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火ダルマGの老婆心ニュース 其の13(10/SEP/96)


                         
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                           最初にお断りしておきますが、これから語ることが起きた世界、およびその住人たちにはなんの興味もありません。ただ起きた現象を見て老婆心がうずいたというだけ。
前代未聞。二回続いて鳩山新党の話。由起夫お兄さん潰されてしまいました。潰したのは菅直人氏であります。久しぶりに、悲しい日本人のサガを見たので一筆とります。昔から出るくぎは打たれるという諺がありますが、そんな立派なお話ではありません。今現在、この国に出るくぎを打つような強くて自信満々な人はいないのです。いきなり卑近な例で恐縮ですが、俺たちのような、好き勝手のみを信条にしている人間が、なんとか棲息できる世の中であることが、それを証明しています。それでも、世の中には生存競争は実存します。どちらがよりダメであるかを競うような、不毛の闘いです。いわゆる官僚の世界などで、基調低音となっている減点主義。自分がより頑張って頭一つ出て、みんなや社会をひっぱっていこうというのではなく、すきをみつけしだい競争者を殺して、競争を緩やかなものにし、とにかくなんとか最後まで生き残ろう。生き残りさえすれば、最後にはなんらかのいいことや、甘い汁があるだろうという考え方です。
鳩山新党。菅直人氏が、知らんぷりしたところで、生命線がぷつりと切れました。どちらか一人だけでは、成立しない商談だったんですね。菅氏としても、鳩山丸に乗り込んで、何が待ち受けているかわからない海原に出るリスクよりも、とにかくここで、背を向ければ確実に鳩山氏を殺せるのは間違いないから、とにかくまずそっちに走ろうと生存本能がささやいたのでしょう。菅氏の乗船拒否以来、菅氏の後からどっと乗り込もうとすし詰め状態の待合い室でおしくらまんじゅうをしていた、より矮小な有象無象たちの、やれ兄弟ファッショだの、マザコン新党などの罵詈雑言はうるさいことこの上ないですね。羨望と憎悪は等価交換とはいえ、末世の光景花盛りでありますね。その昔には、中側一郎という政治家がこれで殺されましたね。彼はマジで自死をしたので、それなりに哀れを誘うものがありましたっけ。
さて、このような思考法はけっして、N街界隈にのみ蔓延しているものではないことは、いうまでもないことでありまして。あなたや俺のまわりを見回しても、現在には、これしか基本方針はないという惨状であります。あくまで老婆心でいうのですが、この方法論の一番やばいところは、いつしかこういう感覚がゲームのような気分をもたらし、気がついたら本当は殺したくはないものまでをも、殺してしまうようなことになることもあるのよね、ということであります。長島茂雄さんが一時殺されかけたことは記憶に新しいことで、もちろんミスターは不死身ですので生き返りましたが、イチローなどというのは将来半殺しの目に遭うことは必定です。鳩山新党なんて、ブチ殺されても、全然構わないけど、そういうことはぜひ自戒して、不必要で、意味のない殺生は避けるようにいたしましょう。
                     


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俺は不定期的にまとまった書き物をする。ここにそれらを置いておくので、よろしか ったら読んでみてください。

*最新作『追憶の16号』


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