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独り言?( 2003年 )

2003年12月30日:画像加工による表現を解禁

 自分なりの写真表現を求めて、試行錯誤しながら撮り続けています。かなり昔から感じていたことですが、撮影した写真をそのまま使うだけでは、表現の深さや幅には限界があります。画像の合成や加工をもっと積極的に利用しなければ、表現の可能性を広げられないでしょう。

 とうわけで、Photoshopによるレタッチを解禁したいと思います。また、デジカメ画像で決まっている写真の縦横比も、正方形とか細長い長方形とか、もっと違った比率も用いようと思います。本サイト内の関連する記述は、おいおい修正していくつもりです。

 画像処理を解禁したからといって、写真の撮り方が変わるわけではありません。これまでどおり、ノートリミングを基本とします。縦横比がデジカメと異なる写真でも、写真の片側しか切り取らないのを前提とします。このようにしないと、撮影時の集中力が低下し、写真の仕上りが悪くなりやすいからです。

 ただし、一部例外があります。撮影した写真を、他の写真の一部として使う(画像を合成して使う)素材に関しては、ノートリミングを前提としません。素材として使いやすいように、何種類かのサイズで撮影しておきます。複数のサイズで写しておくと、合成する際の画質低下を最小限に抑えられますから。

2003年12月15日:フォーサーズへの期待と理解

 オリンパスがフォーサーズで目指しているのは、銀塩で大成功した35mm版の再現だと思います。この大成功というのは、全メーカーの一眼レフからコンパクトまで含めた、35mm版カメラ全体の成功を指します。ブローニーや大判に比べて、圧倒的な普及率で大成功しました。

 成功の原因は、カメラの機動力とシステム構成にあります。それ以前のフィルムサイズに比べて小型になり、いろいろなレンズが作りやすいとともに、使いやすい大きさで作れます。一眼レフに代表されるシステムでは、魚眼から超望遠までの豊富なレンズ群を提供し、表現の幅を大きく広げました。フラッシュや接写など、アクセサリーも充実しています。ただし、問題点もあります。オーディオとは違って、異なるメーカーの製品を自由に組み合わせて使えないのです。各メーカーのレンズマウントが違うためです。

 35mm版の大成功をデジカメで実現するとき、オリンパスの技術者は、いろいろと考えたのでしょう。レンズマウントが異なる問題点は、オープンな規格を用意することで解決しようとしてます。これは大英断で、非常に素晴らしい行為です。

 その他の点は、どのように考えたのでしょうか。もっとも重要となるのは、CCDのサイズでしょう。サイズが大きいほど高画質になることは、誰の目にも明らかです。しかし、CCDも半導体ですから、サイズが大きいほど歩留まりが低下し、コストが急激に上昇します。画質が満足できる範囲内で、できるだけサイズを小さくするのが賢い選択です。

 こうした検討では、CCDの進歩も考慮する必要があります。急速な進歩はまだまだ続いていますから、同じサイズで、より高性能になるでしょう。現在は少し不十分でも、5年後ぐらい先を見据えて選択する手もあります。ただし、今から提供するレンズだけは、将来の高画素化を十分に考えた解像度で、設計および製造することにして。最低でも1000万画素、できれば2000万画素に対応できる形で。

 CCDを小さくする理由は、コストだけではありません。レンズの大きさにも関係します。CCDが小さいほど、レンズも小さくなります。明るくて高倍率のズームが、より小さく作れるわけです。システム全体でのカメラの機動性が、より高まります。35mm版より小さなCCDを選ぶことで、機動性や明るさやズーム比に関して、35mm版を越えるレンズ群が作れます。

 ただし、CCDのサイズが小さくなると、悪い面も出てきます。主な問題点は、同じ絞り値でもボケにくくなることと、加工の精度が高く要求されることです。そのため、あまり小さくはできず、ある程度の大きさを確保する必要があります。

 他にも、CCDならではの問題点があります。斜めから入ってくる光に弱い点です。望遠レンズでは問題になりませんが、広角レンズ、とくに広角ズームや超広角レンズで問題となります。この点も配慮して、規格を決めなければなりません。

 以上のように、将来のことまで考えて出した結論が、現在のフォーサーズだと思います。焦点距離が2倍というのは、なかなかうまい選択だと感じました。35mm版に慣れた人でも、画角を理解しやすいですから。

 オリンパスから提供されているレンズがなかなか増えないのは、将来の高画素化まで考慮して設計および製造しているからでしょう。時間がかかっても、良いレンズを作ってほしいものです。できるだけ魅力あるレンズを。さらに、他のメーカーも参入してほしいです。

