『週刊かすてら・愚か者の退屈な生涯』2018年第24号
18年 5月27日 日曜
晴。
バナナ、烏賊の磯辺揚げ、蕎麦。外出せず。昼寝。『巨神計画 上』読了。『同 下』読了。あっという間に読み終わってしまった。勿論、エンターテインメントとしては長所である。六千年前、十七のパーツに分割されて地球全土に埋められた、体高六十メートルを超える人型ロボット。前半は、パーツを見付け出しロボットを完成させる話。後半は、ロボットの存在を巡る国際的な駆け引きの中での冒険活劇。平行して、ロボットを残していった宇宙人の意図なども少しずつ明らかに成っていく。特徴ある登場人物、予想せざる困難と悲劇、主人公達の陥る危機、希望に満ちた結末。良いエンターテインメント。軽いのは確かだが、これ以上を求めるのは無い物ねだりであろう。こういう、アイテムを全てコンプリートしようとする、捜索と争奪の物語というのはよく在るが、原型は何だろうな。アイテムを人に置き換えれば『水滸伝』や『八犬伝』に成るが。塩鯖、塩鮭。ビデオ。『目がテン』御朱印ガールの秘密。神社の科学。御朱印は何故集めたく成るのか/鎮守の森は、災害から人々を守る役割を果たしていた。『所さんお届けモノです!』有名観光地の隣町(6)軽井沢のお隣「下仁田」。蒟蒻とジオパーク。『ポツンと一軒家』。
18年 5月28日 月曜
曇。
バナナ、塩鮭。買い物。昼寝。どうしてこんなに眠れるんだろう。山折哲雄著『神秘体験』読み始める。焼売、カレーライス。ビデオ見ず。
18年 5月29日 火曜
曇。
バナナ、烏賊の磯辺揚げ、蕎麦。買い物。図書館。『神秘体験』読了。講談社現代新書。神秘体験とはどのような物か、という網羅的な考察。酸欠や不眠、飢餓、臨死体験、はたまた音楽や幻覚剤などによる幻覚が、死生観や宗教的な物に結び付く感覚について。そして、本来個人的な物であるそのような体験が、組織化され一般化されていく過程が、著者自身の体験も交えた様々な資料から体系化される。最後に、東西の戦没者の手記の比較、三島の自死についての分析などから、日本人独自の死生観を考える。「肉体の生理を極限まで混乱におとしいれることによって、超自然的なサインを受けとろうとする信念」(p.25)。「思うに、生理の過度の禁圧は法悦と苦痛、光明と暗黒を交互にひきおこす誘因となるのであろう。それは一瞬のうちに天国と地獄のイメージをあふれさせ、死とエロスの両義的な情感を増幅させるといってもいい」(p.26)。「『神話』の源泉は、手のとどかないような、たんなる非現実界のかなたにかすむように漂っているのではない。それは現実界の臨死者の意識下にも、格納されていたのである」(p.46)。「そういうさまざまの神秘体験が、やがて一つの思想的な流れとなり、理論化されるようになった。神秘体験が人間存在にとって価値あるものとして、哲学的、神学的に意味づけようとする試みがおこなわれるようになったのである。神秘体験が思想的なことばで語られるようになったのだといってもよい」(p.48)。豚カツ。ビデオ。『ヒャッキン』。風呂のごみなどを救い取るネットで、ゴムで弾くとネットに付いたごみが一瞬で取れるのが気持ち良い。シャンプーなど詰め替えを袋ごと行うボトルも便利そう。他には、茹で卵の白身だけを波形に切る道具が面白い。単に便利なだけでなく、意外な着想に驚きと言うか、エンターテインメント性がある。また、アレンジグルメはいつも楽しい。『土曜時代ドラマ そろばん侍 風の市兵衛』(1)春の風(上)。予告編で、忍者など出て来てちょっと殺陣が面白そうだったので録画した。一回目では殺陣の面白さはまだ良く判らないが、期待できなさそう。演出はもたもたしている。テレビドラマではこれくらいで良いのかとも思う。映画と違って、明るい所で物を食べたりおしゃべりしたりしながら見る訳だし。でも、デジタルハイビジョンなのに……とも思う。8Kに成ったら如何するのだろう。渡辺いっけいと原田泰造が妙に切れの良い演技をしていて、他の役者の下手くそさが際立つ。『地球ドラマチック』皇帝ネロの捜査ファイル〜暴君は真実か?。
18年 5月30日 水曜
曇後雨。
