ソウル中心部、清渓川にかかっていた高速道路を撤去し、清流を蘇らせたことに成功したプロジェクトは各方面から賞賛され、それを進めた当時の市長イ・ミョンバク氏を大統領に押し上げる一つの要因になったと言われています。
日本でも何かと話題で、あちこちの議員さんがどんどん視察に行っていますし、福田元首相の視察の状況なんていう写真も官邸のページにはあります。東京も日本橋で是非やろう、いやあれはネットワークされていない行き止まりの高速道路だから出来たのではないか。日本橋はその比ではないし、いろいろ反対が起こる日本ではそう簡単ではない・・・とか飛び交っています。
で、現地ですが、予想と違ったのはこんな都心での出来事だったということです。行き止まりの高速道路だからもう少し町の隅の方の出来事ではないか、と勝手に想像していたのですが、実は明洞の北、仁寺洞の南という、それぞれのスポットの谷間にあり、また東大門は直ぐ脇を通っているという、そういう場所が清渓川だったのでした。
確かにネットワークされていなかった高速道路のようですが、単にだから撤去出来たのではなく、車の総量規制をいかに実現するかという交通政策と一帯に行ったのも見逃せない。バス会社の統合によるバス輸送の強化、バスロケーションシステムの幅広な導入、ロードプライシングの実施など、日本ではなかなかやりきれていない政策をしっかり実施した上で高速道路の撤去を行った所が、成功の背景なのでしょう。
川の造りはちょっと力が入ったというか、デザインしすぎの部分があったり、あまり水が綺麗でないとかいろいろありますが、とにかく力を入れてこの地域一帯を変えようとした方針に間違いはありません。そしてこの河川の再生に呼応するように、川沿いでは新たな複合開発の工事が進められています。