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- Last Modified '02/03/02 -

試作品 初代機

ついに姿を現わしたGBアドバンス。思えば89年に初代GBがリリースされた時に、ここまで息の長いハードになるとは誰も (私自身も) 思ってなかったのではないでしょうか?まぁ何はともあれ、このページでは21世紀の幕開けを飾った新ハードの魅力に迫ってみたいと思います (詳しいスペック等は公式ページをどうぞ)

GBCとの比較

とりあえず、これまでの主要携帯ハードと大きさを比べてみることにしましょう。まずは同社のGBC。縦型から横型ボディになったのが何よりも大きく、印象がガラッと変わってしまっていますが、実際には大きさ的にそれほど変わってはいないんですよね。厚さに関しては変な出っ張り (電池ボックス部分) が無いぶん逆にスマートです。
L/Rボタンが付いたことでSFCの純正コントローラと比べられることが多いですが、実際に手に取ったカンジは、昔ホリかアスキーから出てた純正コントローラよりも一回り大きい連射パッドに近いです (個人的にはシックリ手に馴染むカンジがします)


WSCとの比較

次はバンダイのWSC。一応、系譜的にはGBの生みの親・横井軍平さんの流れにあるんですが、個人的には初代WSの方が好きだったりします (こんなに汚い液晶じゃカラーにする意味無いし、モノクロに比べて稼働時間が短い (つっても微々たるもんですけど(笑)) というのは横井さんの思想に反する)。まぁ、そんなことはどうでも良くって (笑)。さすがに携帯ハード最小を謳うだけのことはあります。充電池を使えば、GBAより遥かにコンパクトです。ただ、やっぱりキモは液晶ですね。安かろう悪かろうじゃダメだと思うんですけど>バンダイ。あと、慣れの問題というのはありますが、やっぱり入力系もちょっとチャチです (連打系はキツイ)。
ちなみに、GBAの横型ボディを見て『WSの真似だ!』という人がいますが、それは間違い。任天堂は GAME&WATCH で既に横型ボディを採用してます。WSの方が真似・・・って、ソレ言い過ぎ (笑)


NGPCとの比較

最後にエロゲームで再起を図る (笑) SNKのNGP (ちなみに、リニューアルしてコンパクトになったバージョンのNGPCです)。ハードの性能としては文句無しにイチバンだったと思うんですけどねぇ。ソフトっていうよりもSNKの販売体制 (特に広報) が悪すぎましたね。つくづく可哀相なハードだと思います。大きさ的にはNGPCの方が若干小さいって気がするんですが、厚さを見るとGBAの方がかなり薄いですね。というか、NGPC分厚すぎ (笑)。NGPCも余計な出っ張りが無くてコンパクトなイメージがあるのですが (実際には裏側の真ん中の部分はへこんでますし)、ラウンドカットされているGBAに比べて、明らかにエッジの効いたボディのNGPCはちょっと野暮ったいカンジがします。ま、そのぶん頑丈になっている・・・かもしれませんけどね (笑)


微妙な透け具合が良いカンジのミルキ〜ブル〜

最初に発売されたのはヴァイオレットホワイトミルキーブルーの3色。これにポケモンセンター限定のスイクンブルーが加わる。いずれも、これまでのGBのように原色中心のラインナップではなく落ち着いた雰囲気のあるカラーリングにしたのはGBよりも高い年齢層をもターゲットに含めた戦略なのか、それとも必要な台数を揃えるのが難しいのであまり人気の無いカラーリングにして売り上げを控えようという戦略なのか (個人的に、後者に一票 (笑))。まぁ、そのうちカラーリングは増えてくると思うのでそれほど重大な問題ではありませんが、個人的には任天堂スペースワールドで出展されていた試作モデルのメタリックシルバーとか開発者が持ってる (と思われる・・・電撃NINTENDO64 のインタビューの写真にいくつか写っていた) 赤 (つーかピンクに近い&ボタン類が黒)が欲しいです。ラインナップの拡充お願いしますね>任天堂


