表示しなくて済むのだが、今のところ用心しながら使っている。
 ところで文字コードについて解説した本に、加藤弘一さんの『電脳社会の日本語』(文春新書)がある。 約5年前に出版された。 本棚から取り出して見てみると、読んだ内容は綺麗さっぱり忘れてしまっている。 困ったもんだ。
 かわりに加藤さんのホームページのURLを書いておきます。 本来は文芸評論家で、石川淳や安部公房の研究者である。 『電脳社会の日本語』も、安部公房のあの「壁 -- S・カルマ氏の犯罪」から始まって面白いと云いたいが。

「ほら貝」のURL
http://www.horagai.com/
'04年12月11日

雑記帖 ・ 広告

 ▼ 金曜ロードショーが時間枠を延長して「千と千尋の神隠し」をやっている。 いまごろ何でと思ってみたが、「ハウルの動く城」の広告番組だったのだ。 ちかごろは地上波放送のロードショー番組は、すっかり広告になってしまった。 新しい映画が公開されると、前作などを引っ張り出して放送する。 ロードショー番組の全盛は、淀川長治さんが解説をやっていた頃までだろう。

 ▼ 昨日の新聞広告に、白水社の『吉田秀和全集』第24巻が載っていた。 ついに完結とある。 吉田秀和さんと云えば、音楽の魅力を言葉で表現し、日本に音楽評論というジャンルを確立した人である。 ずいぶん前になるが新潮文庫だったか、『モーツアルト』などの評論を読んだ覚えがある。 今では文庫もないだろう。 吉田さんは確か90歳を超えられたと思うが、お元気なんだな。

 ▼ 今日の新聞に『文藝春秋』新年特別号の大きめの広告が載っている。 特集は、各界著名人が望む「理想の死に方」だとか。 文藝春秋はよくこう云うことを思いつく。 先日も文春文庫の新刊に、本人の死亡記事を本人が書いた『私の死亡記事』が書店に出ていた。
 理想的なのは内田百閒の様な大往生じゃないかな。 百閒が82歳(正しくは満81歳10ヶ月)で永眠したのは、 「ストローでシャンパンを一口、愛用の煙草ピースを一服吸い、 その煙が灰皿からのぼっている時」と云うから羨ましい。
'04年12月10日

雑記帖 ・ 今日の色々

 ▼ IBMのパソコン事業を中国の聯想集団(レノボグループ)に売却することで、 両社が合意したと正式発表された。 聯想はデスクトップ型からノート型までを含むIBMのパソコン事業の全業務を買収し、 その後5年間は「IBM」ブランドを使用する権利を持ち、 商標と関連技術を獲得すると云うことだ。 また事業売却に伴い、 IBMでパソコン事業に携わっていた約1万人の従業員は聯想集団に移籍するそうだ。
 聯想集団なんて初耳だったが、日経新聞夕刊によると、中国市場でシェア3割の最大手で、 中国外でのシェアはほとんど無かったと云う。 それにしてもThinkPadは「IBM」ブランドだから「ThinkPad」だったのだが、今後どうなるのだろう。

 ▼ 以前に比べると、ウィルスメールは余り来なくなった。 少なくとも、一どきに100、200通と云うことはなくなった。 ウィルス対策ソフトが普及したからだろう。 また、スパムもプロバイダが「スパムブロック」と云うサービスを始めてから減った。 目出度い。
 変わって新たに来るようになったのがフィッシング・メール。 多くはないが、今日は韓国とアルゼンチンからやって来た。 共に、米アトランタの銀行サントラストを騙るメールで、 ウィルス対策ソフトはウィルスメールとして処理をした。 そこでこれも「スパムブロック」に登録した。

