日常茶飯

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#16 
目次

Visual C++ Toolkit 2003 について

 珍しく、プログラミングの話。 マイクロソフトが無償提供している C++コマンドライン・コンパイラ Visual C++ Toolkit を、週末試してみたら結構使える。 実は以前この欄に書いたが一度も試していなかった。
 これは製品のVisual Studio .NET 2003 Pro版に含まれる最適化コンパイラと同じものであると云うのがウリ。 兎に角、無料でVisual C++を使ってC/C++プログラムが書けるようになった。 なるにはなったが、教科書的なプログラムは書けても、 Windowsアプリケーションを作ることはできない。
 ただ以前のVisual C++ ver.6 とは下位互換性があるので、 ver.6を持っている人はそれなりに使う価値はある。 最新のコンパイラに換えて、これまでのライブラリがそのまま使える。 そういうわけでGLIBW32のページに解説を書こうと思っています。ほんの少しだけど。
 勿論、Platform SDK と云うのをインストールすればいいらしいのだが、これが500MBもある。 試しにダウンロード/インストールをやってみたが、一時間経っても埒が明かないので止めた。 そこまでしても余りメリットはないようである。 従って、部分的な解説になる予定。

Visual C++ Toolkit 2003
http://msdn.microsoft.com/visualc/vctoolkit2003/
'04年11月15日

音楽著作権と無料コンサート

 他人の曲をコンサートで演奏する場合、著作権使用料を支払う必要がある。 日本音楽著作権協会が徴収するその使用料は、入場料にホールの定員数をかけた金額の1.6%だそうだ。 入場者数に関係なく、入場料と定員数で決まるというわけである。 例えば、定員二千人のホールで入場料二千円のコンサートを開くと、六万四千円を支払う必要がある。 また著作権協会は、遺漏なく徴収に力を入れだしたと云う。 届け出なしでコンサートを開いた主催者のもとに、三、四週間後に突然、 請求書が届くと云うこともあるそうだ。 以上は今日の日経の記事「エコノ探偵団」による。
 記事では、更に最近各地で無料コンサートの開催が相次いでいることが、 上記の権利意識の高まりと関係していると云う。 著作権法には、使用料を支払わなくてよい特例があって、それは入場料が無料で、 出演者に報酬料を払わない、営利目的でない、の条件三つ。 通常、都市部の再開発ビルで開かれる無料コンサートでは、すべての条件を満たさないため、 主催者が著作権使用料を支払っていると云う。
 それに対して、地方では地元の演奏家がホールを使って無料コンサートをよく開くそうだ。 著作権使用料を払わなくて済むうえ、多くの自治体の文化施設(所謂ハコモノですね)では、 入場料無料の場合ホールの使用料を減免するからだと云う。 地元演奏家の活躍の場を拡げる狙いがあるらしい。
 また著作権法の特例にしても、無料コンサートで著作権者の音楽が演奏されることによって、 その音楽を広く伝えることになるので、著作権者に直接の利益はなくても、 社会の利益になっていると云う。
'04年11月14日

新千円札

 銀行でお金を引き出したら、千円札十枚のうち八枚は新札で出てきた。 漸く、野口英世博士ご対面と相成った。 先ほど調べたら、夏目漱石が千円札の顔として登場したのは丁度二十年前だそうだ。 それから二年ほどで、旧札を駆逐したと云う。 すると二年後には漱石先生は姿を消すのかなと感慨深い。
 新札を駅の券売機に入れると、千円と表示された。 なるほど、既に使えるようになっている。 面白くなって、冷やかしに目に付いた幾つかの自動販売機に新千円札を入れてみた。 たいていの販売機は新札に対応しているらしい。
 新千円札の表の「日本銀行券 千円 日本銀行」という文字の下にある部分は、 違う角度から見ると「千円」の文字や「1000」の数字が浮かび上がる。 これが偽造防止の新技術だそうだ。 裏面にも同じ様な仕掛けが施されていて、お札を傾けると右上に「NIPPON」の文字が浮かび上がる。 他にも、表の印章に紫外線をあてるとオレンジ色に光り地紋の一部も発光するらしいが、 生憎(あいにく)紫外線は手元に無いのでこれはまだ確かめていない。
'04年11月12日