乾電池の際にはカバーを使用 充電池アダプタを装着&取り出し

本体をひっくり返して裏側を見てみましょう。バッテリは単3×2本で、下の方にボックスがあります。本体の重量バランスを考えると妥当な所でしょう。今までのGBと違ってAC端子が無いので 充電池パックACアダプタパック もこのボックスの中に入れて使うようになっています。たしかに、ACアダプタ使ってる時は電池を入れるスペースが無駄だったし、本体からぶら下げるカタチになってしまう今までの充電池セットよりは遥かにスマートで使いやすいです。さらに、この充電池あるいはACアダプタパックの構造に合わせる為に内部のスプリング構造が工夫されていて電池のセット&取り出し自体が非常に楽になっています。写真では充電池がむき出しになっていますが、当然コレに電池カバー (ちなみに、このフタって妙にカタカタ動きません?私のだけかな?) が付きますのでカラーリングの統一性が失われることはありません。もっとも、私の買ったミルキーブルーでは中身が透けてしまうのでちょっとアレなんですが (笑)
ちなみに、稼働時間はアルカリ乾電池で約15時間専用バッテリーパックで約10時間 (充電2時間) とのこと。GBCより若干短くなっているけれども、TFTカラーの32ビット機でこれだけ動けばまずまずではないでしょうか?


コンセントプラグ部分の折り畳み可能 従来のACアダプタとは端子形状が異なる

ポケットカメラポケットプリンタなどの周辺機器は問題無く使用できるのですが、ことACアダプタに関しては前述の仕様変更の為に使用できなくなっています (ACアダプタの端子形状が完全に異なる)。個人的には、本体のスマート化およびコスト削減を図る為の措置だと思うので良いと思ってます。従来のACアダプタ (純正) はやたらと大きかったですしね。ここを見てもらえれば分かると思いますが、今回のアダプタは非常に小型化されています。しかも、コンセントプラグが折畳式なので持ち運びの際も非常に便利です。ただ惜しむらくはカラーリングがグレー1色であること。今回発売された本体のカラーリングとの統一性が全くありません。まぁ、アダプタまで3色用意する訳にはいかなかったと思いますが、もう少しマッチする色合いにしても良かったんじゃないかと思いますね。


GBのカートリッジを差しこむとこんなカンジ GBAのカートリッジを差しこむとこんなカンジ

上の方を見ると、カートリッジのスロットがあります。御存知の通り、従来のGBカートリッジに比べてかなりコンパクト。上端がGBAの本体に合わせてラウンド加工されてるのでGBAに挿し込んだ状態だと本体と一体化した様になって非常にスマートです (まぁ、WSのカートリッジも一体感はありましたけどね)。そうなってくると際立ってくるのが従来のGBを挿入した時の状態。本体からソフトが3cm近くはみ出してしまい正に GAME AXE 状態 (笑)。まぁ、あくまでGBAのソフトで遊ぶのが主目的で、過去のソフトが遊べるというのは資産の継承的な側面もあるので本道ではありませんが、商品の品質基準に厳しい任天堂にしては思いきった判断をしたように思います。少なくとも外で遊ぶ場合には気をつけないと壊してしまう可能性がありそうですね・・・つーか、間違いなく壊しますね (笑)
また、これは買ったばかりだと思いますが、どうもカートリッジの抜き差しに力が要るような気がします。引っ張るための取っ掛かりが付いているとはいえ、子供達に抜き差しできるかチョッと心配 (それ、言い過ぎ (笑))


