ポケットの中の新世紀
起動画面

- Last Modified '01/05/12 -

アーケードの世界では、ハードな格闘&アクションゲームメーカーとして名が通っている (今となっては、通っていたという過去形・・・) SNK が、何を思ったか突然携帯マシン市場に乗り込んで来たのが2年前。初代モノクロ版の発売直前にカラー機を作成済みで近くリリースの予定という訳の分からない発表をしたおかげでその後の売上はイマイチどころの話しじゃなかったのは有名な話。つーか、当時の責任者は何を思ってあのような発言をしたのだろうか・・・?

その後、予告通りにカラー版をリリース。とりあえず、軌道に乗せ始めた頃に廉価&コンパクトなバージョンアップ版を発売。早くハードを買えば買うほど損をするというイヤなイメージをまたも植え付けることになったのも周知の事実。

まぁ、そういうことがあったからという訳ではありませんが、購入を控えていました。そろそろ新しい展開があるのかな?と思いつつも、このまま放っておくのも忍びないということで思い切ってゲットしました。

長い付き合いになるかどうかは今後のソフト次第ですが、とりあえずファーストインプレッションをつらつらと書いていこうと思います。

私の買ったパールブルー

先ほども書きましたが、今回購入したのはリニューアルの廉価版カラーです。まぁ、現在流通してるのがコレだから断り書きも要らないでしょう。つーか、一般ユーザーには何がどうリニューアルしたのか分からないくらいの変更です (^_^;)
GBなんかだと、ノーマルラインナップは基本色だけで、限定版がたくさん出てくるといったパターンなのですが、NGPの場合ノーマルのカラーリングが多いのが特徴。限定版が出る可能性が少ないからなんでしょうけど (出しても阪神タイガースバージョンっていうマニア向けのモノだし (^_^;))、まぁ最初から選択肢が多いのはユーザーにとっては悪いことではないですね (企業にとっては色によって販売台数が違ってくるので供給のバランス取るのが難しいんだけど)。そんな中で私がゲットしたのは、パールブルーバージョン。お店にあった4色の中では一番色合いが落ち着いていて気に入りました。


ほとんど変わらない感じ

ちょっとGBCと並べてみましょう。大きさ的にはGBCより若干小さいくらいで、ほとんど同じ大きさだということが分かります。最初見た時は結構小さいと感じたんですけどね。感覚というのはあまりあてにならないということでしょうか。


全体的に厚みがある感じ

厚みに関しては、GBCのような変型版ではなく、左右均等に厚みがあるという感じです。NGPCは横長なのですが、この左右の厚みがちょうどグリップの部分にあたり非常に持ちやすいというか手になじむ感じがします。ここら辺の処理は同じ横長のWSよりも上手いですね。


そつなくまとまってる感じ

本体を裏返すと写真のようになっています。手前に付いてるのは左から外部電源端子、ヘッドフォン端子、ボリュームダイアルです。左側には動作バッテリ (単3×2本で、アルカリ使用時には連続40時間動作可)、右側にはシステムのバックアップ用の電池 (ボタン型電池×1で焼く1年間動作可) を入れるようになっています。動作電源はGBCと同じなので重量はほとんど変わりません。電池を入れる部分が片側に偏っているのでバランスが心配でしたが、それほど違和感を感じることはありません。


画面が大きいのも考えもの

NGPCも液晶のコントラストの調整ダイアルは付いていません。GBCと同じ反射型カラーTFT液晶を使っているので必要無いというのが公のコメントです。ただ、同じ液晶と言っても明るさと同時発色数が異なります。どっちが良いかというのは一概に言えませんが、NGPCの方が明るく見える分かなりギラついた発色になっているように思います。
また、GBCに比べ縦方向に8ライン多くドット数があるのも特長。たった8ラインと思われるかもしれませんが、キャラクタ1個分増えるのはこの大きさの画面ではかなり効果的です。ただ、右の写真を見てもらうと分かる通り横方向は160ドットで同じはずなのにGBCの画面よりも液晶の面積が大きい (青い部分がGBCの表示面積) のが問題。これは、1個あたりのドットが大きいかピッチ数が大きい、すなわち画面が粗いということで、非常に稚拙な感じになってしまうのは言うまでもありません。GBCと同じ面積でこのドット数にするか、同じピッチ数にしてドット数を増やすかすれば、もっとシャープな感じになったと思うのですが・・・


上側もスッキリ

ROMカートリッジは上から挿しこむようになっています。写真で右下に見えるのは外部接続端子で、通信ケーブルや無線通信ユニットなどの周辺機器を繋げる時に使用します。他のハンディマシンもそうなのですが、この端子もフタが付いていません。まぁ、実害があった訳ではないのですがやっぱりちょっと不安ですね。左の方にストラップを取りつける穴があることからも分かるように外で使うことを前提にしたマシンである以上それなりの対策がした方が良いと思いますね (これはハンディマシン全てに言えることですが)


