|
Re:「偽りの無き世なりけり神無月誰が誠より時雨そめけむ」no英訳 ..水垣
|
|
2007/03/24(土) 14:45 No.1295
|
|
There is no falsehood in this world. At the beginning of winter, whose faith has brought "shigure" rain?
拙い私の英語では、到底歌の心が伝わるとも思えませんが…。 「神無月」は十月の異称ですが、陰暦十月は初冬ですから、Octoberと訳すと季節感がずれてしまうでしょう。the beginning of winter, early winter 等とすべきところでしょうか。 「時雨」は晩秋から初冬にかけて降る、冷たい断続的な雨です。私は適切な英語表現を存じません。
因みにこの歌は『続後拾遺集』所収歌で、能『定家』にも出て来ます。定家が自邸「時雨亭」で詠んだ歌と言われています。題は「時雨知時(時雨、時を知る)」で、時雨は神無月(初冬)になれば時節を知っているかのように降り出す。人の世は嘘いつわりに満ちているけれども――といったような感慨を籠めているのでしょうか。 本歌は古今集読人不知「いつはりと思ふものから今更にたがまことをか我はたのまむ」(あの人の言葉は偽りとは思うものの、今更誰の『まこと』を頼りにすればよいというのだろう、私はあの人の言葉に縋るしかないのだ)。定家の歌も、恋の歌として裏読みすることができそうです。
|
|
|
|
|