GBAのカートリッジには切り欠きが付いている

カートリッジで変わったのは大きさだけではありません。GBAのカートリッジには端子側の方に切り欠きが付いています (GBのカートリッジには当然付いていません)。これにより、GBのカートリッジが挿入された時にはスロットの奥でスイッチが入り (切り欠きの無い部分がスイッチを押す)、GBのソフトを遊べるモードになります。GBAには2つのCPU (RISC-32bit と CISC-8bit) が搭載されており、RISC はGBAのソフト、CISC はGBのソフトを動かします。まぁ、RISC 上でGBモードをエミュレートするよりは遥かに確実な方法でしょうね (互換性を考えると)。
ちなみに、GBAのカートリッジの容量は現段階では 256Mbit が上限のようです (コストと容積の問題があるので実際にはそんなに大きく出来ないけど理論的には無限大)。従来のGBカートリッジで1Mが出た時に大騒ぎになってたことを考えるとホント隔世の感がありますね (なんつったってN64と同じ容量なのだから)。


箱の中身はこんな風

カートリッジがコンパクトになった割に外箱はFCのソフトのモノ並に大きくなってるのですが、それはカートリッジにケースが付いていない為、緩衝材として厚紙を入れている為です (環境問題に配慮)。無論、理由はそれだけではなく、箱を小さくすると万引きされやすくなるし (最初のGBソフトの箱の大きさがしばらくして大きくなったのはこの理由の為)、従来のGBCの箱の大きさのままだとGBCしか持っていない人がGBCのソフトと間違えてGBAのソフトを購入し、後で動かないと文句を言ってくるのが目に見えているからです (一般人にはGBAとGBCの明確な違いなんて分かってないのよ、マジで)。
で、ソフトの数が少ないうちはまだしも (1個だけならGBA本体に挿しっぱなしにすれば良いし (笑))、数が増えてくるといちいち箱から取り出し&片づけを繰り返すのは面倒です (出しっぱなしは紛失する恐れあり)。それでなくても、外に持って出掛ける時は、剥き出しだと落として壊したり、端子にホコリが付いたりする危険があるので非常に危険です。
そこで登場となるのがサードパーティから出てるカートリッジケースです。とりあえずいくつかの会社から出てますが、私が買ったモノを紹介します。


HORI 製のカートリッジケース HORI 製のカートリッジケース

まずは、周辺機器メーカーとしてお馴染みの HORI の製品。構造は、従来のGBのカートリッジケースと同じで完全にカートリッジを覆います。強度的にはもちろんのこと、密閉度が高いのでホコリなどの心配も少ないです。2個入りで180円 (単価90円) とリーズナブルなのも嬉しいところ。


GAME TECH 製のカートリッジケース GAME TECH 製のカートリッジケース

もうひとつは、素性の良く分からない GAME TECH の製品。構造は、MDのケースと同じくスライドさせて収納するというもの。端子側の密閉度は高いのでホコリの心配はありませんが、カートリッジの上端部分はムキ出しのままなのでキズが付いたり、破損したりする恐れはあります (HORI のに比べて)。お値段も3個入りで500円 (単価167円) と割高。1セットにバイオレット、ミルキーブルー、ホワイトの3色が1つずつ入ってるのはオシャレで良いかな?


左が HORI、右が GAME TECH

あと、構造的に GAME TECH 製の方が薄いのが特長。HORI のケース3個と GAME TECH のケース4個が大体同じくらいの高さになります。ソフトの数が増えてくると結構な差になってくると思います。もっとも、そんなにソフトを買う&全部ケースに入れて収納する人がどれだけいるかは疑問ですけどね (笑)


短い期間でも改良が重ねられている

次に入力デバイスを見ていきましょう。まずは何と言ってもL/Rボタン。ボタンが増えれば良いってモノではないですが、少ないよりは多い方が何かと便利だと思うので個人的にはOK。欲を言えばSFCのようにX/Yボタンも付けて欲しかったところですが、GBでそこまで複雑な操作を要求するゲームを作る必要があるか?という疑問もありますし、無きゃ無いで何とかするのがゲームデザイナーの腕の見せ所でしょう!?
実際に使ってみたカンジでは位置的にもレスポンス的にも非常に良いです。ホールディングした時に本体横にあるグリップも手伝って自然に指がL/Rボタンに伸びるカンジです。もっとも、手の大きさは人によるので馴染まないっていう人も当然いると思いますけどね。
ただ、そういう意見を考慮してか任天堂スペースワールドで出展されていたモノと製品版ではボタンの形状が異なっています (写真上がNSWの時のモノ、下が製品版)。製品版の方にはベロが付いていて押さえられる範囲が広くなっています。ユーザーの声を積極的に取り入れて改良を続ける任天堂の姿勢には頭が下がります。


