フィッシング 米ジョージア州アトランタの銀行からのメールを装ったスパムメールがやって来た。 リンクをクリックすると不正Webサイトを開き、 このWebサイトは本物の銀行のページとソックリに出来ているそうだ。 アクセスコードや、他の情報を入力させることによってそれらの情報の取得を試みると云う。 所謂(いわゆる)フィッシングである。 ウィルス対策ソフトは、このメールをウィルスと判断して処理した。 何と、ウィルス・データーベースに登録されている。 今年になって電子メールの仕様が変更されたことは以前に書いた。 メールのヘッダ部分に差出人のIPアドレスが記録されるようになった。 送られて来たスパムメールのIPアドレスを、Cygwin の whois コマンドを使って調べると、 カナダのカルガリーにある会社だった。 よその国の聞いたこともない銀行から、英文のメールが来ても怖くはないが、 世の中ワールド・ワイドになったもんだ。 |
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新札一ヶ月 新札が現れてまもなく一ヶ月になる。新聞によると普及していないと云う。 旧札を含めた全体の一割、十一億枚を発行したが、二十年前の新札発行時に比べると、 旧札と入れ替わるペースは半分で、日銀はやきもきしていると。 給与の自動振り込みやクレジットカード利用で現金に頼る機会が減っていることが主因だそうだ。 また自動販売機は二十年前の十五倍に増えている一方で、 新札が使える自販機は飲料用で三割程度にとどまっていることも一因だと云う。 そもそも新札は偽造防止が目的で、偽札の中で特に多いのは旧千円札だそうだ。 千円札なら自販機で使うに決まっているが、新聞によれば十月頃から偽造した旧札の「駆け込み使用」 が増えていると、業界関係者の話を引用している。 駆け込み使用と云っても、被害に遭わなければ判らないだろうに、 この一ヶ月の間に被害に遭ったと云うニュースを聞いた覚えはない。 不思議。 |
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辞書の編纂者 新聞の広告に、三省堂の『新明解国語辞典』最新第6版が載っていた。 よく見ると、第5版までにあった金田一京助の名前が消えている。 思えば、この辞書は金田一京助の辞書のようでいてそうではない。 独特の語釈で昨今世評が高いが、これは 数人の編纂者(おそらく編集主幹)の個性によるものであって、金田一京助とはいまでは無縁である。 辞書はこの様に、著者名とは別の人、それも複数の編纂者によって書かれているのがほとんどである。 例えば、『研究社新英和大辞典』も、あの岩崎民平の辞書であって本当はそうではない。 それに対して、明治の昔の辞書は専ら一人で編纂するものだったようである。 どういう訳か、災難によく遭い、編纂が終わって直ぐに家が火事になり原稿を灰にしてみたり、 出版社に渡した原稿が紛失したりと、 惨憺(さんたん)たる目に遭って漸(ようや)く日の目を見る辞書の編纂者がいたと何かで読んだ覚えがある。 代表的な辞書に、国語辞典では大槻文彦の『言海』がある。 最近『言海』は、ちくま文庫で復刻されている。 英語辞書では、斎藤秀三郎の『斎藤和英大辞典』がある。 タイトルに自らの名前を冠するくらいだから、相当個性が強い。 これも数年前に復刻されたので、図書館で見てみたら、英語で書かれた序文の中で日本語の「馬鹿」を 英語でどういいまわすかと延々と書いていた。 この斎藤秀三郎という英学者は別格というか、ケタ外れの人物だったらしい。 生涯、日本から一歩も出たことがなく、それで英語を母語とする英米人よりも英語ができた。 こういう逸話がある。 イギリスのシェイクスピア劇団が来日し「ロミオとジュリエット」を公演した際に、 客席の斎藤秀三郎が、舞台のシェイクスピア英語の誤りを大声で指摘したという。 それがいちいち当たっているのでイギリスの俳優たちは頭を抱えてしまった。 余談ながら、指揮者の小澤征爾はじめ多くのクラシック演奏家を育てた斎藤秀雄は、彼の息子である。 |
