【民芸館】......全国郷土玩具の旅


千葉県篇(1)ー2

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■佐原張り子■
だるま(未掲載)作りとともに、さまざまな型が制作されています。
亀車は甲羅のまん中から出ている糸を引くと、中に仕掛けられた車にゴムが巻かれ、それが動力となって、手を離すと亀が走るという素朴な玩具です。かに車も同様の仕掛けのものです。

初代の鎌田清太郎さんは、埼玉などの張り子を縁日で売っていたが、元来が器用で、自分で木型を作り制作を始めました。
その初期は東京の亀戸や船渡の張り子をまねた首振り張り子であったようです。
現在は、その孫の芳朗さんが、2代目を継いでおられ、新しい型も起こされています。



■下総の諸玩具(首人形・柏張り子)■
すべて、戦後、松本節太郎さん(根戸工房)が作り始めた玩具です。
下総首人形は、直径2〜5センチほどの土製の半面で、数本を麦藁の束に刺して、吊り下げられるようにしてあります。西遊記、十二支、七福神、動物シリーズなどいろいろ作られています。
張り子は、下総天神、虎、干支の動物玩具、その他、じつに多くの種類があります。

松本さんの回想録によれば、「放浪歴40年の後、柏市に落ち着き、食べるために子供向きの玩具を作り始めた」そうですが、「売れそうなものなら次から次へと工夫し」「四季を通じていろいろ工夫し、売れそうな玩具を作った。今ではどうにもならないほど種類が多くなってしまった」と言われます。
本人は、客の注文に応えて何でも作る際物師(きわものし)で、郷土玩具と呼ばれるような物ではないと語っていられますが、独自に作りだされた面白い作品群です。




(1997.6.22掲載)


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