本体の左右に分かれたボタン類

あと、スタートボタンとセレクトボタンがパッと見、微妙な位置にあります。一見するとジャマそうなんですが、実際に手に持ってみると全く気になりません。というか、当たりません。ボタン自体が小さいということもありますが、横長の本体では手は外側に向かうので大丈夫なんですね。ナカナカ上手い構成です。ただ、気になるのは従来のソフトでは、ポーズ以外にもメニューを開いたり画面を切り替えたりする時にスタートやセレクトを押すモノがありました。ビートマニアGBなんかもそうです。私は、そういうゲームの場合、右手でボタンを押していたのですが、皆さんはどうでしょうか?GBAでは位置的に言ってこれらの操作を左手でやることになると思うのですが、かなり違和感がありそう (というか、いちいち十字キーから手を話すのは面倒そう) ですね。キーコンフィグでL/Rボタンにスタートやセレクトボタンを設定することが出来れば便利なんですけど・・・さすがにそこまでは無理でしょうか?
あと、本体が横長になったことで十字キーとA/Bボタンが離れてしまい、片手で操作できてたRPGなんかの操作がやりにくくなったなぁ・・・と思うのは私だけですか?!


ストラップを付けるとこんな感じになります

手に持った時のホールド感は良いのですが、ストラップ取り付け用穴が本体左側の下の方に移動したのはちょっと微妙なカンジ。ネックストラップでぶら下げた時のバランスの良さを考えてこの位置にしたんだと思うんですが、手に持った時にストラップがジャマになるカンジがします。まぁ、コギャルのケータイじゃあるまいし、そんなにジャラジャラと付けなければ良いだけのハナシなんですけれどもね (苦笑)。てゆ〜かぁ、携帯ゲーム機にストラップ付けてる人っているのかな (ぉぃ)。まぁ、良く考えたらL/Rボタンの関係もあるし、ココ以外にストラップ用の穴が付けられなかったっていうのが真相かもしれませんね。


微妙な位置にあるスピーカー ヘッドフォン端子とボリュームのアップ

端子類について見てみましょう。まずはサウンド関係。スピーカーは相変わらずA/Bボタンの下なので右手で覆ってしまう可能性大です。WSの圧電ブザーと違い、モノラルとはいえそれなりに使い出があるのでちょっと問題かな?ヘッドフォン端子は従来のGBと同じく本体下部に、そのすぐ横にボリュームが付いています。プレイ中に干渉しないという点では妥当な位置でしょう。
サウンド自体、従来のGBに比べて大幅に向上している (PSG音源+PCM音源) のでヘッドフォンを使うのが吉でしょう。もっとも、大幅に向上しているといっても CD-ROM から再生される生音には敵いませんので過剰な期待はしないこと (笑)
ただ、某カ○コンの人が『WSCの方が音が良い』と豪語してましたが (つーか、どういう訳かWSCびいきだったな、コイツ)、それほど違いは無いです。というか、必要十分なほどのレベルの音ですのでご心配なく (悪魔城ドラキュラなんか、オープニングで唄が流れちゃったりしてます。スゴ過ぎ)