 フォーサーズの実機は、今年の10月に登場しました。これが本当のスタートです。そして、もし大成功する場合、花開くのは5年後ぐらいになると予想します。レンズの種類も増え、様々なタイプが登場しているでしょう。とくに高倍率ズームは、台風の目になる可能性を秘めています。レンズの設計技術も確実に進歩していますから、大いに期待できます。もちろん、非常に小型のボディも登場するでしょう。

 もう1つ、大事な点があります。ここで以前に述べたとおり、電子ビューファインダーを持つカメラが作りやすいように、フランジバックが短いマウント規格も、できるだけ早い時期に追加してほしいものです(まあ、今の規格のままでも、電子ビューファインダーを持つボディは作れますが、フランジバッグを短くすることで、高性能な広角レンズを作れる道を用意するのも大事です)。5年後の技術力なら、電子ビューファインダーのボディが主流になっている可能性は、十分にありますから。

2003年12月14日:E-1を購入して使い始める

 先日、ついにE-1を購入しました。激安ではありませんが、そこそこ安い価格で。購入したものは、E-1ボディ、14-54mmの標準ズーム、追加バッテリーの3つで、アイカップEP-2を今日買い足しました。メガネをかけているので、ファインダーを覗く部分のゴムが大きくないと、余計な光が入って見づらいのです。あとアングルファインダーもほしかったのですが、メーカーが用意してないので購入不可能でした。これは本当に困ってます。何とかしてください。オリンパスさん。

 昨日、今日と、大まかな感じを掴むために、軽く撮影しています。どのメーカーのデジタル一眼レフでも問題となっているオートフォーカスの精度ですが、望遠側の絞り開放で試してみたところ、少し後ピンになりやすい傾向を発見しました。ファインダーのマット面でも、たまに後ピンが確認できますし、マット面の表示どおりに撮影画像が仕上がってます。この結果から、マット面は正しく調整されていて、オートフォーカス機能の問題だと分かります。交換レンズが1本しかないので、レンズ側かボディー側の切り分けができません。おそらくボディー側でしょうけど。この際だから、望遠ズームも買おうかな。いずれ買うのだし。フォーカスの精度に関しては、後で本格的に調べようと思います。

 マット面は、かなり見やすく仕上がっています。ファインダーを覗いているだけで気持ちがいいです。フォーカシングスクリーンが変えられるので、マニュアルフォーカス用のスクリーンを出してほしいです。スクリーン中央に、スプリットとマイクロプリズムがドーナツ状に付いたタイプを。最悪、スプリット部分が中央になくても構いません。そうすれば、精度の不安のあるオートフォーカスなんてオフして、すべてマニュアルでピントを合わせるのに。じっくり考えながら撮る私の撮影スタイルだと、オートフォーカスはあまり意味がないですし、ピント合わせという低次元の問題で、失敗写真を作りたくないですから。

 カメラ業界に詳しい知人が、教えてくれました。メーカーの技術者から聞いた話だと、ピントの精度よりも速度を重視しているそうです。そのため、ピント合わせに迷った状況では、速度を重視するために最後はあきらめてシャッターを切るのが現状だそうです。この話が本当なら、オートフォーカスなんて、まだ使いたくないですね。やっぱり、マニュアルフォーカス用のスクリーンがほしいです。

 撮影した画質に関してですが、事前に調べたとおりでした。2ドット単位のジャギーが所々に出るものの、全体として好ましい画質です。レンズの描写についても、癖を調べるテストを始めたいと思います。ボケ味なども含めて。どのようにテストするのかも面白い話題なので、テスト結果とともに紹介するつもりです。

 実は、昨日のテスト撮影で、汚いボケ方をする条件をすでに見付けてしまいました。DiMAGE 7iの内蔵レンズでは、1度も見たことがないボケ方でした(DiMAGE 7iの方はあまりボケないので、ボケを使ってなかったり、ボケ味を調べていない面もありますが)。正直、これは困ってしまいました。ボケを使った写真を撮るために、やはり望遠ズームを買うべきなのかなぁ。でも、望遠ズームの方も汚かったりして。

2003年12月12日:撮影画像の縦横比は4:3の方が好き

 私のようにノートリミングを基本とした写し方だと、撮影画像の縦横比は非常に重要です。その縦横比ですが、銀塩の35mm版は3:2でしたが、デジカメになって4:3に変わりました。全部が4:3ではないものの、多くのデジカメは4:3です。この比率が選ばれた理由の1つには、パソコンの標準的なモニターの縦横比と合わせたことが挙げられるでしょう。こうすれば、写真を画面一杯に表示できますから。

 銀塩35mm版の3:2は、長辺側が長すぎると以前から言われていました。四つ切りなどの印画紙の縦横比よりも長辺側が長く、トリミングして焼き付けるのが当たり前だったからです。トリミングせずに焼き付けるために、縦横比3:2の印画紙も登場しましたが、主流にはなりませんでした。