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食べ合わせ 昔から、一緒に食べると体によくないと云われる食べ物の取り合わせがあり、 天麩羅とスイカはよくないと聞かされた覚えがあるが、 そう云う話ではない。 余り馴染みではないパスタ屋に、事の成り行きで入ることになった。 ランチメニューと云うのがあって、クラムチャウダーと季節のサラダにソフトドリンクが付いてくる。 パスタの単品に200円追加するだけなのは魅力的だった。 ただし、パスタは予め決まった4つの中からひとつを選ぶことになっている。 そこで、「野菜たっぷりカルボナーラ」にした。 クラムチャウダーのカップスープは美味しかったし、前菜もなかなかなものだった。 そして漸く、パスタが来た。 赤、黄、緑のピーマン、パプリカに玉ねぎが混ざっている。 これらを取り除けば、どうやら普通のカルボナーラで、カルボナーラは好きだけど、 野菜も別なら具合もいいのだが、一緒になると何とも奇妙な食感がした。 また、こう云う事もあった。 カレー屋で「チーズカレー」と云うのを食べた。 カレーとチーズの取り合わせは、絶妙だとは思わないが、そんなに悪いとも思わなかった。 ところがこのチーズ、糸を引くのである。 スプーンにくっ着いて、何本も糸を引く。 まるで納豆のように引くのだけど、納豆と違い箸をあやつるようには勝手が違う。 スプーンではクルクルと上手くはあやつれない。 スプーンに着いた糸を引くチーズに気を取られて、あまり食べた気になれなかった。 |
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雑記帖 ・ 整理 ▼ SunのJavaプラグインに欠陥が見つかり、 細工が施されたWebページを閲覧するだけで、任意のプログラムを実行させられたり、 パソコンを乗っ取られたりする恐れがあるそうだ。 この脆弱性は「極めて深刻」だと云う。 「コントロール パネル」の中の「Java Plug-in」を開いて、 「今すぐアップデート」のボタンを押したが、アップデートされない。 結局、Sunのページから最新版をダウンロードして、今ある版をアンインストールし、 それから最新版をインストールして終わる。 ▼ Javaプラグインをインストールすると、バカにディスク領域を占めるなあと思ったら、 インストーラ・ファイルのコピーを作成していたのだ。 見ると、以前にアンインストールした筈のインストーラもそのまま残っている。 纏(まと)めて削除したら、約100MBも領域が増えた。 ▼ 三ヶ月ぶりにパソコンのデータをMOにバックアップする。 三年前にMOドライブを買って、家の中のフロッピーを駆逐した。 山ほど在ったフロッピーディスクを処分したときは、快感ひとしきりで、 溜飲が下がったのを今でも憶えている。 それにしても、三ヶ月ぶりとは間が空きすぎである。 もっとまめにバックアップしなければとは思っているが、つい億劫なので放っている。 ▼ 以前は、セキュリティ・ホールや脆弱性が見つかると云う話はマイクロソフトの独占物であった。 今では、色々なソフトが「見つかりました」と云うから、何だか知らないが、 わざとやっているんじゃないかと邪推する。 いつもソフトをインストールすると、お節介なことをしないように設定を変更する。 それを更新するたびに、また邪魔されないように設定をやり直すことは実に遺憾である。 |
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おからでシャムパン 昨晩テレビを横目で見ながら、他のことをやっていると、内田百閒の話が出たので一寸ビックリ。 夜11時台のNHK「ものしり一夜づけ」で、どうやら「ムダ知識」のNHK版と云ったところだろう。 ワインがテーマで、ソムリエの田崎さんが出ていた。 ワインの極上品であるシャンパンに合う和食は何かと云うことで、 それで百閒先生が遂に行き着いたシャンパンに合う究極の和食(肴)が、 おからにレモン汁をかけたものであると紹介していた。 この話は百閒の有名な「おからでシャムパン」(中公文庫『御馳走帖』所収)に出てくるが、 兼ねてから嘘だろうと思っているし、 変な趣味じゃないかと訝っている。 番組でも、おからでシャンパンをいただいてみましょうかと云う事にはならず、 別の料理が出てきたので、百閒先生は単にダシにされただけなのかも知れない。 