愛知県篇(3)ー1

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名古屋の張り子■かっては、名古屋市内では種々の張り子と土人形が作られていました。しかし、張り子は戦前に、土人形は平成元年(野田末吉氏の死去により)、廃絶したとされています。

乙川の土人形■知多半島、半田市の杉浦家が制作。
 現在、杉浦定吉さん(5代目)、実さん(6代目)が作っています。実に200年余の歴史を持つ土人形です。
 人形の型は、1959年の伊勢湾台風により、すっかり水に浸かって使えなくなり、現在のものはほとんどその後に作られた新しい型です。





吉良の赤馬(西尾市:田中ゆき子さん制作)■この馬は練り物製の掌に乗るほどの小さいもので、馬だけのものと、殿様が乗っているものの2種類があります。
 殿様とはいうまでもなく吉良上野介義央(こうずけのすけよしなか)です。忠臣蔵では吉良上野介は、敵役の悪者にされていますが、本来はこの地方では名君として名高い殿様でした。巡視のとき陣羽織に陣笠を被り、赤馬に跨っていたといわれ、その姿を玩具化したものです。
この吉良の赤馬を土鈴にしたのが【赤馬土鈴】で、きらら鈴・雷よけ太鼓鈴とともに、八ツ面焼窯元の松田克己さんが制作しています。

西尾の犬■吉良の赤馬とともに田中さんが作っています。
 昔は、産婦のある家ではこの犬を買って、その一つを氏神さまに供え、もう一つを家の神棚へ飾り、お祈りをすればお産が軽いといわれた、安産祈願の犬でした。



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(1997.12.15掲載)

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