 どの縦横比が最適かは、被写体(主役、脇役、背景)と表現意図の組み合わせで決まります。正方形の写真として仕上げたいこともあるでしょう。そのため、固定した縦横比では、もともと無理があるのです。

 しかし、実際の撮影では、固定した縦横比で写さなければなりません。縦長か横長かを選び、被写体を切り取ります。用意された縦横比の中に、無理矢理にでも被写体を押し込むわけです。ここで問題となるのは、希望する縦横比とカメラの縦横比が一致していないときです。不一致が大きいほど、表現も妥協しなければなりません。生じる不一致の大きさと頻度は、カメラの縦横比によって異なります。

 私の場合は、銀塩35mm版の3:2よりもデジカメの4:3の方が、不一致の大きさと頻度が明らかに小さいと感じます。もし私以外の人も同じ傾向が強いとしたら、3:2は細長すぎるのでしょう。写真以外の書類や絵画などを観察しても、もっとも使われている縦横比は、銀塩35mm版の3:2よりも小さいようです。やはり、3:2は細長すぎると思います。

 購入するデジタル一眼を選ぶ際にも、縦横比を考慮に入れました。オリンパスのE-1を第1候補に選んだ理由の1つが、4:3の縦横比なのです。ノートリミングを基本とする写し方を続ける限り、画像の縦横比は非常に重要だからです。

 将来的には、どうなるのでしょうか。デジカメの内部はコンピュータなので、縦横比なんてどうにでもなります。極端な話、レンズのイメージサークルを全部包み込んだ大きさのCCD(当然ながら正方形)を用意すれば、どの縦横比でも最大の大きさで写せます。正方形はもちろん、通常の横長、もっと細長い横長、通常の縦長、もっと細長い縦長とかが可能になります。電子ビューファインダーの液晶も正方形にしたら、選択した縦横比の画像を表示し、使ってない部分を黒くすればよいでしょう。この方式なら、縦長の長方形で写す際に、カメラを横に構えたまま撮影できます。アングルファインダーで写すときや、三脚に固定して写す際には便利ですね。

 縦横比の変更は、カメラの縦横比ダイヤルを回転させる方法がよいでしょう。横長~正方形~縦長の切り替えを、数十段階で選べるようにします。選択した縦横比に合わせて、電子ビューファインダー表示の縦横比も変わります。つまり、縦横比までズームのように変えられるデジカメの登場です。

 ノートリミングを基本としている私にとっては、夢のようなデジカメですね。レンズ自体は、既存のものをそのまま使えます。しかし、花形フードは使えなくなりますね。すべて円形フードになるので、広角レンズの場合は、フードを大きくしないと同じ効果が得られなくなります。これは大きな欠点かも。

2003年12月10日:デジタル一眼レフの購入を検討中

 秋頃から、撮影の機会を増やしています。自分なりの表現を見付けようと、模索しながらの撮影です。撮影回数が増えると、機材に対する不満が大きくなってきました。とくにレンズに関してです。超広角レンズが使えない、望遠レンズでぼけないの2点については、もう我慢できません。仕方がないので、デジタル一眼レフを購入することにしました。

 本当にほしいのは、デジタル一眼レフではありません。以前にも書いたように、レンズ交換ができるデジカメであって、(ペンタプリズムとミラーを持つ)一眼レフではないのです。しかし現実には、レンズ交換式デジカメは一眼レフばかりです。もう我慢できない以上、“不本意ながら”デジタル一眼レフを買うしかないと決断しました。

 銀塩一眼レフを持っているので、そのレンズを流用する形にすれば、出費を減らせます。しかし、その手が使えないのです。所有している一眼レフは、コンタックスとミノルタαの2メーカーです。コンタックスは、デジタル化の際にマウントが変わり、所有しているレンズが使えません。ミノルタの方は、デジタル一眼レフを出していません。他に、レンズ交換できるレンジファインダー方式として、コンタックスのGシリーズも持っていますが、これもデジカメが出ていません。このように、今のところ全滅となっています。レンズも含めて、新規に買うしかないのです。

 金額を気にしなくて構わないなら、コンタックスのNデジタルを選ぶでしょう。しかし、ボディだけで50万円を超えるものを、今の時期に買う気になりません。あと2年か3年もすれば、もっと安くて、しかも高性能な後継機が出るでしょう。その時点で買うのが、賢い選択といえます。今の時点では、もっと安い機種を“つなぎ”として買うのが賢い選択でしょう。

 だとしても、選択は難しいです。一番多いボディは、35mm版のマウントにAPSサイズのCCDを搭載したタイプです。これだと、大好きな超広角が貧弱で自由に使えません。35mm版フルサイズのCCDを持つボディは少しだけありますが、コンタックス以外でも高価で、今の時期は買う気になりません。