こんな具合に接続します 通信ケーブルはこんなカンジで

GBAでは通信ケーブル (つーか、通信機能) もパワーアップ。カスケード接続により、3本のケーブルと1本のソフトがあれば4人対戦が可能になるのです (ただし、ソフトがこの通信方式に対応している必要有=裏を返せば対応してなければソフトは4つ必要)。従来のGBでもマルチタップアダプタを使えば4台までの接続は可能だったので、技術的には特に驚くべきことではありませんが、その煩雑さゆえに4人用のゲームがほとんどリリースされなかったGBに比べGBAでは各社とも最初から4台接続を前提にしたソフト作りをしているようです。ただ、この場合は転送するデータの関係から色々と制限があるそうなので (たとえば、マリオカートアドバンスのようなレースゲームでは遊べるコースが1種類だけだったりとか、データの転送に時間がかかるとか)、主流になるかどうかは未定。ただ、従来のGBに比べて格段に複数対戦の敷居が低くなるのは確かだと思います。
通信ケーブルの端子は本体上部のココにあります。4台接続を考えると横に付いていた場合は取り回しが面倒だし、何より本体持った時に手に当たりますからね。ま、妥当な位置だと思います。ただ、周辺機器を取り付けるヒンジがすぐ側にあるので、周辺機器と接続ケーブルが干渉しないか心配ではあります。あと、相変わらず端子にフタが付いてないのもホコリとかの心配が。もっとも、ユーザーの年齢層の低いGBではフタをなくしたとか、誤って飲んじゃったという心配の方が大きいんでしょうけどね。


こんな光景はもう見られない?

今回、もう1点変わったのは赤外線ポートが消えたこと。つーか、GBCだけなんですけどね、本体に赤外線ポートを内蔵してるのは。本体のコストを下げる為に付けなかったというのもあるだろうし、今後 Bluetooth みたいな規格が広まってきたら必要無くなるし、いざとなったらカートリッジに内蔵 (GB KISS by HUDSON) してしまえば良いというカンジなんでしょうね。ただ、土壇場になって赤外線ポートをメインに使う『ちっちゃいエイリアン』、GBCに付いている赤外線ポートを使ってレアなカードを探す『ポケモンカードGB2』というソフトが出てきたので、もしかしたらこのゲームをやる為にGBCを買わせようって魂胆なのかも (ナイナイ (笑))?もっと赤外線をメインに使うゲームがあれば別だったんでしょうけど、現状では周辺機器で出たとしても買う気は起きない、というのが正直なトコロですね。


おなじみマリオの画面

さて、WSCの発売以来やたらとユーザーが過剰反応するようになっている液晶画面に関してですが、スペック (240×160 dots TFT color, 32000色同時発色) が示すように、現行の携帯ハードでは群を抜いています (さすが液晶のシャープ!)。GBに比べ横に80ドット、縦に16ドット増え、56色表示が32000色表示になったのだからキメが細かく綺麗なのは当然なのですが (TFT液晶ですので残像も気になりませんし、スクロールも非常に滑らかに流れます)、実際に画面を見るとスペック表で見る以上の驚きがあります。この色数は現在のノートPCとほぼ同じスペックと言っても過言ではなく、実際私が持っているパナソニックのノートPC用TVチューナーカードでは、32000色で320×200ドットであることから考えてもGBAの表示能力は非常に高いということが出来ます。


メーカーの保証が受けられなくなります

ただ、ノートPCと違ってバックライトが装備されてる訳ではないですから、暗い所では見えません。液晶自体の輝度という点ではGBCの液晶とそれほど変わらないらしいですが、色の深みが高まったことで今まで以上にクッキリとした発色になっていてキレイなのが印象的です。色の深みが強まったことで暗いと感じる人はいるかもしれませんけど、汚いと感じる人はいないと思います。何かと引き合いに出されてるWSCの液晶はコントラストの調整で色を薄くすれば画面全体が明るくなるので、それに慣れてるとGBAの液晶が暗いって感じるかもしれませんが、発色の鮮やかさや画面の追従性等も含めてGBAのTFT液晶の方が上なのは間違い無いです (というか、バンダイの関係者自身が『WSCの液晶の質が悪いのは認めるがコスト的に仕方なかった』って言ってるくらいですから)。ま、よほど酷い環境下で遊ばない限り、液晶に文句を付ける人はいないと思います。もちろん、ソフトによっては色使いが暗いモノもあると思うので (ホラーゲームが明るい原色使ってたら怖くも何とも無い (笑))、そういうのはたしかに暗いと思いますが、それはゲームを作る方の問題ではないかと。一応、本体の裏の基板の上にコントラストを調整するボリュームが付いています。写真のように穴を空けるか、本体を開けるかしてボリュームを動かすことによって液晶の濃さを変えることが出来ます。ただし、これは液晶制御関係の電圧をコントロールするネジであり、動かすとバッテリーの稼働時間に大きく影響します。ボリュームを回したところで、液晶が濃くなるか薄くなるかが変わるだけで明るくなる訳ではないのであまりオススメは出来ません (メーカーの保証対象外になりますし)。まぁ、部屋でACアダプタしか使わないというのであれば別ですけれども。