尤(もっと)も、シャンパンにおからが合うわけが無いと主張しても、少し分が悪い。 試したわけではない。 この前シャンパンを飲んだのはいつだったか、 そもそも本物のシャンパンを飲んだ事があるのかどうかも覚束ないけれど、 それでも、おからじゃねぇ?と思ってしまう。 さらに形勢不利なことに、百閒先生のおからは手が込んでいる。 単に豆腐屋のおからにレモンを搾ったものじゃない。 先(ま)ず、おからを布巾に包み、水を張ったボールの中でごしごし洗う。 その上で水を切ったおからを、すり鉢に移し、れん木でごりごり摺る。 それから漸(ようや)く味付けに掛かり、淡味を旨とし、おからに色がつかないように気をつけると云う。 最後に小皿におからの山を盛って、レモン汁をかけるそうだ。 「おからでシャムパン」から引くと、 「箸の先で山を崩して口に運ぶ。 山は堅く押さえてあるから、箸の先に纏(まと)まった儘(まま)で、ぼろぼろこぼれたりはしない。 又レモンの汁が沁みているので、おからの口ざわりもぱさぱさではないが、その後をシャムパンが追っかけて咽(のど)へ流れる工合は大変よろしい」。余り試したくないね。 |
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雑記帖 ・ スパム ▼ 以前にも書いたが、プロバイダがスパム(迷惑メール)を受信拒否できるサービス(無料)を始めたが、 これが役に立っているようだ。 そんなに多く送られて来るわけではないけど、来るには来ていたので、それを全く見なくて済む。 受信拒否されたメールは、一週間程度は保管され、その一覧を覗いて見ることもできる。 これは「おまかせフィルタ」と云って、プロバイダがメールをフィルタして、スパムと判断すればブロックしてくれる。 どう云う条件でフィルタするのかは知らないけれど、またこちらが関知することでもないので、 為すに任せている。 ▼ 先週のニュースにあったが、 世界で一番スパムを受け取っている人はマイクロソフトのビル・ゲイツ だそうだ。 1日に400万通以上受け取る電子メールのほとんどがスパムだと云う。 日経BP社の「IT Pro」によると、マイクロソフト社には彼の電子メールの「面倒をほとんど見ている」 人々からなる「部門」があるのだとか。 ▼ 最近は、ウィルス対策ソフトのデータを毎日アップデートしている。 尤も、こちらが熱心に励んでいるのではなく、向こうが毎日ファイルを更新するので、 それに合わせていると云うのであって、 毎日忙(せわ)しない。 ウィルス定義ファイルだけでなく、色々含んでいるので、 ファイルのサイズも大きくなってきた。 これじゃ、ブロードバンド環境でないと堪(たま)らない。 ブロードバンドに移ってまだ一年も経っていないけど、 移った頃はダイヤルアップ接続で不自由するという感じはなかった。 いつの間にか、どこのソフトメーカもアップデートするファイルは何十メガと大きくなっているので、 ブロードバンドが当たり前になったのか。 少なくともメーカ側はそれを前提にしている。 日経BP社の「IT Pro」 http://itpro.nikkeibp.co.jp/ |
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ドラマ「弟」 木曜日の午後9時に、「黒革の手帖」を見ようとしたら、番組変更で「弟」をやっていた。 前日から5夜連続のスペシャル番組だそうで、結局は初日をはずして毎晩見た。 ただ、今日はホームページの更新をしながら見ていて、余りよく見なかったのだが。 はじめ、何となく演技がぎこちないような気がした。 いや、悪くはないのだけれど。 昨日の「第4夜」を見ていて、ようやく分ってきた。 このドラマは、主人公の裕次郎を除くと、多くの「本人」は健在である。 そして「本人」の役を別の役者さんが演技するといった設定の難しさもある。 ぎこちなく感じたのは、その「本人」にそっくりになろうと演技しているように見えたのだ。 ところが、ベテラン陣はそうではない。 渡哲也はいつもの渡哲也で、それで上手(うま)い。 尤も、晩年の裕次郎を覚えているので、此方(こちら)がそう感じたのかもしれない。 ひとり、寺尾聰の宇野重吉役はそっくりだったが、さすが親子だな。 「松竹梅」のコマーシャルの場面の後で、「本物」のコマーシャルを流すとは上手いな。 何となく引きずられて面白がって見たが、それはこのドラマが昭和の時代を描いているからだろう。 裕次郎の全盛時代は昭和が最も輝いていた頃である。よく知らないけど。 晩年は昭和の終わりとも重なる。 今日の新聞の紙面を見ていたら「裕次郎、ひばり逝去と昭和天皇崩御」のDVD広告が載っていた。 |
