Ortofon 2M Blue
MM型カートリッジ

これはオフィスのターンテーブル用です。

オフィス用機材
DENON DP-300F ターンテーブル
Eleckit TU-8200R 真空管アンプ
Klipsch R-51M スピーカー
Ortofon 2M Bronze

JBL Stage A120 スピーカー(引退)
Boyuu A2 真空管アンプ(引退)


特性の計測結果 2020年2月20日追記

オルトフォン 2M ブルー

 オフィス用に入れたターンテーブル DENON DP-300F、2万円とは思えぬ品質で、いつも楽しく聞いています。JBLスピーカー Stage A120や、真空管アンプ BOYUU A2を投入したことで、さらにクオリティーが上がりました。

 現状で特に不満はないとはいえ、ここで、ものを増やさず、最少の投資で、さらに大幅に音質を改良できる方法は?・・・と考えれば、オーディオファンならすぐ気が付きますよね。
カートリッジをグレードアップすることです。
DP-300Fの内蔵フォノアンプがMM専用ですから、ものを増やさないという視点からはMM型という制約はあるわけですが。

 DP-300Fの付属カートリッジは、接合ダイヤモンドの丸針ですが、コストからみると十分な仕様だし、決して悪い音とは思いません。そのまま聞いていてもまったく問題は感じませんが、楕円針を備えるカートリッジに変えれば、音質のアップグレードが大幅なのも確実に思えます。


DP-300F付属カートリッジ。

 コストバランスも考えて、私がたどり着いた結論は、Ortofon 2M Blue。実売価格で 23000円程度です。非接合のヌードダイヤモンド楕円針を備えます。

 何の苦労もなくヘッドシェ
ルに取りつけられて、針圧も指定の1.8gに調整OK。もちろんインサイドフォースキャンセラーも微調整します。幸いに、カートリッジの高さもほぼ変わらないので、アームの水平も変わりませんでした。J型アームですが、ラテラルバランスの調整はありません。

参考までに: DP300Fの付属カートリッジは丸針です。楕円針とはインサイドフォースが異なるので、2M Blueでは、アームの横のインサイドフォースキャンセラーのダイヤルも 1.8g に合わせて終了、というわけにはいきません。楕円針のほうがインサイドフォースは大きいはずなので、ダイヤルの数値は1.4倍くらいにする必要があります。私は2.5gくらいにしてあります。逆に、ラインコンタクト針は丸針よりインサイドフォースが小さいので、ダイヤル値で半分とかにしておく必要があるのです。一般にはあまり認識されていませんが。詳細はこちらに解説しておきました。しらなきゃ大変ってほどの事ではないのですが、間違ったインサイドフォースで何年も聴いていると、針先が左右に寄ってしまいます。そうなったカートリッジを中古品でよく見かけます。

その音は?
 付属品でもなにも不足は感じていませんでしたが、さすがに2M Blueに変えると、やはりその差は大きい。
 高音が出るとか、低音が出るとか、ノイズが少ないとかいうことではなく、
これまではマスクされていた小さな音までよく聞こえます。

 例えば、遠慮深い感じだったジャズのシンバルが、実は遠慮深くなかったことがわかりました(^^; だからって、高域が上がった感じではないのです。

 ファイルサイズを圧縮した音源ファイルから96kHzのハイレゾ無圧縮ファイルに変わったみたいな差、というのが一番わかりやすいかな。

 小音量でも音が良く通り、オフィスで小さな音で聴くにしても、オーディオ的には意外と小さくない差でした。




驚きの実測結果
 2MもSumiko Starling で適用したのと同様、テストレコードで周波数特性を計測してみました。

 というのも、私がよく参考にしているLowBeatsというドイツのサイトに載っている2M Blueの計測結果が驚異的によいからでした。

 このサイトでのSUMIKO Starling の計測結果は群を抜いていて(評価もほぼ満点)、私がStarlingを買う気になったきっかけのサイトでもあります。Starlingの評価はまったく正しかったと思っています。

 2M Blueも、価格対価値では、「最高精度のMMカートリッジ」と評価されています。確かに、その計測結果は、2万円で買えるカートリッジとしてはちょっと驚き。
 えー、本当なのかな〜、と思ったのです。

 早速、実測してみた結果が以下。
 上が周波数特性。下が、クロストークです。ちなみに、左右差はDEQ2496で補正していない生の状態で、これです。






な、なんだこれ!! Low Beatの結果よりいいじゃん。
しかもです、フォノイコライザは、2M Blueを付けている DENON DF-300F (こちらも2万円!)の内蔵フォノアンプでの結果なのです。

 特性はほぼフラット(ほとんどStarling並に)。
 しかも、
クロストークは1kHzでは-30dB
 カタログ値の-25dBは、160Hz〜2.5kHzくらいで満たしていることになる。

 ん〜〜〜〜、これをたったの2万円で売ったらだめでしょ。

 内蔵フォノアンプの「安さ」は、クロストークの100Hzの大きなピークに見てとれます。これはいわゆる「ハム」です。これは結構大きい。こんなハムは、OCTAVE EQ.2や、Phasemation EA-3-II には全くありませんからねえ。

 それじゃ、2M Blueを、自宅のオクターブ EQ.2 で聴いたらとうなの・・・と当然思いますよね。そこで、はじめて自宅にもってかえってきて、本気で聴いてみました。

 針圧は重めの2gに設定、インサイドフォースキャンセラーも楕円針なので、ラインコンタクト針よりは大きめに設定して、聴いてみました。

 低音はStarlingに負けない。よく弾んで、オルトフォンらしい。中域もよい雰囲気です。高域も、つまった感じはなく、よく出ます。
 が、惜しいかな、楕円針なのを反映して、高域は、Starlingを聴きなれた耳には、すこしひずみっぽく、正直言って、若干うるさい。ラインコンタクトではないので、いわゆる昔ながらの針音が、すこしですが、でも、明らかに多い。

 まったく悪い音ではないのですが(というか、かなりいいですが)、さすがに、マイクロリッジのSUMIKO Starlingとの比較では、ブラインドテストでも確実に判る違いではありました。

 でもね、これって2万円ちょっとですよね。Starlingは20万円以上なんですから、コストを考えると、2M Blueは、ほんとにすごいカートリッジというべき。オフィス用として、これはお買い得でしたねえ。ますます気に入りました。

P.S. その後、Ortofon 2M bronzeに更新しました。

(2018年10月13日記)
(2020年2月20日追記)

 

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