オープニングはこんなカンジ

ちなみに、これは電源を入れた直後の画面。特に ADVANCE のロゴは出てきません。画面手前 (というか下方) から GAMEBOY の文字が1文字ずつ現れて、横1列に並んだ後1回揺れます。そして nintendo のロゴが出てきてオシマイです。音を再現するのは難しいですが『タララ〜ン・・・ピキ〜ン』ってカンジでしょうか (苦笑)。すいません、音楽的センス0なんで、上手く表現できません。是非、御自分の耳で確かめてください。


GBAで見たポケモン GBCで見たポケモン

GBAは従来のGBのソフトが動かせることも特長のひとつ (全部のソフトが動く訳ではないですが)。完全に互換性を持たせたハードってPS2以外に無かったですからね。まぁ、実際にはよほどのことが無い限りGBAでGBのゲームを遊ぶことは無いと思うのですが (少なくとも私はGBCとGBAを使い分けている)、GBAでGBのゲームをプレイする場合、同じサイズ (160×144 dots) で周りに黒いフレームが付いて表示されます (デフォルト)。で、同じ光量の下で撮影したGBCとGBAの画面の比較です (左がGBC、右がGBAの画像。GBAの画面は周りの黒いフレームの部分を削って表示しています)。キメの細かさや色の深みが違うのが分かると思いますが、いかがですか?


デフォルト<>ワイド

ちなみに、GB用のソフトを挿しこんで電源を入れるた後、LRボタンで、GBAの画面 (240×166 dots) に引き伸ばされて表示されます (Rボタンを押すとデフォルトのサイズに戻る)。写真のようなカンジになるのですが、ワイド画面ってどうよ (笑)?


電源スイッチは本体左下にある こんな感じになるらしい

そういや、些細なことですけど、バッテリの残量によってパワーインジケータの色が変わるらしいです (緑から赤へ)。私ってば色盲だったりするんで、あんまり恩恵に預かれないっていうか、意味無い仕様だったりするんですが (苦笑)。
そうそう、電源スイッチはココに付いています。スライド式なので誤ってパワーオフしてしまうことは少ないでしょう。しかし、GBPの頃からなんですけど、スイッチが誤脱防止用のツメを兼用しなくなってから電源オンのままカートリッジを取り出せる様になっているのがちょっとコワイですね。いや、我々は大丈夫ですけど、小さな子供は何をするか分かりませんから・・・。