 こうして消去法で検討を進めると、オリンパスのE-1が残ります。現時点ではレンズが少なく、広角側は28mm(35mm版換算)までしかありません。しかし、来年の早い時期に、22~44mm(同換算)のズームが、来年中には16~28mm(同換算)の超広角ズームも登場します。望遠側は100~400mm(同換算)のズームが登場済みなので、ぼかした写真が撮れます。レンズの画角的には、2004年末までに、かなり良いラインナップが揃えられるはずです。

 E-1の場合、デジタル一眼レフにとって、重要な特徴を持ってます。最大の問題点である、CCDに付着するゴミを落とす機能です。現在のところ、ゴミへの対処機能を搭載しているのはE-1だけです。強力なアドバンテージだと思います。

 カメラとして気になるのは、ボディの操作性と画質でしょう。実際に触ってみると、ボディの応答性は十分に満足できるレベルでした。ファインダーがペンタプリズムなので、リアルタイムのヒストグラムなどは使えませんが、視野が広くて見やすかったです。視野率も約100%となっています。主な機能は専用の設定ボタンが割り当てられていて、素早く設定できました。ただし、ボタンの配置が独特みたいで、慣れるまではとまどうことになりそうです。

 画質に関しては、良い点と悪い点があります。一番良い点は、ラチチュードが広いことでしょう。CCDの最大の欠点である白飛びが、発生しにくくなっています。500万画素に押さえたことで、階調を銀塩に少しは近づけられたみたいです。

 一番の欠点は、解像度の不足でしょう。500万画素が低すぎるというのではなく、全体的に少し甘い感じに仕上がっています。シャープさを変更できるので、少しは改善可能でしょう。どの程度かは、実際に試してみないと分かりませんが。

 しかし、改善できない欠点も見付けました。特定の条件(どんな条件かは不明)を満たした被写体部分で、ジャギーっぽい状態になるのです。ジャギーっぽい状態とは、本来なら1ドット単位で描かれるべき斜めの線が、2ドット単位で描かれたように見えることです。もちろん、ハッキリとした2ドット単位ではなく、全体にぼけた感じの2ドット単位です。いろいろなサンプルを見て分かったのですが、この状態が意外に多く出るようなのです。

 原因として考えられるのは、CCDから読み出したデータを、圧縮前の写真画像を生成する処理の欠点です。処理のアルゴリズムを改善すれば直るはずです。ジャギーっぽく仕上がる欠点ですが、実は、いろいろなデジカメでもときどき見かけます。高級機も含めて。面白いのは、同じメーカーでも、機種によって出やすかったり出にくかったりする点です。もしかして、画質に関する他の要素とのトレードオフで発生するのでしょうか。

 E-1の場合は、RAWで撮影ができますから、現像するソフトで対処することが可能です。オリンパス純正の現像ソフトでダメならPhotoshopを使うとか、後で何とかなるでしょう。もちろん、ファームウェアのアップデートで改善され、JPEG画像でも出なくなれば、一番良いのですけど。

 他にも、気になる点があります。アングルファインダーがないので、ローアングルでの撮影が大変なこと。これはアクセサリーで何とかしてほしい部分ですが、今のところ予定がないようです。困ったものです。

 こうした気になる点があるにもかかわらず、E-1の購入を真剣に考えています。ここ何日か悩み、購入をほぼ決めた状態ですね。今後3年間ぐらいの暫定的なメインカメラとして、フォーサーズを使っていこうかな、と考えています。来年の春に低価格のボディが登場するそうですが、それまで待てません。それが登場したら、2台目のボディとして購入するかも。

 フォーサーズの狙い自体は、非常に良いと思います。CCDを小さめにすることで、明るくて小型のレンズが作りやすくなります。CCDは、今後とも急速に進歩するでしょう。4/3インチのCCDサイズでも、ブローニーレベルの解像度までは達するでしょう。他者も参加するなどして、もし大化けすればいいなとの期待も少し持っています。そしたら、メインカメラであり続けるかも。

2003年10月11日:Caplio G4wideにがっかり

 Lumix DMC-LC33の画質が予想外に良かったため、デジカメのコンパクト機に今まで以上の興味を持ちはじめました。そうなると一番気になるのは、35mm版換算で28mmの広角レンズを持つ、リコー製のCaplio G4wideです。先日、店頭で触っているうちに衝動買いしてしまいました。

 少し前に購入したのがLC33なので、どうしても比べてしまいます。実売価格もCCDサイズも同じぐらいですから(CCDサイズは、LC33の1/2.5インチに対し、G4wideが1/2.7インチで少し不利)。比べた結果は、ほとんどの面でG4wideが劣っていました。気付いた点を挙げてみましょう。

