ホーム > 家族のギャラリー > London旅行記 > 6日目

ロンドン6日目 ストと雨の中をシティ探訪

下鉄がストです。テレビニュースでも報道されてましたが、まさか本当にストが決行されるなんて思わなかった。運がわるい。おまけにロンドン滞在中で初めての雨だ。取り敢えず地下鉄の駅まで行ってみたが入り口の門が閉まっている。ストの原因は「料金値上げ反対」利用客のことを考えているような迷惑なような理由だ。バッキンガムに行った日は中心地で「イラン攻撃反対」の大規模なデモがあった。イギリスは日本では昔に消えてしまった「デモ」や「スト」が本気で行われる民主主義発祥の国なのねと実感。

予定していたセントポール寺院大英博物館方面に行くためのバス路線を調べる。ホテル前の通りはバスが全然こないので、地下鉄のアールズコート駅近くの通りまで歩く。しかし、ここでもバスは全然こないし、来たと思ったら満員で乗れない。再び路線図を調べて違う路線のバスが通っている大通りまで歩きだした。マーフィーの法則なのか、歩き出してしばらくしたら空いているバスがやって来た。慌てて前のバス停まで戻り、なんとか乗ることができた。取り敢えずの行き先はバス路線の集中するビクトリア駅にした。

雨の渋滞の中、混乱した道をバスはゆっくり進む。自転車やバイクは横をすいすい抜けていく。住宅街の庭先で小規模の幼稚園なのか数十人の子供が雨の中で体操をしていた。なんとかビクトリア駅に着く。ここは大きなバスターミナルがあり、各方面行きのバスがでているのだ。駅前のロータリーは混乱していたが、警官や案内人が乗り換えを教えてくれた。

ここでセントポール寺院方面にいくバスを待ちますが満員でなかなか乗れない。ロンドンのバスは立ち乗りの人数に制限があるようで、日本の感覚だとまだ充分乗れるバスでも乗せてくれません。ようやく乗れたバスですが、途中で渋滞で全然動かなくなりました。

滞がひどいのでセントポール寺院まで行くのは後回しにして、運転手に言ってバス停でないところで降ろしてもらい、近くのウェストミンスター寺院に寄ることにした。ビッグベンの裏手にある寺院で、王室の戴冠式や葬儀が行われることで有名です。故ダイアナ妃の葬儀もここで行われました。中にはエリザベス1世など、代々の王の棺が眠っています。残念ながら写真禁止なので内部の写真はありません。

寺院の中には幾つもの礼拝堂があって、作られた年代も装飾違うのです。戴冠式に使われる椅子は11世紀に作られた木製で大きいけど豪華な感じではなく落書きなども目立った。

日本人の修道士のおじいさんが話しかけてくれ、有名なお墓を案内してくれました。セントポール寺院は王族をはじめ著名人のお墓があるのです。お墓といっても通路の床下に棺が収められていて、みんながその上を歩いているのです。芸術家ではシェイクスピア、テニスン(詩人)、ヘンデル(音楽家)、最近の人ではローレンスオリビアなど、科学者ではニュートン、ダーウィン、ファラディ、フレミング、マックスウェルなどが眠っています。おじいさんに聞いたところ、棺の中には遺体がそのまま眠っているのですが、踏んでも平気なのだそうです。

この修道士のおじさんは本当に親切で「日本では大きな台風が来ているようだ。」など話しかけてくれた。お行儀の悪い日本人観光客も多いと思うが、優しい対応に本当に感謝。

ウエストミンスター寺院前の渋滞 ウエストミンスター寺院入り口

ェストミンスター寺院を見学している間に渋滞も治まり、雨もあがってきたので、再びバスに乗りセントポール寺院に向かいます。バス停でイギリス人に話しかけられた。仕事で何度か日本に来たことがあるそうで、ようやく乗った満員のバスで「日本の地下鉄のようだ」といってました。でも、日本の地下鉄の方がもっと混んでいるよ。

セントポールは雨と渋滞のためか比較的空いています。まずはドームの上まで階段で上ります。ドームの回廊は3層になっていて、1層目(ささやきの回廊)はドームの内側、2、3層目は外側にあります。ささやきの回廊は、ドームの放物面のために小声で話しをしても反対側で声が聞こえるらしい。

2層目は石の回廊、3層目は黄金の回廊と言われています。黄金の回廊は高さ寺院の床から84メートルだそうです。 2、3層目にあがるには一人がやっと通れる位の細い螺旋状になった階段を上ります。3層目の回廊はとても狭く、人がすれ違うのがやっとです。雨上がりで床が濡れていて、足がすくんでちょっと歩くのが精一杯でした。

セントポール寺院正面 ドームの上から眺めた寺院正面方向

ドームに上る階段 ドームの上にある黄金の回廊 ドームの上から眺めたミレニアムブリッジとテートモダン方面

ドームから降りて(降りるのも大変)、内部を見て回りましたが柱の彫刻や天井の絵、ステンドグラスなどどれもすばらしいものでした。ここも写真禁止なので写真なしです。地下聖堂にはネルソンをはじめ有名人のお墓があるのです。死体をこういうところに収めて見物も許すのは日本人と違った感覚です。

おなかが空いたので地下にあるクリプト・カフェで軽い昼食をとりました。カフェはセルフサービスでテーブルもがたついた少し寂しい所です。サービスしてくれる女の子が日本人でした。暖かいスープを飲んで元気が出てきました。