 ▼ 新聞の小さな囲み記事に、クリントン前米大統領が検索サイト企業の発足パーティで 「いっぱい稼いでくれよな」と応援講演したと云う。 前大統領の講演料は一回10万ドル(約千20万円)が相場だそうだ。 アメリカの場合、大統領を辞めると政界から引退する。 その後は、高額の講演料と自叙伝の出版などで将来(?)が約束されていると何かで読んだ覚えがある。 余生は長いだろうクリントンさんも「いっぱい稼ぐ」のに精を出している事だろう。
 記事によると、クリントン政権がインターネット普及に大きな役割を果たしたと自画自賛したそうだが、 実はこの人、8年間の任期の間に大統領執務室で自ら書いた電子メールはたったの2通だったのだ。 それも1通目は操作を誤って、2通目で送れたと云う話である。 相手は確か宇宙飛行士だったと思う。
'04年12月08日

スパム

 プロバイダのASAHIネットが始めた、 スパム(迷惑メール)を拒否する無料サービスについて2度ほど書いたと思うが、 一プロバイダの話で恐縮だがまた書いてみたい。
 どうやら誰もがスパムには迷惑し、不快に思っていたらしく会員の間でも評判が良いようだ。 プロバイダのホームページにある「ふらりアサカフェ」と云う掲示板を見ると、 けっこう盛り上がっている。 実はこの掲示板、見るのは初めてなのだけれど(知らなかった)、 スパムの受信拒否の設定の仕方について色々と書き込まれていて面白い。
 このスパム拒否サービスは、「おまかせフィルタ」を有効にすると、 プロバイダがスパムと判断したメールを拒否してくれる。 拒否されたスパムは別の場所に一週間ほど保管されるが、その件名や本文を確認することも出来る。 これだけで、かなりのスパムを受け取らなくて済んだ。 中には、ファイルのサイズからウィルスメールじゃないかなと思われるものも拒否されている。
 たまにフィルタをくぐり抜けてやって来るのもある。 その様な場合は「マイフィルタ」で、スパムをフィルタリングする条件を独自に設定することが出来る。 ドメイン名とIPアドレスの他にも、メールの件名、ヘッダや本文についてキーワードを設定できる。 いくらでも条件を付けて相手をブロックする準備を整えると、気分は魚釣り。 この次にやって来るときは、一網打尽フィルタに引っ掛かけてやる。 早くスパムがやって来ないかな。 アハハ、お正月じゃあるまいし。
'04年12月06日

検索サイト、グーグル

 検索エンジンのグーグル(Google)には時々感心してしまう。 キーワードを入れて、エンターキーをたたくと、あっという間に探している情報が出てくることがある。 平均検索時間は0.5秒以下だと云う。 以下は、『ニューズウィーク日本語版』2002.12.18号の「もう止まらないグーグル革命」からダイジェスト。 丁度2年前の記事だ。 何でこんな古雑誌があるのかって? たまった古雑誌を処分しようと整理していて見つけたのである。
 グーグルの生みの親は、95年当時スタンフォード大学の大学院生だった、 セルゲイ・ブリンとラリー・ページだ。 共に22歳で、ウェブ検索の研究をしていた。 ふたりの取り組んだ検索エンジンが画期的だったのは、 サイトに張られているリンクの数とその重要度をもとに、検索結果の表示順を決めるようにしたこと。 例えば「ニューヨーク・ヤンキース」を検索すると、ヤンキースの公式ホームページが先頭に表示される。 98年にページとブリンは会社を設立する。 設立にあたっては、ベンチャーキャピタルの出資も集まった。 10の100乗を意味する単位グーゴル(googol)をもじってつけた社名が「グーグル」だった。
 グーグルの凄さは検索エンジンにある。 世界で4番目に人気のあるサイトだが、1位のALO(アメリカ・オンライン)と3位のヤフーは、 サイト内の検索サービスにグーグルの技術を使っている。
 では、グーグルはどうやって利益を上げているのか。 同社の一昨年の収益は、1億ドルだと云う。 グーグルは利用者から料金を徴収していない。 勿論、ヤフーやALOからのライセンス料も大きな収入源だが、 収益のかなりの部分を占めるのは広告料である。 グーグルの広告に「アドワーズ広告」と云うのがある。 検索結果の右側にスポンサーのリンクが表示される。 広告主の提供する製品やサービスを探しているユーザーにターゲットを絞り広告を表示する。
 グーグルは見た目がよい。 検索結果のページが行儀よいのである。 広告は検索結果とはっきり区別して表示されるし、 邪魔な画像やバナー、ポップアップが飛び出してくることもない。 センスの良さは、今秋日本でも始まった「グーグルニュース」にも生かされている。 ニュースは整理され美しく並んでいる。
'04年12月05日