ASAHIネット、ホームページ

 ASAHIネットの年来の会員であるが、そのホームページを見ることは余りない。 いや、正しくは度々開いているのだが、用事のあるページへさっさと入ってしまうので、 いつも素通りしているだけである。
 そのホームページを素通りせずに見てみたら、「迷惑メール」対策を強化すると宣言している。 メールサーバが同一の送信者から大量のメールを受信したときに、その送信者からのメールの受信を拒否する。 また会員が迷惑メールを発信した場合、サービス利用停止、 強制退会等の処置を講じると云う。 迷惑メールには、 受信者に無断で宣伝や勧誘を行なうメール、ネズミ講の勧誘メール、デマメール、根拠のない金銭要求のあるメール、第三者や架空のアドレスを装うメールなども含まれる由。 12月からは不正なドメインを利用したメールアドレスの受信拒否を実施するそうだ。 先日は、会員の意思でスパムを遮断出来るようになったし、 結構なことである。 遠慮なくやって貰いたい。
 ASAHIネットのへちま会長さんのコラム欄を知ったのは最近のことである。 へちまの会長さんのコラムを読んでいたら、どうやらASAHIネットもブログを始めるようだ。 何でも、社長さんが自分で開発していると云うことらしく、 社長さんは情報関連の技術者だと聞いていたが、前にも書いたが面白い会社だね。

ASAHIネット・ホームページ
http://www.asahi-net.or.jp/index.htm
'04年11月11日

埋め草

 ▼ 昨日の「雑記帖」や、今書いているのも雑記と云うよりは埋め草と云う方がふさわしい。 余白を埋めると云うほどの作文である。 タイトル「雑記帖」は、もっと別のテーマのときに使うことにしよう。 それにしても、シリーズ「御馳走帖」は長らく書いていないなぁ。

 ▼ 「もじら組」のページになかなかアクセスできないと思ったら、 Mozilla Firefox 1.0 が今日リリースされた為らしい。 先ほどまで「ITmedia エンタープライズ」の記事を見ていたが、 「みんな、Firefoxを褒め過ぎだ」と云うコラムは面白かった。

http://www.itmedia.co.jp/enterprise/articles/0411/09/news088.html
'04年11月09日

雑記帖

 ▼ 先週末、この欄の文字コードを全部ユニコードに変更した。 単純作業でやっていたら、何をどう扱ったのか知らないが1つのファイルが、シフトJIS と UTF-8 が混在した状態。 文字化けだらけになって、ファイルを捨てるハメになる。 結局、サーバーから以前のファイルを転送して復旧。 HTMLからXHTMLへ移行しようと目論んでるのだが、ちょっと億劫である。 まあ、ゆっくりやろう。

 ▼ 今日ネットに繋いだ途端に、ディスプレイの下の方で立て看板みたいなものが現れて、 「ネットワーク・ウィルスの進入を遮断しました」 と云っている。 時々こういうことがある。

 ▼ 昨日は、久し振りに馴染みの蕎麦屋で昼食。 まだ寒くはないので、かけより盛りがいいと云うので、天ザルを頼んだ。 やっぱり山葵(ワサビ)は旨いし、天つゆに落とした大根おろしが旨いんだなあこれが。 最後に蕎麦湯を飲んで、おなかが一寸(ちょっと)温まる。
 北大路魯山人や吉田健一など、食べものに関する随筆集(アンソロジー)の文庫が最近刊行されていて、 それがけっこう面白いと教わった。
'04年11月08日

かっこわるい

 ベートーベンのシンフォニーの何番だったか忘れたが、 彼自ら初演で指揮を行ない、何かの弾みで転んでしまい楽譜はひっくり返って、 演奏は台無しになったと云う挿話が残っている。 谷川俊太郎さんが若いころの詩に「ベートーベン」(角川文庫『空の青さをみつめていると』所収)と云うのがある。 一寸引いてみると、

   ちびだつた
   金はなかつた
   かつこわるかつた
   つんぼになつた
   女にふられた
   かつこわるかつた
   遺書を書いた
   死ななかつた
   かつこわるかつた
   さんざんだつた
   ひどいもんだつた
   なんともかつこわるい運命だつた

