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逸爾散士様、ようこそおいで下さいました。当サイトの管理人です。 「擬古ちない」どころか、「古典風」の雅調をよく会得しておられるのではないでしょうか。
>待つ春も来ぬればとくやたけぬらん若菜摘む日はいくかもあらじ >「すぐに」より「とく」のほうがいいのか不自然か、よくわからないのですが。
「待望した春になったと思ったら、早くも季節は長けてしまったのだろうか。若菜を摘める日はあと何日もあるまい」といった歌意と拝見しました。
古典的な和歌で「すぐに」といったら「まっすぐに」「曲がらずに」の意で、これを「即座に」の意で用いるのはかなり時代が下ってからのことです。一方、「とく」は古今集から用例があります。
ひかりなき谷には春もよそなれば さきてとくちる物思ひもなし(清原深養父)
「すぐに」よりも「とく」の方が良いと思います。
但し、immediately,soonといった意味ですと、「はや」あるいは「やがて」を用いるのが古典的な和歌ではより普通でしょうか。
今ははや恋ひ死なましをあひ見むと たのめし事ぞいのちなりける(凡河内躬恒)
白露のかかるかやがてきえざらば 草葉ぞたまのくしげならまし(壬生忠岑)
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