雑記帖 ・ 新聞から

 今日の日本経済新聞の紙面からいくつか。

 ▼ 米IBMがパソコン事業を売却する交渉を進めていると云う ニューヨーク・タイムズの3日の記事を引用して報じている。 売却するのはすべての機種を含むパソコン事業全体だそうで、 交渉相手の筆頭は中国最大手の聯想集団だと云う。
 売却が実現するとどうなるのだろうか。 安売り路線に転換するのだろうか。 ThinkPad は出来はよいと思うし、知人の評判もよいので、 今のノートが壊れたら買い換えようと思っていた。 尤も、そう云う予定はないし、あっても困る。

 ▼ 土曜版の連載記事の『青春の道標』は、今日から夏目房之介さんだ。 夏目さんのブログでさりげなく予告されていた事。 BS夜話は見られないが、こちらは読むことが出来る。 確か連載は17回だから、4ヶ月近く続くことになる。 「恥と冷や汗の歴史回想」は面白く読んだ。 今後の展開が愉しみである。

 ▼ 師走だと云うので、鬼が笑いそうな来年の心配をして、2005年の初日の出の情報を載せている。 その1つ、全国の主要都市と主な山、岬、島85ヵ所の初日の出の時刻、見える方角を一覧にしたサイト 「海上保安庁海洋情報部」のページ
http://www1.kaiho.mlit.go.jp/KOHO/hatsuhi/2005/

 ノートパソコンをテーブルに置き、土曜ワイド劇場「おとり捜査官」の終わり頃を見ながら書いていた。 犯人が手口を自慢に白状する演出は止めるがよい。
'04年12月04日

あんの画伯

 電車で読んでいた文庫が終わったので、 本屋で新しい文庫本を買った。 英文学者、中野好夫のエッセイ集『悪人礼賛』(ちくま文庫)である。 新しい文庫と云っても、これが書かれたのは50年前、2、3ある新しいエッセイでも30年以上経っている。 中野好夫は著名なので前から知っていたが、著書を読むのは翻訳を2、3読んだような気もするが、 それが何だったかもはっきりしないので、はじめて読むにひとしい。 エッセイ「悪人礼賛(らいさん)」の書き出しは、
「 由来ぼくの最も嫌いなものは、善意と純情との二つにつきる。
 考えてみると、およそ世の中に、善意の善人ほど始末に困るものはないのである。 ぼく自身の記憶からいっても、ぼくは善意、純情の善人から、思わぬ迷惑をかけられた苦い経験は 数限りなくあるが、聡明な悪人から苦杯を嘗めさせられた覚えは、かえってほとんどないからである。 悪人というものは、ぼくにとっては案外始末のよい、付き合い易い人間なのだ。」 と云う具合に歯切れがよい。
 ところで、このエッセイ集は筑摩書房の『中野好夫集、全11巻』の中からエッセイを新たに 編集したもので、編者は安野光雅さんである。 安野画伯の絵は子供の時分から親しんでいた。 初めは絵本だった。 『ふしぎなえ』をはじめ『ABCの本』等は遊び心があって面白がって読んだ。 『天動説の絵本』は、真っ直ぐだった地面が、話が進行するに従って曲がって行き、 最後には丸い地球が宇宙空間に現れる展開に感心した。
 その後、安野画伯の絵は色々なところで見かける。 たびたび本の装幀になって現れる。 高峰秀子さんの文春文庫は、いつも安野画伯の絵が表紙を飾っているし、 うろ覚えだけどちくま文庫のシェイクスピアもじゃないかな。 司馬遼太郎の『街道をゆく』シリーズで同行しスケッチを描いたのも安野画伯だった。 そしてこの『悪人礼賛』も、装幀の絵に引かれて買ったようである。


