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火ダルマGの老婆心ニュース

其の11(8/AUG/96)
其の12(25/AUG/96)
其の13(10/SEP/96)


火ダルマGの創作倉庫- 新刊 *最新作『追憶の16号』


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火ダルマGの老婆心ニュース 其の11(8/AUG/96)


                         
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  いよいよ、夏も佳境。お盆休み、国民的大連休の季節でげすな。夏休みといえば、短期集中、なにかまとめてやってやろうじゃねぇか、と、お考えのまじめな方も多いにちげぇありません。あっしら、日本人てぇのは、どうにもそういう国民性でげしょう。思いつくままに、なんたって、お盆というぐらいですから、よぅし、司馬遼の「竜馬がいく」完読するぞ!とか、寅さん48作完全制覇!おっと、こいつは96時間かかりますから、9連休でも1日10時間。それでも、1人ぐらいいるでしょうな。そんな、脳天気な野郎が。
 脳天気といえば、どうでげす。落語の総なめというのは。ちょいと前までなら、お盆と正月は寄席でもいってみっかぁ、というのが日本人の国民性というものでもありました。 今日日の東京には落語協会、落語芸術協会という二つの寄り合いが、日々上野、浅草、新宿、池袋にサバイバルしている寄席という、実におめでたいところで興業をうっており、その他に、立川談志一門、三遊亭円楽一門が、それぞれインディーズとして、ゲリラ的な活動をしております。四日や五日で二万円程度のお足を奮発していただければ、東京落語の今、なんていうのは一目瞭然、一網打尽でございます。
そして、そんなご機嫌なあなた様の、行楽のスケジュールの効率化のお手伝いをするのが、日本唯一の落語情報誌「東京かわら版」でありんす。こいつにはデイバイデイで落語会の情報が目白押し(小さん師匠お元気でやんすか?長いこと会長さんでご苦労さまでやんした)。「東京かわら版」は各寄席、新宿紀ノ国屋、浅草リブロなどでお買い求めいただけますが、直接3861ー1817までお電話されても、ぬかりなく、おもてなしすることと存じ上げます。
 実は、あっしは、かれこれ一昔ほど前から、こいつを購読しておりまして、最近誌面で「口コミだけが頼りです。どうぞ小誌を御吹聴ください」などと、妙に殊勝なことをいっておりますので、ちょっといい気になったと、まぁ、そんなところでやんす。えっ、それで「最近落語はちゃんと見ているのか?」って、お後がよろしいようで。

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火ダルマGの老婆心ニュース 其の12(25/AUG/96)


                         
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これは俺一人の病かもしれないが、その昔の学生時代、テストで後ろの問題の方が簡単にできるとわかっていても、上から順番にしか解答できなかった。また、そうしないと、積み残した前の問題が気になって、簡単なはずの問題も混乱してわからなくなったりした。たとえば、好物のトンカツをいただくときに、おれはまず、つけあわせのキャベツの千切りを終了せねば、本体にとりかかれない。もし、その直前にでも原爆が暴発したりしたら、俺は成仏できないだろう。
現在この社会に蔓延していると俺が感じている閉塞感にも、同じような説明ができそうというのが今回のお話。
たとえば、湾岸戦争。お忘れとは思うが、俺たちはアメリカ中心の多国籍軍に90億ドルという多額の出資をしている。しかし、かのピンポイント攻撃で、何人のイラクの市民(軍人や政治家ではない)が死去したのかについては、一切ブラックボックスで、なんら報道されていない。このことは気になりませんか?それではイラクの進行を受けて、虐殺されたクエート市民は何人いたのかというと。これも報道なし。ぜひともこのバランスシートを公開して、俺たちの税金の意味を誰か教えてください。現代のような情報社会、コンピュータ社会なら、シュミレーションは簡単なはず。少なくとも、クエートで死んだ人、死ぬ可能性があった人よりも、より多くのイラクの人を、直接的に殺していたら、俺は辛いのです。そんなに隠しておくべき情報なのですか?
たとえば話題の鳩山新党、そのメイン選手は鳩山由起夫氏と菅直人氏でしょうが、鳩山さんのおじいちゃんは、かの鳩山一郎で、京大滝川事件や、山本宣治暗殺を引き起こした、戦前翼賛言論弾圧の中心政治家で、その一郎氏が残した莫大なる遺産が、鳩山新党の台所を支えるといわれている。そのことについて、柔らかな政治家が何らかのコメントをしているのかが俺は気になる。新党には弟の邦夫さんも絡むといわれているけど、俺はこの人の選挙演説をテープ録音で持っています。ど右の一言、かちかちで全然柔らかくないよ。俺は真剣に危惧します。菅氏の政治界デビューは、ご存じ清潔政治市川房枝さんの勝手連でしょう。その市川房枝さんは、戦前戦争に協力的と見られる評論家ばかりを会員として採用した言論報国会の常任理事だった。市川さんはこのことを、自伝かなにかで、総括しているのかしら?知っている人教えてください。そして菅さんは、市川さんのそういう側面もしっかり支持者の方に伝えているのかしら?俺は菅さんの演説のテープも持っているけど、多用される市川さんの思い出話は清潔路線一本槍だったなぁ。
たとえば、家の近くの新宿区のプールやら何やら入っている施設に、1時間3000円というシュミレーションゴルフがあるのよ。壁にヴァーチャルなゴルフ場が映っていて、そこに向かって、球打つの。ゲームセンターのクレー射撃と同じ原理。これ利用者いるのか?経費的に成り立っているのか?プールだって相当空いているのに、どうなのかなぁ?いちゃもんだったらごめんね。でも税金でやる仕事ではない。だって一人の人間がはりついていたとして、最低でも年間500万ぐらいかかるでしょ、人件費で。その他、間接費は抜いてもね。そうすると最低、一日2万ぐらいの水揚げは必要。一日7人あそこでゴルフの壁打ちをしているとは思えないもん。区職員のみなさん、そう思いません?意味ない仕事はただちに止めてください。税金の無駄ですよ。
そんなこんな、現代は積み残しの気持ちの悪いことばかり、みんな、まず自分の足下からよく見つめよう。俺はとりあえず住み替えしました。気分転換。深呼吸。

