10連 LED オーディオレベルメーターの製作 (2007/07/18〜7/22)

(Last update:07/08/03)


まずはブレッドボードで動作試験。
オペアンプの利得を決定したり、
LED の明るさを確かめながら電流制限用の
抵抗値を決定し、消費電流を計っておく。
LED 取り付け前の基板表の様子。
真ん中のコネクタはLED アレイ
(片チャンネルぶん)に繋がる。
右上は LM358 を使ったアンプ部
LED 部はまず小基板に半田付けし、
さらにケーブルを半田付けして・・
LED のピンを利用して
メイン基板と直角に合体(左端)
完成! 回路図

製作の経緯:

 長年構想を温めてきた多機能オーディオセレクターに組み込むべく、小型のレベルメーターが必要になったので作成。LED レベルメーターは光モノ愛好家の基本路線です(爆)


使用部品など:

 LM3915N は外付け部品がほとんど不要で、ピン配置もよく考えられており配線レイアウトが非常に簡単。バー表示とドット表示が選べるのも気が利いている。ただピークホールド機能が無いのが唯一残念。

 これに対してシャープ系レベルメーター用 IC だと LED の結線が変態的で、結局専用 LED アレイが必要だったりするのだが、この IC はそのようなこともなく、LED の選択に自由度が高い。発熱も同じ10連レベルメータ用 IC の東芝 TA7612AP より少なく使い勝手が良い。

 LED は秋月で売っている 10 連 3 色のもの。SHARP 系 IC 用の 12連 LED アレイはよく見るのだが、10連はなかなか貴重な存在で、LM391xN や TA7612AP との相性が非常に宜しい。サイズも小さく、今回の用途にはピッタリである。


回路説明、設計時の考慮点等:

 レベルメーター部の回路はほとんどデータシートのまま ^^;。ただし、データシートによると LED 用電源は 7V Max とされており、確かに 12V をかけると IC がそれなりに発熱する。こういう場合、LED と直列に抵抗を入れるのが定石だが、基板上にスペースが無かったので、電源電圧を 5V に落とし、電流制限抵抗を 750Ωとした。この場合、全 LED 点灯でおよそ 300mA の電気を食う。1LED あたり 15mA と少し多めだが、最終的にはスモークのアクリル板を通して LED を見ることになるので、少し明るめにしておいた。(が、後日実際にアクリル板を通して見てみたところ、1K でも明るさ十分だったので 1K に変更した)

 ちなみに電源は 3V 程度でもかなり実用的に動作する。だいぶ消費電力が抑えられるので、電源に余裕が無い場合は先述のドット表示にするか、電源電圧を落とすことである程度対処できそうである。

 アンプ部は、オペアンプによる増幅〜整流〜平滑のごくオーソドックスな回路。ゲインは 25倍固定としたが、場合によっては 390KΩに直列に 200KΩ程度の VR を挿入し、適宜設定できるようにしたほうがいいかもしれない。なお、ダイオードは検波しているだけなので小信号スイッチングダイオードやゲルマダイオード、SBD など大抵のもので OK。

 またオペアンプの出力に繋がっているコンデンサの値を小さくすると応答性を上げることができる。試してみたところ、0.1μF では応答速度が上がりすぎてかなりちらつき目障りなので、実用的には 1μF 〜 4.7μF 程度がお勧め。ただしドットモードの場合はそれでも高速すぎるので、10μFぐらいが適当と思われる。


工作のポイント:

 レベルメーターは、往々にして LED 表示部をどう見栄え良くケースに固定するかがポイントとなる。今回は LED の足が長いことを利用してドライブ基板に合体(左写真参照)させる方式とした。これなら基板をケースに固定するだけでよいのでケース加工はやや楽である(が、逆に LED 用の穴はある程度正確に位置出ししなければならない)。

 またこの際、IC のピンレイアウトうまく利用するため、最終的には基板を裏向きでケースに固定することとした。今回はかなり薄型のケースに入れるので、ユニット全体の高さを 30mm 以内に収められる「基板裏返し実装」はむしろ好都合。


完成:

 1時間程度で半田付けが完了し、MP3 プレーヤーで動作を確認してみる。動作は問題ないが、若干利得が低いように感じる(これは音源機器にもよる)。ただあまり利得を上げすぎてもいろいろと問題があるし(無信号時でもノイズを増幅して、LED が点灯しっ放しになる)、組み込み予定の多機能オーディオセレクターにもアンプが入っているので、とりあえずこれで良しとした。



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