日本列島・全国郷土玩具の旅

----福岡県篇・第4回(1)----

---- FUKUOKA(4) ----




北九州の凧
「孫次凧」:古くから北九州では有名な凧です。戸畑の竹内孫次が作っていたので、その名が凧の呼び名になりました。
 昭和46年に竹内孫次が亡くなり、一時廃絶のうわさも流れましたが、現在は孫の義博さんが祖父からの技法を受け継いで製作しています。

孫次凧・製作者:竹内義博:北九州市戸畑区新地1-6-4..TEL: 093-881-4537

「道人凧」(どうじんたこ):道人凧は唐人凧(とうじんたこ)と同じ系統の凧で、北九州では唐人凧と書いても「どうじんたこ」と読んでいるそうです。
掲載の「孫次どうじん凧・唐人」は、上部に龍、下部には虎が描かれいるのですが、ちょっと現代絵画を思わせるような図柄です。
「道人凧の復元」:北九州の伝統的な道人凧の復元を、生野保幸さんが十数年前から始めています。生野さんの凧作りは、子供の遊びに作ったのがもとで、昭和53年頃から地元の小倉の凧の復元に努めていられます。

製作者:生野保幸:北九州市八幡西区木屋瀬3-6..TEL: 093-618-0116

--上記の作者2名は、本職で製作されているのではなく、お勤めのかたわら作られています。お求めの節はあらかじめ連絡、問い合わせが必要です。--

◇このほか、ここに掲載できなかった凧
「龍道人凧」:赤い炎を吹き出す雲龍の図柄。
「筑前ブンブン凧」:直方(のうがた)市で作られています。
形は長方形。図柄は役者絵や(歌舞伎役者の)隅取り(くまとり)、干支文字などが描かれています。

製作者:石井正典:直方市頓野2016-2..TEL: 09492-6-6540
(参考リンク)【CPH】→郷土玩具マップ「福岡」→「工房 筆誤庵 :道人凧」




福岡県の八朔雛
 かっては筑前から筑後にかけて、八朔(はっさく)の行事(旧歴8月1日)が盛んでした。その行事の一つに、女の子が生まれた年には八朔雛が作られました。ほとんどが、自分の家で作りましたが、なかには集落の中で上手といわれた人が作ることもありました。
この雛も現在では、ほとんどが廃絶してしまいました。
 「田主丸の八朔雛」は、たぶんこの地方だけはいまも八朔の行事が続いていて、雛が作られていると思われます。この地方は、八朔の祝いに、女の子の家から親戚や近所に赤飯やあられなどの菓子といっしょに八朔雛をつけて配ります。そのために、掲載したような色紙製となったのでしょう。
◇掲載の作品:甘木と太宰府の雛、昭和30年頃のもの。
       嘉保町大隅の雛:昭和40年頃のもの。
◇「八朔の行事」については、第3回(1)の下欄「八朔馬」「だごびーな」の記事をご覧ください。


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(1999.6.6掲載)