GCとGBAの夢の架け橋

さて、ここからはちょっと話題を変えて、これから発売が予定されている周辺機器のうち、任天堂スペースワールド 2001 で実際に体験してきたモノをご紹介 (カードeは別項参照)。ニンテンドー・ゲームキューブ〜GBAケーブル (2001/12 発売予定、1400 円)。ご覧の通り、GCとGBAを接続するケーブルです。N64の頃にもGBCと接続するケーブルが出ると言われていたのですが、結局64DDがポシャっちゃったのでオクラ入り。その思想がGCとGBAに受け継がれたというカンジです。GBAをコントローラ代わりにと言われて、パーソナルコントローラ (それぞれのプレイヤーが専用の液晶画面を使うということ) 的な使い方しか思いつかなかったんですが、ころころカービィを持ち出して機能拡張可能なコントローラとしての使い方を提示してくるとは思いませんでした。たしかに、動きセンサを使ったGBC版ころころカービィは新しいアクションとして非常に楽しめましたが、画面も一緒に動いてしまう為に、どうしてもプレイスタイルが限定されてしまう欠点がありました。しかしながら、GCではテレビとコントローラが切り離されているのでその心配はありません。また、GBA用のカートリッジを取り替える方式なのでコントローラーを作り直すのに比べて遥かにコストが抑えられるし、ゲームごとにコントローラごと取り替えなくてもすみます (GBAの初期投資額が高いという話はあるけれども)。まぁ、どういった機能が今後出てくるか分かりませんが、個人的にはポケットカメラを使ったゲームが出てくると面白いんじゃないかと思います (撮影したデータをGC側で分析して能力値などを算出、それを自分のキャラクタとして戦うRPG等)


もちろん、データの連動も可能

コントローラとしての連動はもちろんのことですが、データの受け渡しとしての連動も当然考えられています。今回出展されていたどうぶつの森+では、GCで遊んでいるデータをGBAに転送し、それを他のGCに接続して遊ぶことが可能。もちろん、単にデータの転送というだけならばGCメモリカードでも良いのですが、GBAと連動によって新たな要素が加わり、またGBAはGBAで別の世界があったりするのでどちらか一方だけがメインというのではなく、両方を同じような比率で楽しめるようになっています (GBAの内部にはGCとの連動用に使われるメモリが内蔵されており、このメモリにミニゲームをダウンロードすることでGCに接続していなくてもゲームが可能、しかも上書きなどで消さない限りダウンロードした内容が消えることは無い・・・凄ぇ!)。
ただ、ひとつ問題なのは、ボタンの数が絶対的にGCと比べて少ないことと、アナログ入力が無いこと。最初からGBAをコントローラとして使うことを前提にしてゲームを作るのか、あるいは補助的な楽しみ方を提供するかによって、ゲームの操作性がまったく変わってしまう可能性があるというのが心配ですね。
個人的に、接続ケーブルがこんなに早く出てくるとは思いませんでした (まぁ、どうぶつの森+が発売延期になれば連鎖的に発売延期になると思いますが (笑))。コンセプトとしては非常に面白いですし、これは早々にGCを買うことになるかもしれませんなぁ (笑)


本体・ソフト共に価格が若干高目なのを除けば非常に良く出来たハードだと思います。ズバ抜けて凄いっていう意味ではなく、オールラウンドに使えるってカンジがね。あと、個人的にはこのこじんまりとした箱庭的な感覚がやっぱ好き。ただ、問題はソフト。実際問題、数はたくさん出てるけど『GBAならでは! (というか携帯機ならでは)』っていうのが無い。そこそこ売れるソフトはたくさんあるけど、キラータイトルと呼べそうなモノが無い。もっと問題なのは安易に過去の (特にSFC時代の) リメイクばかりが出てきて新しいソフトが出ない恐れがあること (個人的に、続編とリメイクは違うモノだと思う)。これじゃ、何の為のアドバンスか分からないです (前進するどころか、ただの先祖返りじゃん)。

逆に、2D最高性能ハードというのに振り回されてグラフィックにしろサウンドにしろ高い水準のものじゃなければダメっていう風潮も良くない。もちろん、しょぼいグラフィックよりは綺麗なグラフィックの方が良いけど、結局それってSFC以降の次世代機がやったことと同じなんじゃないかなぁ?と。GBやモノクロのWSが売れたのってそういうところじゃないでしょ?と。あくまで携帯機が良くなっただけで、据え置き型に取って代わる訳じゃないんだよ、と。なんか上手く言えないけど、あんま過度の期待は寄せないようにしないとね。

『他に何も無いから期待されてるだけじゃないのか?』(山内談)・・・社長、アンタやっぱ良く分かってるよ (笑)

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