火ダルマGの老婆心ニュース 其の13(10/SEP/96)


                         
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最初にお断りしておきますが、これから語ることが起きた世界、およびその住人たちにはなんの興味もありません。ただ起きた現象を見て老婆心がうずいたというだけ。
前代未聞。二回続いて鳩山新党の話。由起夫お兄さん潰されてしまいました。潰したのは菅直人氏であります。久しぶりに、悲しい日本人のサガを見たので一筆とります。昔から出るくぎは打たれるという諺がありますが、そんな立派なお話ではありません。今現在、この国に出るくぎを打つような強くて自信満々な人はいないのです。いきなり卑近な例で恐縮ですが、俺たちのような、好き勝手のみを信条にしている人間が、なんとか棲息できる世の中であることが、それを証明しています。それでも、世の中には生存競争は実存します。どちらがよりダメであるかを競うような、不毛の闘いです。いわゆる官僚の世界などで、基調低音となっている減点主義。自分がより頑張って頭一つ出て、みんなや社会をひっぱっていこうというのではなく、すきをみつけしだい競争者を殺して、競争を緩やかなものにし、とにかくなんとか最後まで生き残ろう。生き残りさえすれば、最後にはなんらかのいいことや、甘い汁があるだろうという考え方です。
鳩山新党。菅直人氏が、知らんぷりしたところで、生命線がぷつりと切れました。どちらか一人だけでは、成立しない商談だったんですね。菅氏としても、鳩山丸に乗り込んで、何が待ち受けているかわからない海原に出るリスクよりも、とにかくここで、背を向ければ確実に鳩山氏を殺せるのは間違いないから、とにかくまずそっちに走ろうと生存本能がささやいたのでしょう。菅氏の乗船拒否以来、菅氏の後からどっと乗り込もうとすし詰め状態の待合い室でおしくらまんじゅうをしていた、より矮小な有象無象たちの、やれ兄弟ファッショだの、マザコン新党などの罵詈雑言はうるさいことこの上ないですね。羨望と憎悪は等価交換とはいえ、末世の光景花盛りでありますね。その昔には、中側一郎という政治家がこれで殺されましたね。彼はマジで自死をしたので、それなりに哀れを誘うものがありましたっけ。
さて、このような思考法はけっして、N街界隈にのみ蔓延しているものではないことは、いうまでもないことでありまして。あなたや俺のまわりを見回しても、現在には、これしか基本方針はないという惨状であります。あくまで老婆心でいうのですが、この方法論の一番やばいところは、いつしかこういう感覚がゲームのような気分をもたらし、気がついたら本当は殺したくはないものまでをも、殺してしまうようなことになることもあるのよね、ということであります。長島茂雄さんが一時殺されかけたことは記憶に新しいことで、もちろんミスターは不死身ですので生き返りましたが、イチローなどというのは将来半殺しの目に遭うことは必定です。鳩山新党なんて、ブチ殺されても、全然構わないけど、そういうことはぜひ自戒して、不必要で、意味のない殺生は避けるようにいたしましょう。
                                          


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俺は不定期的にまとまった書き物をする。ここにそれらを置いておくので、よろしかったら読んでみてください。

*最新作『追憶の16号』


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