民芸館‥埼玉（２）ー１

埼玉県篇（２）ー１

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■鴻巣の練り物人形■：鴻巣市は岩槻と共に関東を代表する節句人形の生産地として知られていますが、また、民芸品の練り物人形の伝統が受け継がれてきました。
鴻巣市人形町の「吉見屋」関口家に伝わる「雛人形製造沿革誌（関口磯五郎氏記述）」には、「天正年間（１５７３～１５９２）、京都伏見の人、某なる者此の地に居住し、土偶を製して販売せしに始まる」と記されています。
また、「雛と人形」（昭和４９年刊。伊藤正夫著）によれば、鴻巣、天神町の生出塚（おいでづか）神社のご神体・天神像の体内の空洞に納められていた木片に「京都の仏師、藤原吉圀（よしくに）が刻む、貞亨四年（１６８７）」と記載されていなす。先の関口家の「京都伏見の人、某」とは、この人ではないかといわれています。

■鴻巣の赤物■：鴻巣の練り物の中でも特に知られているのが「赤物」といわれる人形類で、昔「疱瘡（天然痘）除け」に（魔除けの）赤い物を子供に持たせたのが始まりと言われます。
掲載の現在の赤物の、中央のエビは、正月のしめ飾りに使われるものです。

（１９９７.５.26掲載）

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