【後からひと言】 ('04年12月13日)
 迂闊にも書き忘れていた。 ちくま文庫の『内田百閒集成』全24巻は安野光雅さんの装幀である。 ちくま文庫を飾る月の絵も安野画伯のデザインなのだ。
'04年12月03日

雑記帖 ・ フィッシング再び

 ▼ 今日、Internet Explorer(IE)のパッチが緊急公開された。 日経BP社の「IT Pro」によると、「細工が施されたWebページやHTMLメールをIEで読み込むだけで,悪質なプログラム(例えばウイルス)を実行させられることになる。とても危険なセキュリティ・ホールである。実際,11月8日前後から,このセキュリティ・ホールを突くウイルスやWebページなどが出回り始めた」 とある。 何だか知らないがパッチを適用する。

 ▼ 2日前にフィッシング・メールが初めて来たが、今度は米シティバンクを装ったものがやって来た。 メールの送り元は、韓国のドメインからである。 ウィルス対策ソフトは、このメールを受け取る前にウィルスと見なし削除してしまったが、 添付された画像ファイルをクリックするとシティバンクを偽装したサイトに接続すると云う。 まあ、こんなのに釣られて口座番号やパスワードを入力する人は余りいないだろう。 「ITmedia」の米国記事によると、フィッシング詐欺による今年の直接的な被害総額は、 世界で1億3710万ドルと試算されている。 この額は「一般に言われているよりもはるかに少ない」そうだ。

 ▼ 上記の関連記事に、最新のフィッシング詐欺の手口が載っている。 それはリンクをクリックする必要もないし、 偽装したサイトも要らないと云う。 手口はウィルスの手法を利用したもので、トロイの木馬とマイクロソフトのActiveXを組み合わせたものである。 電子メールを開いたときにトロイの木馬を忍ばせて、 ターゲットにした本当の銀行の正規のWebサイトへユーザーが訪れるのを待ち受けるのだそうだ。 矢張りActiveXを利用するマイクロソフト製のブラウザとメールソフトは使わないことと、 ウィルス対策ソフトのファイルを常に最新にしていることで、こういう詐欺は避けられる。 尤もコンピュータに詳しくてそれで尚、IEやOutlook Expressを使っている人はいるけれど、 それは特別な人である。

IT Pro
http://itpro.nikkeibp.co.jp/

ITmedia
http://www.itmedia.co.jp/
'04年12月02日

プログラミングの小道具

 この欄は何にも役に立たないことを綴りたい。 だからプログラミングの話はしたくないのだが、 他のページにも相応しくない話なのでこの欄に居候させようと思う。 Windows 95 を使っていた頃は、米マイクロソフトがフリーソフトとして公開していた「Power Toys」 と云うツール集を使っていた。
 特に、「Command Prompt Here」はエクスプローラでフォルダを選択し右クリックすると、 そのフォルダをカレントにコマンド・プロンプトが開くのが便利だった。 その後 Windows 2000 では専用の「Power Toys」は公開されなかったので長らく忘れていたが、 実は前の「Power Toys」が使えることを最近知った。 尚、Windows XP では専用の「Power Toys」が公開されている。 以下では、Windows 2000 およびそれ以前のバージョンで使えると云う話。
 ただし、この欄ではリンクを張らないことにしているので、 下記の米マイクロソフトのページから「Power Toys」を検索してください。 次に「PowerToys for Windows 95」をクリックするとダウンロード出来るページが現れる。 これは普通のプログラムとは違い、シェル拡張なので注意して頂きたい。 ダウンロードする前に予め、適当な名前の空のフォルダを作成しそこにファイルをダウンロードする。 エクスプローラからそのファイル W95powertoy.exe を実行すると沢山のファイルが出来るが、 その中の「DOSHERE.INF」を右クリックして「インストール」を実行する。


米マイクロソフト Windows ファミリー
http://www.microsoft.com/windows/default.mspx
'04年12月01日

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