林王
はやしのおおきみ
- 生没年 未詳
- 系譜など 未詳。但し平城京左京三条二坊出土の木簡群(いわゆる長屋王家木簡。和銅4年〜霊亀2年頃)には、林若翁(はやしのわくご? 若翁は幼少の王子かという)の名が見え、林王が長屋王邸に同居していたらしいことが窺われる。あるいは長屋王の子か。
- 略伝 743(天平15)年5.5、皇太子阿倍内親王の五節奏舞の日、従五位下に初叙される。同年6.30、図書頭に任じられる。746(天平18)年1月、元正上皇の御在所での肆宴に参席し応詔歌を詠むが記録されず(万葉巻17)。752(天平勝宝4)年11.27、林王宅に但馬按察使橘奈良麻呂を餞する宴を開く。この時治部卿船王・右京少進大伴黒麻呂・少納言大伴家持らが参集し歌を詠んだ(19/4279〜4281)。この宴には橘諸兄も同席したことが左注より知られる。761(天平宝字5)年1.2、従五位上に昇叙。以後の消息は不明。なお759(天平宝字3)年6.16、舎人親王に「崇道尽敬皇帝」の尊号を追贈するにあたり、その孫として無位より従四位下に初叙された林王の名が見えるが、この人は同名の別人であろう。
表紙へ