ROMは小さめ

ROMの大きさはGBのソレに比べて7〜8割ぐらいの大きさで、劇的に小さいという訳ではありませんが非常にコンパクトな印象を受けます。もっとも、GBのROMにしても昔の資産を引き継がなければならないのであの大きさになっているだけで実際にはもっと小さくなるでしょうから (実際、中の回路はスカスカだし)、後発のマシンならコレくらいのこと出来て当然と言えるでしょう。それよりも、ROMの大きさの割にパッケージの箱が大きいのには辟易。狭い部屋なので置き場所に困ります (苦笑)。PSやDCのCDソフトケースサイズという訳でもないし非常にハンパな大きさという感じがしますね。


コレがウワサのグリグリレバー!!

さて、NGPCの最もNGPCたる所は何と言ってもこのグリグリレバーでしょう。N64のコントローラーの真ん中にアナログスティックが付いてますが、形状的にはソレと同じです (無論アナログ入力ではありませんが)。長いこと使っていても、力を入れて操作しても十字キーのように指が痛くなることが少ないのが良いですね。また、アクションゲームなどではジョイスティックとほぼ同等の入力性を得られるのが強みです。
その反面、直進性が無いというか真っ直ぐ下に動かしてるつもりが左右にぶれてしまうということが多々あります。本体と同時購入した『おえかきパズル』では特にそれが顕著で、予期せぬ動きをする度にやり直し・・・の連続で嫌気がさしました。もう少しレバーの動きが硬くても良かったような気がしますね。


違和感アリアリのボタン配列

実際に使ってみるまで気が付かなかったんですが、A/Bボタンの配置がGBCとは逆になっています。最初のシステムの設定で決定ボタンを押してるつもりが全然反応が無くて、良く見たらAとBが反対になっていたという。任天堂系のハードは当然として、WSもPSの決定ボタン(○)も、アタリのLYNXでさえもGBCと同じ配列です。長らくこの配列に慣れていた身としては何故こんな配置にしたのかと不思議で仕方が無いのですが、同じようなボタン配置のハードが1台。そう、GAME GEAR (SEGA) です。ボタン配置どころか、横長の本体、コントローラー、電源、スピーカー、スタートボタンの配置まで同じという。SNKはDCとの接続をウリにしていましたが、そういった背景もハード作成時に盛り込まれていったのでしょうね。ただ、個人的にはこういう部分は車で言えばアクセルとブレーキの位置が反対になっているというのと同じことだと思うのでどっちかに統一して欲しいですね。


システムメニュー

さて、ハードウェアはこのくらいにしてソフトの面からNGPCを見ていきましょう。NGPCは game.com 同様、本体内にいくつかのソフトを内蔵しています。ROMを挿し込まないで電源を入れると写真のようなメニュー画面が表示されます。


カレンダーを付ける意味は?

まず、カレンダーですがその名の通り、カレンダーです (爆)。何の機能も無く単に当月を表示するだけの代物です。


海外でも安心して使える!?

せかいどけいは、12の地域が選べる世界時計でサマータイムの設定まで出来るのがスゴイですね。初回起動時にシステムメッセージを英語にするか日本語にするかを選べるのですが、NGPCは海外で使用することも考えたハードなのかもしれませんね。ただ、海外での評判は全くといって良いほど聞こえてきませんが (苦笑)


今日の運勢は・・・あまり良くない・・・

ほしうらないは、生年月日を入力することでその日の運勢を占うというモノ。1度入力したデータはそのまま保持されるので毎日占いを見るっていう人には良いかも。ただ、NGPCのユーザー層が見えないというか少なくとも星占いして喜ぶような人が買うとは思えないんですけどね (星占い機能があるから買うっていう女の子も滅多に居ないだろうし)


目覚まし代わりに使う!?

時計機能に連動したアラームを設定することも出来るのですが、電源が入っている状態ではアラームが作動しないというのが何ともマヌケな仕様。設定した後に電源をOFFにしておかなければ鳴らないなんて目覚し時計じゃあるまいし。ハンディ機でアラームと言えば電車の乗り過ごし防止用にタイマーとして使うとかいう方がよっぽど使いでがあると思います。あのG&Wでさえゲーム中にアラームが作動したっていうのに時代に逆行したモノ作ってどうするんだか (^_^;)


うーん、やっぱり何ていうかハードとしての作りは非常に良く出来てると思うんだけど、随所に甘さというか無駄 (特にシステム内蔵ソフトなんて不要) が多い気が・・・。ハードを活かした格闘系やアクション系のゲームも出てきているみたいですが、どうもマニア色が強いというか、ライトユーザー向けのゲームが少ないのがちょっと心配。ともあれ、今後の展開に期待したいところではありますね (ハンディ機市場のより一層の活性化のためにも)

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