   かつこよすぎるカラヤン


と云うふうに、音楽は立派だけれど、ベートーベン自身は何ともかっこわるく、 特に動作の不器用な人だった。 そして昨日書いた世界的に知られた天才箏曲(そうきょく)家、検校宮城道雄も同じように不器用なところがあった。 そのことは、内田百閒が何度も書いているが、ここでは別の証言を引いてみよう。
 高峰秀子さんが子役時代、百閒原作の東宝映画「頬白先生」に百閒の娘役で出演した際に、 琴を演奏するシーンがあって、いきなり宮城検校の家に連れて行かれて「六段」を習うハメになる。 『おいしい人間』(文春文庫)から、その時の思い出を綴った箇所を引く。 「シンと静まりかえった宮城家の、庭に面した奥座敷で、私が琴を前にして待っていると、 やがて宮城先生がお弟子さんに手引きをされてソロリと現れ、『はい、いらっしゃい。お待たせしました』 と言われるのだが、なにかの都合で、せっかちな宮城先生がお一人で二階から降りて来られるときもある。 必ず、といってもいいほど階段を踏みはずして、ドドドと階下まで転がり落ち、廊下の柱におでこをゴン!  とぶつけては『あいたッたッ!』と飛び上がる。 そんなに広くもないお家なのに、毎日歩き馴れた家なのに、『まあ、なんて不器用な先生なのだろう』と、 私はそのたびにビックリするよりも呆然として宮城先生を瞠(みつ)めたものだった」。 このふたりの楽聖(この言葉は普通ベートーベンに称せられるけど)にして、 こういうかっこわるいところがある。
 百閒と宮城検校は、はじめ百閒が弟子として宮城検校に入門したが、次第にこの師弟関係はうやむやになり、 やがてふたりはよき友人となって生涯の交友をもつことになった。 また、宮城道雄は随筆家としても名を残している。 随筆集は十冊出たようだが、一部は岩波文庫のアンソロジー『春の海』で読むことが出来る。 その随筆は親友百閒の手ほどきを受けている。 原稿はすべて百閒が整理・編集して体裁を整えたと云う。 「私と内田百閒氏とは、お互に弟子と師匠に代り代りになるような間柄である。」と、宮城道雄は書いている。
'04年11月06日

検校(けんぎょう)

 今年で没後百年になる小泉八雲の怪談「耳無芳一の話」の、芳一は盲目の琵琶法師だが、 邦楽の歴史には盲人が深く関わっている一面がある。 昔から、盲人を保護し統括する組織あるいは団体があって、 琵琶に琴や三味線を弾き藝を高めて来たと云う。 特に、室町幕府が琵琶法師を庇護するようになってからは、 盲人は大きな保護を受けるかわりにある種の身分制度の中に身を置くこととなった。 これは一種の官職で、座頭・勾当(こうとう)・別当・検校(けんぎょう)と上がっていき、 この四官もそれぞれ細かく階級が組み分けられていた。 そして、この組織は江戸時代になって全盛期を迎える。
 検校のなかの最高位を「総検校」と云って、これは盲人すべてを統括する親玉である。 その権勢と経済力は、一寸した大名クラスだったそうだ。 また、「座頭市」とは、市(いち)と云う名前の座頭という意味である。 座頭市の生業(なりわい)は按摩(あんま)だが、他にも鍼灸(はりきゅう)師などがいた。 徳川幕府は、盲人だけに金貸し業を許可して、大いに庇護していたから、 勝海舟のおじいさんは、金貸し業で稼いだお金で御家人株を買って、 息子の小吉(海舟の父)を武士にした。
 内田百閒(ひゃっけん)の随筆には、宮城検校と云う琴の師匠がたびたび現れる。 現代邦楽の父と冠せられた、宮城道雄のことである。 正月になるとテレビ等から流れる誰もが知る調べの、箏(琴)と尺八の二重奏「春の海」は、 宮城検校の作である。 内田百閒は、宮城検校を次のように讃えている。 「我々は宮城氏の語れる雨垂れの音、風の音、浪の轟き等によって、 目明きの知らなかった自然の神秘と啓示に導かれるであろう」。
'04年11月05日

