----山梨県篇ー1----

----YAMANASHI----


■山梨県の郷土玩具ガイド■(掲載されていないもの、廃絶品を含む)

 甲府:甲州だるま。虫切り土鈴。富士浅間大社の絵馬。張り子の天神。福龍。

 塩山:鳩笛。かなかんぶつ。

 奈良田:おぼこ。木槌。鉄砲。


◆山梨県は郷土玩具の比較的に少ないところですが、長い伝統をもつ甲州だるまや、
市販されることもなく、あまり知られていなかった民俗行事で作られる奈良田の木製
玩具などがあります。



甲州だるま
 甲州だるまは、高崎系のだるまで赤色のほかに、珍しい白色のだるまや親子(子持ち)だるまがあります。
 白色のだるまは、綿を栽培している農家が、色のついただるまを嫌って白を買ったものです。
 特徴は目玉が入っているところで、その目玉の位置が下睨みに描かれています。これは、神棚に祭っただるまを下から見上げて願いごとをし、視線が合うことで願いことが叶うからといわれているためです。

張り子の天神
武井忠次郎(故人)の作で、彩色も形もよく、人気がありました。現在は作られていません。




塩山(えんざん)の鳩笛
伝わるところでは、江戸八丁堀にいた鳩の文助という職人が、安政の頃(1854〜60)甲斐国松里村三日市場に移り、信玄公の菩提寺、恵林寺山門近くで楽焼風の信玄焼きを作り、その傍ら鳩笛を焼いて売ったといわれています。また、別の説では、鳩の文助は、甲斐国山梨郡岩手村の岡部文助で、後に真嶋家に聟入して真嶋幸右衛門、またの名を人形家幸右衛門と呼び、松里村三日市場で信玄焼と鳩笛を焼いていたと伝えられ、三代目幸治郎の代で終わったと伝えられます。
この廃絶されていた鳩笛は、戦後、甲府市の佐藤君三さんが復元して制作しています。
掲載の干支土鈴も佐藤さんの制作している土鈴です。

干支絵馬
富士浅間大社の正月の授与品。毎年の干支にちなんだ土鈴飾りが中央に貼りつけてあります。

虫切り土鈴
御岳金桜神社に古くから虫切り土鈴があり、「金桜神社の土鈴」とも呼ばれています。
小指の先ほどの土鈴で5個または10個が紐で結ばれています。子供の寝ている部屋の天井に吊り下げておくと、疳の虫が切れる(治る)といわています。


(1997.9.15掲載)


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