日本全国郷土玩具の旅:兵庫県篇.2

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姫路の屋台
姫路地方では神輿(みこし)のことを屋台と呼びそれを玩具化したもので、秋祭りの露店で売られます。
制作者は、姫路市の中山一(はじめ)さんで本業は木工所で家具などを作っており、秋祭りの季節になると屋台を作ります。中山さんは2代目で、初代の万吉さんは昭和初期からこれを作りはじめたということです。

制作者:中山一:姫路市飾磨区中島950..TEL:0792-35-1232

淡路の舟とだんじり
この作品はどちらも、淡路島、生穂町の肥田利一さんが昭和40年頃まで作られていたものですが、 現在は作られていません。淡路島の各地では春祭りに担ぎだされる「だんじり」を模した玩具でした。

瀬戸内の屋台について
布団を屋根に積み重ねた神輿太鼓は瀬戸内の各所にあり、大阪では布団太鼓、明石では太鼓、姫路では屋台、淡路島では檀尻(だんじり)、徳島ではヨイヤショ、香川ではチョウサと呼んでいる。(「兵庫の郷土玩具」井上重義著より)



■姫路のこま■
 姫路のこまは源水ごまなどで知られていました。(源水ごまは大道芸の曲独楽に使われていた、鉄輪の入った木独楽です。)  また、「飾りごま」は直径が12センチほどあり、中心を赤で周囲を緑に塗ったものと、逆に中心を緑にまわりを赤くしたものを一対にして、正月の飾りにします。この飾りごまは姫路から高砂、加古川地方にかけての独特の風習で、初正月を迎える男の子に贈り「早く独り立ちをすること」を願いました。現在では、この独楽飾りをする家も少なくなったようです。
 これらのいろいろの「姫路のこま」を制作しているのは、現在は西沢昌三さんで、10種類ほどの独楽を作っています。

制作者:西沢昌三*:姫路市青山町184..TEL:0792-66-0032

■ 姫路張り子■
 姫路張り子の主流ともいえるものは張り子の面です。半面や小面を合わせると50種ほどあるといわれています。この面作りの型は土製の瓦型を使っているのが姫路張り子の特色です。
  姫路張り子の初代は豊国屋直七といわれ、大阪で技術を習得して明治初期より姫路で作り始めました。城下町の姫路は和紙の反故紙(ほごし)が豊富に手に入り、それを材料にいろいろの張り子が作られました。
 これが、 直七の娘無婿で刀鍛治の松尾熊吉とその弟の常吉に継がれ、「姫路もの張り子」として大阪の問屋筋より全国に出荷され、地元よりも全国の玩具業者に知られていました。
 現在の製作者は、4代目の松尾真肥(まさとし)さんと、その親戚の松尾隆さんが作っています。  松尾真肥さんは、姫路張り子のほかに、京都千本釈迦堂の「黒面」も作っています。

制作者:松尾真肥:姫路市土山町2-8-3..TEL:0792-92-2509
    松尾隆 :神崎郡香寺町田野1042..TEL:0792-32-7762




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(1998.10.12掲載)