 まず画質ですが、広角から望遠まで全体にかなり甘く、ピントの合っている部分がハッキリしません。最新のカメラとは思えない印象です。ただし、広角側に振ったためレンズの解像度が低くなっただけではなさそうです。斜めの直線部分に注目すると、ジャギー的な小さな段差が少しだけ見られました。この特徴は画像処理が劣っているデジカメの典型的な例なので、画像処理の悪さも画質が悪い原因のようです。加えて、最広角での色収差も大きめでした。色収差を気にしないで28mmを実現したのでしょうか。LC33と比べると、2世代か3世代前のカメラのようです。念のために、G4wideのファームウェアを最新の2.0に更新してみましたが、結果は変わりませんでした。

 エッジの強調が弱いから、甘く感じるのではありません。エッジの強調は、そこそこ効いています。デフォルトではLC33より少し強い感じで。そのため通常は、エッジの強調を弱めて使っています。甘く感じる原因は、全体にピントがぼけているような画質の特徴にあるのです。

 背面の液晶モニタも、良くありませんでした。コントラストが低く、一番明るく設定しても、日中の屋外では暗いのです。手でわざわざ日陰を作らないと、まともに見れないほどです。さらに、反応が遅い(画像の書き換えが遅い)のも欠点です。中央重点測光で使っていて、適正露出を選ぶためにカメラのアングルを少しずつ変えたとき、反応の遅さにイライラします。

 筐体を持ったときの感じも、かなり劣ります。LC33の場合は、右手でしっかりと持てるように、筐体の前面に手の引っかかりを付けています。背面も同様で、親指の引っかかりがあります。G4wideの方は、全体にのっぺりしていて、包み込んで持つ方式のようです。これだと滑ることがあり、非常に心配です。滑り止めのシールでも貼り付けるしかないでしょう。この欠点に関しては、購入前に店員と話しました。店員によると、全体の傾向としては、デザイン重視のデジカメが増え、引っかかりを小さくする方向にあるそうです。悲しい流れですね。

 ズーミングの速度が早すぎるために、微妙な調節がかなり難しいです。素人向けとして、素早く動くように設定してあるのでしょう。でも、28mmを使う人には、写真が趣味の人が多いので、もう少し微妙に調整できる設定にしてほしいところです。たとえば、少し遅いズーミングに後から変えられるとか。

 全体的に見て、悪い点ばかりが目に付きました。28mmの広角が使える以外の良い点を挙げるなら、オートフォーカスが非常に高速なことと、1cmまで寄れるマクロ機能だけでしょうね。ただし、マクロモードに切り替えると、オートフォーカスの速度は普通になり、たまにピントを外します(合致の表示になっていながら、液晶モニタで見てもピンぼけ)。

 自分のカメラだけがたまたま悪い可能性もあるので、メーカーのサンプル画像も調べてみました。驚いたことに、wideでないG4と一緒に掲載してあり、画質が分かりそうなサンプルがほとんどないのです。色収差の程度が知られないように、サンプルを選んだのでしょう。室内撮影のサンプルを見る限り、自分のカメラと同じように、ピントが甘い感じの画質でした。甘い画質はこの機種の特徴であって、たまたま外れを買ったわけではなさそうです。

 こんな感じで、G4wideにはがっかりしてしまいました。でも、28mmの広角が使えるコンパクト機は他にないので、画質を気にしないときだけ使いたいと思います。28mmを含む画質の良いコンパクト機が登場したら、お役後免になるでしょうが。

 もう1つ不満なのが、ウェブや雑誌に掲載されているレビュー記事です。これまでに数個の記事を読みましたが、画質が悪いことなど、ほとんど(まったく?)書いてませんでした。デジカメに限りませんが、日本国内のレビュー記事が役に立たないことを、今回も痛感させられました。これも困ったものです。

 それにしても、LC33は良いカメラだったんですね(しかも激安価格で購入したので、G4wideより5000円以上も安い)。平均的なレベルがどの辺にあるのかは知りませんが、同じ価格帯(コンパクト入門機)の中ではトップクラスに属すると推測します。LC33を作っている松下電器は、現在のデジカメ業界の中で、もっとも勢いがありますね。ライカMシリーズを彷彿とさせる、2004年春に発売予定のLC1にも、大きく期待してしまいます。

2003年10月1日:作品の展示を開始

 長い長いブランクから復帰するために、写真表現のリハビリを続けていました。まだ完全には復帰できていませんが、そんな状況でも作品作りを少しずつ始めています。こんな感じながら、せっかく撮影したので、正式に展示することにしました。

 まずは、単写真からです。1枚だけを考慮して撮影すればよいので、それほど大変ではありません。自分の好きな狙い(表現の方向)を定め、それに沿って被写体を切り取ります。今後、狙いの種類を少しずつ増やしたいと思っています。

