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2018.12.24

AC100Vオフタイマー(汎用版)

AC100Vオフタイマー

昨年6月、扇風機のオフタイマーを作ったが、これを汎用化して8時間、1500W迄制御できるタイマーを作ってみた。1500Wあればコタツや電気カーペットなどのタイマーに使える。

操作性は前回のタイマーと同じで、時間設定は1H〜8Hの1時間刻みと連続動作のみ。時間設定と経過の様子はLEDを並べて表示する。

(注) AC100Vを扱う工作ですので、製作は自己責任でお願いします。


AC100Vオフタイマー

ケース選定

1500Wの制御をSSR(ソリッドステートリレー)で行うと放熱が大変そう(ヒートシンクが大きくなる)なので、パワーリレーを使うことにして、収まるケースの検討から開始した。結果、写真左上のタカチTWN7-5-11Wになった。

右側に写っているのがオムロンのパワーリレーG7L-1A-T、コイル側が100Vのもの。2個あるが1個のみ使用。

AC100Vオフタイマー

回路図

PICは手元にあった8ピンのPIC12F675、時間表示のモニタは9個のLED(赤8個、緑1個)、通電モニタLED赤 1個、電源はコンデンサを使ったトランスレス電源。クロックはPICの内蔵発振4MHz(回路図拡大図)。

PICでSSRを制御し、SSRでパワーリレーを制御する2段制御。コイルがDCのリレーを使えば1段で済むが、トランスレス電源でリレーをオンオフする電流を得るのが困難なため。

AC100Vオフタイマー

デバッグ

ブレッドボードでデバッグ中。4ピンで10個のLEDをダイナミック点灯させるため配線が多い。一番右の赤LEDはSSR制御用信号のテストモニタ用で、これはスタティック点灯し、本番ではSSRに繋がる。

プログラム

    電源を入れとき(コンセントに挿したとき)は、電源オフ。
    タクトスイッチを押すたびに以下の(1)〜(4)のモードを順次切り替える。

    (1) 電源オフ    (電源を入れたときはココ)
    (2) 1時間タイマ
           〜
    (3) 8時間タイマ
    (4) 常時オン   

    時間設定時のLED点灯
               1H  2H  3H  4H  5H  6H  7H  8H 連続
               赤  赤  赤  赤  赤  赤  赤  赤  緑
      オフ     ○  ○  ○  ○  ○  ○  ○  ○  ○
      1H       ●  ○  ○  ○  ○  ○  ○  ○  ○
      2H       ●  ●  ○  ○  ○  ○  ○  ○  ○
      〜 
      8H       ●  ●  ●  ●  ●  ●  ●  ●  ○
      常時オン ○  ○  ○  ○  ○  ○  ○  ○  ●

    タイマ動作中は1秒ごとにLED点滅(★)
               1H  2H  3H  4H  5H  6H  7H  8H 連続
               赤  赤  赤  赤  赤  赤  赤  赤  緑
      オフ     ○  ○  ○  ○  ○  ○  ○  ○  ○
      1H未満   ★  ○  ○  ○  ○  ○  ○  ○  ○
      2H未満   ●  ★  ○  ○  ○  ○  ○  ○  ○
      〜 
      8H未満   ●  ●  ●  ●  ●  ●  ●  ★  ○
      常時オン ○  ○  ○  ○  ○  ○  ○  ○  ●

     ※タクトスイッチを押した後、1秒経過するとカウントダウン開始。
       1秒以内に連続して押すことで時間設定が連続してできる。

     ※カウントダウン点滅時にスイッチを押すと、点滅していた時間が
       改めて設定される。例えば、2HのLEDが点滅中(残り1.xH)に
       スイッチを押すと2Hに設定される。点滅タイミングによっては
       押してないように見えることがある(2HのLEDが点滅の点灯時に
       スイッチを押しても2Hになるので点灯状態のまま)。

アセンブラソースコードHEXファイルです。バグがあるかもしれません、無保証です。著作権は留保しますが、改変などご自由にどうぞ。


AC100Vオフタイマー

内蔵発信キャリブレーション

内蔵発信はPIC内に記録されたキャリブレーションデータで校正すると±1%の誤差という仕様だが、念の為に測定してみた。

今回、若干誤差が大きく1.26%あったので、キャリブレーションデータを調整して0.22%まで追い込んだ。写真は調整後の周波数で、期待値250KHzに対して若干高い。8時間が1分強短くなる。しかし、気温等で変わると思う。

測定している周波数カウンタは以前作ったもの

AC100Vオフタイマー

ユニバーサル基板

手元にあったタカチの基板がケースにピッタリだったので、これを使用することにした。四隅のスルーホールがケースのボスに合った。

AC100Vオフタイマー

基板加工

基板の中央に出力用のアウトレット(コンセント)が付くので、そのための穴開け。プロクソンのミニルータにダイヤモンドビットを付けて切り抜いていきます。

AC100Vオフタイマー

ケース加工

手作業で9個のLEDを一直線に5.08mm(ユニバーサル基板の2.54mmピッチの2倍)間隔で開けるのが厳しそうだったので、CNCフライスを使って開けました。

AC100Vオフタイマー

ケース・基板加工完了

こんな感じになりました。

AC100Vオフタイマー

ACプラグ

ケースの裏にACプラグを出すので、写真のプラグから金属金具だけ取り出します。

AC100Vオフタイマー

ACプラグ固定部品

アクリルから部品を切り出して固定します。この写真に写っているポリカーボネートの皿ビスが、工作中に行方不明になり、ビス1本だけネットで購入しました(詳しくはブログ参照)。

AC100Vオフタイマー

基板組み立て

まず、9個のLEDの高さを揃えるため、ケースに開けた穴に挿した状態ではんだ付けします。写真の状態ではんだ付け。ちょっと狭いので、ケースにはんだ鏝がぶつからないように注意。

AC100Vオフタイマー

動作テスト

外部から5Vを供給してテスト中。タクトスイッチの上にあるLEDが通電モニタ用LED。

AC100Vオフタイマー

基板裏側

左端がPIC、右端がSSR、SSRの下側のDIPはブリッジダイオード。トランスレス電源のためのコンデンサ、フューズは基板外に実装する。

AC100Vオフタイマー

ケース表側

LED、タクトスイッチはこんな感じで顔を出す。タクトスイッチ穴は、このあとで座ぐりました。

AC100Vオフタイマー

組み立て

プラグ、アウトレット、基板など、ケースに収める前に配線できるところを配線します。アウトレットから基板に繋がる黄色いコードはまだ繋いではダメだったので、ケースに収めるときに切って繋ぎ直しました。

AC100Vオフタイマー

パワーリレー

パワーリレーはケースの蓋側にスポンジ入り強力両面テープで貼り付けました。このために蓋にあるボス2個(右側)を削り取ってあります。

AC100Vオフタイマー

ケースに収める

こんな感じでケースに収めます。

リレーはタブ端子式でしたが、直接はんだ付けしました。1uFのコンデンサ(緑色)も両面テープで貼り付けてあります。

AC100Vオフタイマー

完成(裏側)

ACプラグは電極の間にあるポリカーボネートのビスで固定してあります。金属のビスだと危険です。

AC100Vオフタイマー

完成(表側)

ラベルはカシオネームランドで作成。

AC100Vオフタイマー

通電

動作中の様子です。8時間に設定し、8時間目のLEDが点滅しているところ。

動画

以上


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