台風の被害が心配なので時差を確認して自宅に電話してみました。「報道された程には酷い台風じゃなかった」という話しを聞いて安心。それにしてもストにしても台風にしても何も私たちが旅行中にすることないじゃないと思うが、アクシデントも旅の味付けと前向きに考える。

はいよいよ大英博物館です。セントポール寺院の前からバスに乗るが、もう殆ど渋滞していません。バスを降りてしばらく歩くと、本やテレビで見慣れた正面玄関が見えてきます。入場は無料ですが寄付を募っています。さすがにここは日本人観光客が多く、やはりロンドンにきたら大英博物館ですよね。今までで一番多く日本人と遭遇しました。

ガイド付きの日本人ツアーも見かけました。確かに専門家にじっくり案内してほしいですよね。旅にでる前に、達人たちの大英博物館(講談社) 、大英博物館の舞台裏(平凡社)、たけしの大英博物館見聞録(新潮社)、大英博物館のAからZまで(ミュージアム図書)など何冊かの本を読んだが、一夜漬けではなかなか頭に入らない。

まずは定番の古代文明に関する展示からスタートです。テレビや本で見たことのある古代の彫像が目に入ります。みんな(ほとんどのものが)本物です。数千年の時を経て、今ここにあり、それを見ている自分がいると思うと不思議な気持ちです。それにしてもよく集めた(略奪が多いが)ものだと関心する。

ギリシャのパルテノン神殿の壁の彫刻(エルギン・マーブルズ)も、こんなものをよく剥がして持ってきたなとイギリス人の収集癖に脱帽です。日本人に人気があるというミイラの部屋は、外国人にも人気のようで結構混んでいました。数千年前のモノですが遺体ですよね。ここでも遺体に対する西洋と東洋の文化の違いを感じた。

大英博物館正面 旅行前に読んだ、たけしの大英博物館見聞録

中央に位置するリーディングルーム リーディングルームの中

博物館の中央にはリーディングルームという図書館があります。大英博物館で研究していた南方熊楠は、ここで無礼だった英国人を殴ってしばらく出入り禁止になったらしい。そのリーディングルームの上で「シバの女王」の特別展をやっていました。特別展は有料ですがロンドンパスで入れました。歴史的な背景の知識が足りず、イマイチ興味が持てずに残念。聖書やローマ神話の知識があればもっと楽しめるでしょう、帰国したらもっと勉強しようと謙虚に思ったが、未だ実行できず。

ミュージアムショップであれもこれも欲しかったけどロゼッタストーンのレプリカやハリーポッターに出てきた魔法使いのチェスのコマを購入。またまたカフェで一休み。ここでも日本人の若い女の子が働いていた。若い頃にこんな風に海外で働きながら暮らしてみたかったなぁとしみじみ思う。大変だけどガンバってね。

休憩後、南米やアフリカなどの珍しい展示をじっくりみるとあっという間に5時、この日は大英博物館の閉館時間は5時でしたが、曜日によっては遅くまで開館しています。

有名なロゼッタストーン パルテノン神殿からもってきた大理石(エルギン・マーブルズ) 一度壊されたことで有名?なポートランドの壷

ラブラ歩いてソーホーと呼ばれる地域まで徒歩で移動です。ソーホーの中華街で中華を食べた。ガイドブックに載っている有名そうな大きな店でしたが美味しくない。日本によくある、街の中華屋のほうがずっといい。これまでロンドンでは美味しい物に当たらない。最初から食べ物に期待してないが、外れてばかりだと悲しくなってくる。後で思い起こすと、この頃が旅の疲れと興奮のピークだったかなと思う。

トラファルガー広場へ行くが工事中だ。ロンドンの中心地は建物は歴史ある重厚なのに結構ゴミだらけで汚い街だ。地下鉄の入り口に無料の情報紙が積んであって、みんな勝手に取って地下鉄の中で読んでそのまま道ばたに捨てるのだ。時々掃除人もいるがあんまりやる気が無い。レーキを逆さまに使っている人がいたが何か意味があるのか?

広場前にあるナショナルギャラリーに入りました。ゴッホ、ダビンチ、ラファエロと私でも知っている画家の名画が次から次に並んでいた。今日は水曜なのでよる夜9時迄開館してます。都会の一等地にこんな凄い絵画を集めたギャラリーが無料で夜遅くまでオープンしているとは、文化の懐の深さを思い知るのだ。ここでもロンドンパスをみせて綺麗な案内書(日本語もありラッキー)をもらいました。ゆっくり見ていたいが、地下鉄が止まっていてスムーズに帰れるか心配だったので8時前には外にでた。

ソーホーの中華街 夜のナショナルギャラリー

帰りのバスでまた一波乱。ホテルに向かうバスに乗って安心していたのに、車掌さんがいきなり「このバスの次のバス停でお終いだ」と言い始めた。他の乗客が詰め寄っているのを聞いていると前のバスと同じ行き先だからあっちに乗れと言っている。仕方がないので降りて、走り始めた前のバスを追っかけて乗せて貰う。何が何だかわかりません。

そのバスでフルハムブロードウェイ駅(ホテルの一つ先の地下鉄駅)まで行き、スーパーに寄ったりしてホテルには9時過ぎに戻る。毎日のお出かけでお疲れなのだが、不思議と気分は高揚して元気いっぱいなのだ。旅行向きの体質と思う。夜、知らない街角を旦那と二人で不安に思いながらあちこち大冒険でした。

今日は本当にバスも使えるトラベルカードと路線図を持っていて助かりました。

インデックス 前 次

Copyright (C) from Metal Woods 2003