 作品となる写真でも、ノートリミングが基本です。よく使うデジカメには、視野率100%の液晶モニタが付いているので、きちっとフレーミングしてから撮影できています。そのため、後からトリミングする必要性を感じません。ほとんどの写真は、ノートリミングで公開することになるでしょう。このように撮影していても、ごく一部の写真で、周辺部に余計なものが写り込むのを見逃すことがあります。その場合は、苦肉の策としてトリミングするつもりです。

 Photoshopによる画像処理は、積極的に利用します。ただし、目的は、写真の雰囲気の調整です。レベル補正、ガンマ変更、トーンカーブなどを使って、狙った雰囲気に近くなるように調整します。これ以外の目的では、おそらく使わないでしょう。

 作品として公開する写真は、当然ながら、私が好きなタイプの写真です。自分が撮りたいと思うスタイルで撮った写真です。かなり癖のある写真も含まれているので、良いと思わない人もいるでしょう。それはそれで構いません。

 どんな写真を私が好きかは、実際の作品を見て判断してください。作品がまだ少ししかないので、今の段階で判断するのは難しいでしょう。でも、作品が増えた段階では、かなり見えてくると思います。

 とくに大事なのは、組写真の作品です。これの公開には、リハビリがもっと必要です。まだ時間がかかりそうなので、かなり先になるでしょう。

2003年9月27日:Lumix DMC-LC33を激安なので購入

 DiMAGE 7iとU30を使い分けていましたが、その中間のカメラが必要だと思っていました。かなり小型で、持ち運びやすいズーム機です。画素数は300万程度、レンズは沈胴式で構いません。35mm版換算で、広角35mmからの3倍以上のズームのものが。他には、単3ニッケル水素充電池2本での動作が希望です。レンズは、そこそこ良ければ十分としました。液晶の視野率だけは100%が必須ですね。

 条件に合う中で気に入るカメラを探したら、Lumix DMC-LC33が一番良いのではないかと思いました。ライカのレンズ、筐体デザインもカメラらしいし。露出モードはプログラムだけですが、露出補正、ホワイトバランスの選択、光学ファインダーなどが付いてます。写りも、なかなか良さそうですし。こう考えていたとき、激安で変える情報が友人から入ったので、速攻で買ってしまいました。ブラックの方を、数日前に。安くなったのは、400万画素のLC43が登場したおかげのようです。

 実際に使ってみると、かなり良いデジカメでした。電池は、信じられないぐらい持ちます。いつものようにフラッシュは使わない条件で、2300mAhのニッケル水素充電池2本を電源に200枚以上撮っても、バッテリーが減った表示になりません。省電力モードにしてありますが、光学ファインダーでなく、すべて液晶モニタを見ながらの撮影です。電池の持ちは素晴らしい結果で、大満足です。他にも、右手で持ちやすい点が良かったです。

 搭載レンズは、35mm版換算で35~105mmの3倍ズーム。最低これぐらいはほしいという範囲に何とか収まってます。開放F値は2.8~4.9と可変で、望遠側でやや暗めなのが気になります。レンズを小型化するためには、仕方がないのでしょうね。おそらく、筐体サイズとのトレードオフなのでしょう。広角側の歪曲収差は、ラフな測り方で樽型の1.1%でした。歪曲の曲線が素直なためか、数値ほどは目立たない感じがします。

 一番大事なのは写りですね。画質の設定では、色に関する調整だけが可能です。デフォルトとなる標準の他に、ナチュラルとビビッドがあります。ビビッドだと記憶色に近い感じで、実際よりも彩度が強調されて写ります。ナチュラルだと、実際の色に近い感じに仕上がります。標準はその中間で、記憶色を重視しがちな最近のデジカメに比べると、少しおとなしい感じでしょうか。輪郭強調の程度は調整できませんが、あまり強くかかってないので、安心して使えます。CCDが小さいので高画質は望めませんが、小さい割には素直な画質で気に入りました。

 期待外れだったのは、光学ファインダーです。視野率が低いだけでなく、製造精度が低いせいか、視線が少し下側に傾いていました。この部分の精度が悪いことは、事前に調べたBBSで書かれていたため、購入前の予想どおりです。基本的に液晶ファインダーしか使わないので、無視することにしました。

 全体としては、かなり満足しています。今のところ、使用頻度が一番多いカメラになってしまいました。ぶらっと出かけるときに持っていく、第1候補のカメラです。35~105mmの3倍ズームなので十分ではありませんが、たいていは使いこなしで何とかなりますね。

 前に購入したU30の方は、出番が減ってしまいました。でも、荷物をもっと減らしたいときに役立ってます。次は、レンズ交換式デジカメがほしいのですが、買いたい機種がないので、当分は待ちですね。また、コンパクト・デジカメを買ってしまいそう。