雑記帖・テレビ

▼ 午後七時台にNHK教育で『未来少年コナン』を放送していた。 再放送を始めたらしく今日が第一回目。 思えばこの純粋無垢の少年の物語は、宮崎駿アニメの原点のようなもので、 その後の宮崎作品に現れるテーマや人物と重なるものが『コナン』の中に幾つもある。
 『もののけ姫』の頃だったろうか、宮崎監督がテレビで 作品のモチーフ(のひとつ)になっている本が、 中尾佐助の『栽培植物と農耕の起源』(岩波新書)と云っていたので驚いた記憶がある。

▼ 傷害の疑いで書類送検された紳助のことを、民放は「島田紳助司会者」と云うし、 NHKは「島田紳助所属タレント」と云うのは耳障りである。 「容疑者」と云いたくないのだろうが、 なぜテレビ屋はこんな云い回しをするのか不思議。 以前も窮して「稲垣メンバー」と云ったことがあったけれど、あれと同じか。

▼ 玉木正之さんのWebサイトのことを、以前一寸書いた。 その「ナンヤラカンヤラ」にある仙台の新球団のコメントが、最近面白くなっている。 玉木さんは、紳助の事件については「紳助支持です」とだいぶ前に書いているが、 これだけじゃ何とも分らない。 業界の裏事情なのか。テレビと云うのは厭な業界だ。
'04年11月04日

ジュース

 ミキサーをいくつも並べて、野菜と果物のジュースを売るスタンドは、 以前は駅構内などの一角に出ていたが、今ではいろんな場所で見かけるようになった。 30品目入りジュースと云うのがある。緑色で何だか青汁みたいだが、 飲んでみるとあっさりしていて旨かった。
 何種類ものジュースがあり、季節ごとにメニューを替え、 それぞれに栄養素や効能が書き添えてある。 尤も、効能については突き詰めてみると、何とも怪しい。 第一、口から入った栄養素が、そのまま吸収されるという保証はない。 そのまま素通りして、やがて出ていくかもしれない。 化学反応なんだから、体が吸収するには触媒となる食物などの条件が関わってくるだろう。 鉄が不足すると貧血を起こすし、 亜鉛が足りなければ味覚障害を起こす。 だからと云って鉄や亜鉛を含む食品を食べたり飲んでも体が吸収するわけではない。
 健康ブームの尻を追っかけても、根拠は怪しい。 健康ドリンクを販売するような国は日本だけだそうで、 かつてバルセロナ・オリンピックでメーカ各社が会場で配ったら、大好評だったそうだ。 実はこれは商品ですと云った途端、誰も見向きもしなくなったと云う。 ジュースは美味しければいいという程度の付き合いでいい。
 冬になると、家でいつも作るジュースは、にんじんと林檎のジュース。 冬にんじんはジュースにすると美味しい。 味付けにレモンを少し搾ると更にいい。
'04年11月03日

スパムブロック

 数日前から、プロバイダが「スパムブロックサービス」を始めた。 スパム(迷惑メール)の受信を拒否できるサービスで、 予めフィルタをかけて、スパムと判断されたメールはメールボックスに届いて来ない。 早速「おまかせフィルタ」を設定すると、確かにブロックされている。 いい気味だ。
 スパム(Spam)とは実は商標名のことで、 アメリカの食品メーカが製造する豚肉のランチョンミートの缶詰である。 食べたことはないけれど、スーパーに置いてあるのをよく見かける。 語源は、spiced ham のことだと云う。
 なぜ、無差別に大量配信する営利目的の迷惑メールをスパム(spam)と呼ぶのかと云うと、 イギリスBBCのコメディ番組「モンティ・パイソン」に因るらしい。 Yahoo!の「IT用語」によると 「レストランに夫婦が入ってきてメニューを選んでいると、 近くに座っているバイキングの一団が『SPAM、SPAM、SPAM!』と大声で歌いだす。 次第に店員も『SPAM』を連呼しだし、 最初は嫌がっていた夫婦も最後には屈してSPAMを注文せざるを得なくなる、という筋書き。 ほしくもないのに大量に送りつけられてくる広告メールから、 このコントでしつこく連呼される『SPAM』を連想したのが由来と言われている」そうだ。 これも迷惑。
'04年11月01日

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