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ギター片手にやって来て 先日珍しく、と云うより初めてプログラミングの話題を書いたついでにもう一つ。 現在無料で使える主なC/C++コンパイラは、GCC に Borland C++ それから Visual C++ がある。 Visual C++ は、これを頭数に入れるのはその内容にちょっと物足りない気もするが、 まあ入れておきましょう。 それぞれ、良いところもあるが悪いところもあって、どれが一番良いと云うものではない。 それでも、Borland C++ を何となく贔屓(ひいき)にしている。 ボーランド社は、80年代のはじめに創業者のフィリップ・カーンがギターを片手に アメリカにやってきたことから始まる。 それまでは、フランスの大学で数学を教えていた。 カーンは先ず、マイクロソフトやロータスなどに就職しようとするが、すべて断られる。 何しろ、アメリカで働くには労働ビザが必要なのに、 この数学の先生、そう云うことも知らずに観光ビザだけでやって来たのだ。 そこで彼は不法労働者としてアメリカに住みついた。 バレたら強制送還である。 お金がないので、昼間は働き夜はアパートでプログラミング。 そして Turbo Pascal と云うコンパイラをつくった。 矢っ張りお金がないのでパソコン雑誌の編集長に頼んで、 売れたら払うと云うことで広告を出して貰(もら)う。 本当はアパートの一室なのに、いかにも世界で売っているように見せかけて、 社名を「ボーランド・インターナショナル」とつけた。 大きく出たもんだ。 Turbo Pascal は従来のコンパイラに比べて、遥かに安く性能も良かったので、 これが飛ぶように売れた。 それから数年後、ナスダックに株式を公開するまでになった。 会社が大きくなると、社長のカーンも有名になり新聞などに顔が出るようになる。 それでとうとう、不法労働者だと云うことが当局にバレてしまう。 ところが当局は、「アメリカ人の雇用を増やした不法労働者は合法である」 としてカーンに永住権を与えた。 そう、アメリカと云う国はこの様な良いところもある。 |
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雑記帖 ・ 検索エンジン ▼ 十日前、この欄のすべてのページの文字コードをシフトJISからユニコード(UTF-8)に換えた。 思った通りだった。 内田百閒の「閒」が文字化けせずに、検索エンジン Google に掛るようになった。 たったこれだけのことだけど。 ▼ この様な欄をもっていると、一寸した体験(実験?)をすることが出来る。 ネットを検索するビジネスには、Google や Yahoo! のような検索エンジンの他に、 顧客企業に関する書き込みなどを検索、監視するビジネスがある。 ネット上の書き込みの内容や、その広がりによっては、企業イメージや収益に影響を及ぼす場合がある為、 その防衛策ビジネスなのだ。 顧客企業が用意したいくつかのキーワードについて、24時間態勢で監視していると云う。 以前、ある自動車メーカーが起こした甚大な不祥事の際、一寸した感想を書いた。 批判めいたことではなかったと思うが、そのメーカーの人気車種を並べて書いた。 その一時間後、トップページのカウンタがやたらと回っているのに気づいた。 真夜中なのに、短時間でこのアクセス数は尋常ではない。 やがて、あれかと思い至った。 一寸したスリルとサスペンスの夜だった。 アハハ。 |
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