2003年9月9日:自分がほしいデジカメの主な仕様

 自分がほしいデジカメの仕様を整理してみたのが、先月。それを見直していたら、いくつかの追加仕様を思い付いたの修正してみます。

 意外に大事なのは、画像ファイルの保存形式です。現在の主流は、24ビットカラーのJPEG、RAWの2つ。RAWの色数は、各色12ビットで合計36ビットが多いようです。その他では、24ビットカラーの非圧縮TIFFも使われます。

 これらの中には、普通に扱える非可逆圧縮した48ビットカラー(各色16ビット)がないのです。これがあれば、RAWの必要性が大幅に減ります。階調数が格段に増えるため、白飛びだけ防ぐ意味でアンダー気味に撮影しておくと、後の画像処理で何とでもなりますから。ファイル形式としては、JPEG2000あたりが第一候補でしょうか。まだ普及してないので、オプション設定で選べる形が現実的な追加方法となります。

 単3ニッケル水素電池も、そのまま入れるのではなく、4本が入る電池パックを用意して、パックごと入れ替える形式にしてほしいです。パックを何個か買い、充電した電池を入れた状態で持っていくと、入れ替えも容易でしょう。また、単3電池は何かの入れ物に入れて持ち歩くので、パックだと入れ物が不要になります。カメラ本体の底に付ける形の電池入れも、大きさの違いで2種類ぐらい用意する方法がいいです。4本パックが3個ぐらい入るタイプと、6個ぐらい入るタイプで。6個ぐらいあれば、1日中撮影し続けても十分に持つでしょうから。

 電池に関しては、人によって好き嫌いがあるので、ある程度の妥協は可能です。リチウムイオン電池をデフォルトにし、本体の底に付ける電池入れだけで、単3ニッケル水素電池をサポートする方法でも構わないでしょう。この方式でも、リチウムイオン電池が供給されなくなった後、単3ニッケル水素電池によって、長く使えるカメラとして生き続けられますから。

 電子ビューファインダーに関しては、ガンマや色合いなどの調整機能も必要ですね。色管理システムを導入したパソコンと合わせられるように。以上の点を追加してまとめると、次ようになります。

・電子ビューファインダー付きで、解像度は1024×768ピクセル以上
  (露出補正や絞りを反映することが必須)
  (ガンマや色合いなどの調整機能も必須)
・ミラーボックスとペンタプリズムがない
  (レトロフォーカス型でない広角レンズが作れる)
・レンズ交換式で、20mm以下の超広角ズームもあり
・CCDサイズは4/3インチ以上(望遠レンズでぼけるように)
・手ぶれ防止機能
・48ビットカラーの非可逆圧縮したファイル形式でも保存可能
・バッテリーとして単3ニッケル水素電池も使える
  (4本入りの電池パックで交換する形に)
  (カメラの底に付ける電池入れで、3パックや6パックも可能に)

 この仕様を満たしたデジカメは、いつになったら登場するのでしょうか。技術的には3年後なら可能だと思うんですが、実際の製品は別な面で決まることが多いので、早くても5年後になる気がします。もし可能なら、フォーサーズのようにオープンな仕様のカメラとして登場してほしいです。

2003年9月1日:サイト内を少しずつリフォーム中

 本サイトを公開したのは、写真仲間に見せたり説明していた内容が意外と好評だったので、より多くの人に知ってもらおうと考えたからです。それほど充実させるつもりがなかったため、サイト内の構成を深く考えずに作りました。

 ところが作り進むうちに、やりたいことがだんだんと増え、追加は継ぎ接ぎ状態に。当然、サイト内が上手に整理されてない状態となりました。このままだと、ますますひどくなるでしょう。手遅れにならないうちにと、今あせってリフォームしています。

 今回は、「撮影した写真」のコーナーを修正しました。将来のことも考慮し、作品を展示したり、表現の実験結果を報告できるサブコーナーも入れられる形にしてあります。こうして入れ物ができたものの、実際の写真を追加できるのはいつになることやら……。

2003年8月25日:組写真の解説内容は設計したもの

 ここ最近は、組写真に関して詳しく解説しています。その内容に関して、少し補足したいと思います。内容に関わることではなくて、その生い立ちに関して。

 組写真に興味を持ったのは、写真を始めて3年ぐらい経過した頃だと思います。若い頃は、写真雑誌だけでなく、ムック本や単行本など、写真に関する様々な書籍を読みあさりました。しかし、組写真に関して詳しく書いたものは、発見できなかったのです。そんな状態だったので、よく分からないまま組写真を作ってました。今思えば、単なる単写真の集まりでしかありませんでした。

 その後も、組写真に関する解説を探し続けていましたが、ついに見付かりませんでした。最近になってウェブでも探しましたが、同様でした。もちろん、簡単な解説なら見たことがあります。しかし、あくまで概要でしかなく、深く突っ込んで体系化したレベルの内容は、どうしても見付かりませんでした。

 仕方がないので、自分で作ることにしました。本業であるシステム設計のノウハウを投入し、本格的な内容を目指して。その設計結果が、本サイトで紹介している組写真の解説です。

 設計の際に考慮したのは、次のような点です。一番重視したのは、組写真にも表現意図があり、それを伝えるために役立つ内容として仕上げることです。何となく組むのではなく、表現意図を深く深く考え抜き、考えた結果を写真の中に埋め込むことこそ、もっとも大事だからです。

 もう1つ重視したのは、表現意図がどんな内容であっても適用できる点です。そのために、組写真を作る過程の汎用的な部分だけを抜き出し、可能な限り体系化しました。このような形でまとめると、どんな組写真にでも利用できるからです。

 組写真といえば、数枚程度の組合せを思い浮かべる人が多いでしょう。しかし、深く分析するうちに、数枚でも数十枚でも、さらに数百枚でも同じ考え方で作れることが分かってきました。つまり、2枚組の組写真も、数十枚の組写真も、数百枚を載せる写真集の写真も、共通する考え方で作れるのです。異なるのは、表現意図を分解した要素の数だけです。そのため、2枚以上で組んだものを、すべて組写真として扱っています。

 組写真の作り方を設計し終わった後で、世の中の組写真を改めて見てみました。すると、大事な点に気付いたのです。写真集などの写真は、ほとんどが単写真の集まりではないかと。それよりも、数枚で仕上げる組写真の方に、明確な表現意図を感じる写真が多いようです。

 これから写真集を作る人が、本サイトの組写真の解説を読むと、作り方が大きく変わるかも知れません。写真を何となる並べていたのが、表現意図を強く持ち、それを深く掘り下げて撮影し、表現意図を伝えられるようにと。こうした変化こそ、組写真の解説をした一番の狙いです。

2003年8月23日:デジカメ新機種が熱い

 ここ最近に発表されたデジカメの新製品は、魅力的なものが多くあります。デジカメで弱かった広角レンズを搭載したり、デジタル一眼の低価格版だったり。該当する製品をざっと挙げてみましょう。

・28mmからの広角ズームを搭載
  ・ミノルタ DiMAGE A1
  ・ソニー DSC-F828
  ・リコー Caplio G4wide
・低価格のデジタル一眼レフ
  ・キヤノン EOS Kiss Digital

 ここに来てようやく、広角28mmからのズームを搭載する機種が増えてきました。写真が好きな人にとっては、良い傾向ですね。こうなったら、どこか1つのメーカーで構わないから、24mmからのズームを搭載した製品を出してほしいです。高価でない限り、私なら絶対に買います。

 デジタル一眼レフの低価格版は、他社に大きな影響を与えるでしょう。かなり売れて、一気に普及するかも。でも、私は買いません。電子ビューファインダーのないデジカメなんて、魅力を感じませんから。ただ、超広角ズームが使えるなら、つなぎデジカメとして買うかも知れませんけど。一番ほしいのは、以下の条件を満たすデジカメですね。

・電子ビューファインダー付きで、解像度は1024×768ピクセル以上
  (露出補正や絞りを反映することが必須)
・ミラーボックスとペンタプリズムがない
  (レトロフォーカス型でない広角レンズが作れる)
・レンズ交換式で、20mm以下の超広角ズームもあり
・CCDサイズは4/3インチ以上
・手ぶれ防止機能
・バッテリーとして単3ニッケル水素電池も使える

 ちょっとだけ補足を。CCDサイズが4/3インチ以上なのは、画質を確保したいという面もありますが、最大の理由は、望遠レンズのぼけの量を確保したいからです。これぐらい大きくないと、望遠レンズでぼけないでしょうから。

 バッテリーとして単3ニッケル水素電池を入れたのは、長く使いたいからです。専用のリチウムイオン電池だと、短い期間しか販売しないので、買った電池の寿命によりカメラが使えなくなります。単3ニッケル水素電池が使えれば、銀塩カメラのように長い間使えるでしょう。

 以上の条件を満たすデジカメが登場するまでは、つなぎデジカメで我慢するしかありません。条件を満たすデジカメは、5年ぐらい登場しそうもないですから。期待していたフォーサーズも満たしてないですし。ということで、つなぎデジカメをあと何機種か買い続けなければならなそうです。

 素朴な疑問として、私の挙げた条件は特殊なんでしょうか。写真が趣味で、良い写真が撮りやすいデジカメを目指すなら、当たり前の条件のような気がしてるんですけど。フォーサーズが、ミラーボックスとペンタプリズムがないデジカメを作れるような仕様だったら良かったのに。それにしても、フォーサーズが出てしまったので、新しい別なオープン仕様を作りづらいでしょうね。

< 注:これより古い「独り言?」はありません。>

   
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