バナナ、烏賊の磯辺揚げ、蕎麦。外出せず。昼寝。昏々と眠る。アリソン・アトリー著『西風のくれた鍵』読了。民話風の童話六編収録。単純にお金持ちに成ったり、王子様と結婚したりして大団円と成る話はないのが特徴か。それぞれに個性的な幸せの形がある。それだけに葛藤の質が内面的で派手さに欠ける。はっきりした悪人が登場せず対決形式に成らないが、子供の興味は持続するらしい。子どもたちの抽象思考の萌芽を刺激するのか。悲しい思い出を忘れてしまう事で解放される話が二編ある。それが幸福な結末かどうか微妙な処だが、子供向けの話でそれを描いた処が素晴らしい。イギリスの田舎の町や自然の描写が丁寧で、イラストと朗読を組合わせた紙芝居のようなソフトを作れば面白かろうと思う。ハムカツ。ビデオ。『女子バレーボールネーションズリーグ2018』イタリア戦と中国戦を続けてみる。イタリアにはフルセットで勝ち。中国には3−0で負ける。もっとこてんぱんにやられるかなと思っていたが、案外試合に成っていた。中国、個人の技量は凄いが、コンビネーションは案外下手くそ。怪我の影響で宮下と長岡が出場していないのがちょっと寂しい。『美の巨人たち』オーギュスト・ペレ「ノートルダム・デュ・ランシー教会」。
18年 5月31日 木曜
曇。
バナナ、烏賊の磯辺揚げ、蕎麦。買い物。昼寝。アリソン・アトリー著『氷の花たば』読了。前作と同じ民話調の童話集。民話調だが教訓がなく勧善懲悪や因果応報に成っていない処も前作と同じ。そういう意味では不条理文学的である。とは言っても悲劇は一編もなく、カフカ的閉塞感に陥る話はない。筋立てに捻りはなく単調と言って良いが、巻頭の「メリー・ゴーラウンド」に於ける、木馬が生きた馬と成って街を駆け抜ける場面など、イメージの鮮やかさが印象に残る。ミルハウザーの最新作も人形が動き出す話だったが、その部分だけ取りだせばこっちの方が冴え冴えとしている。どうも俺はミルハウザーとは相性が悪い。鰹のたたき。ビデオ。『女子バレーボールネーションズリーグ2018』日本×アルゼンチン。3−0で日本。
18年 6月 1日 金曜
晴。
バナナ、烏賊の磯辺揚げ、蕎麦。買い物。図書館。昼寝。アストリッド・リンドグレーン著『長くつ下のピッピ』読了。名作とされるが初読。吃驚するほど面白く、不勉強を恥じる。船乗りのお父さんが海に流されたピッピは、ごたごた荘という小さな家で一匹の猿と一頭の馬と共に暮らし始める。船旅暮らしで育ったピッピは、常識を知らず奔放気侭で、大人達を混乱に陥れ、子供達を羨ましがらせる。ピッピの怪力と財力も痛快だが、やはり、彼女の出鱈目な会話が最大の魅力である。「マーリンは、お料理の本をよんでね、クリスマスのブタは、耳には巻いた紙をさし、口にはリンゴをはさんでだすものだ、とおぼえたの。ところが、かわいそうにマーリンは、リンゴをくわえるのはブタだってことが、わからなかったのね。ほんとにみせたかったわ!そのクリスマス・イブのとき、マーリンはね、白いエプロンをつけて、口には、大きなリンゴをくわえてきたのよ!」(p.189)。落語の「粗忽長屋」や筒井康隆の「最悪の接触」を思わせるナンセンスな会話が続くのである。ハンバーグ。ビデオ。『タモリ倶楽部』「真夜中の静かなる寝姿の祭典 NEZZZ…Oチャンピオンシップ女子フリースタイル」ベッド上で繰り広げられる無意識の芸術スリーピングビューティー!タンクトップと短パン美女の寝姿に興奮!ラウンドガール、ぽっちゃりグラビアアイドル、ハーフ美女…グランプリは!?。『イッピン選』くっきり鮮やか!天然モダン〜静岡の染物。『THE 世界遺産』武陵源の自然景観 中国・湖南省 絶景誕生のナゾ/空中に田畑!/最後の秘境発見。
18年 6月 2日 土曜
晴。
バナナ、烏賊の磯辺揚げ、蕎麦。買い物。アストリッド・リンドグレーン著『ピッピ 船にのる』読了。前巻の感想で、ピッピの喋るナンセンスを「粗忽長屋」や「最悪の接触」と似ていると言ったが、「粗忽長屋」とは決定的な違いがある。粗忽長屋の住人達は、自分の言っている事の出鱈目さに気付いていないが、ピッピは面白がって意図的に嘘を吐いているという点である。「最悪の接触」の宇宙人の意図は判らない。いずれにしても、話の筋のずれ具合は大変に魅力的である。ピッピは薬の事を「くさり」と言う。「あのくさり、ほんとにいいくさりだとおもうわ。わたし、もう、とてもげんきになった気がするの。とくべつ、しっぽのとこが、げんきで、いせいよくなった気がするわ」(p.52)。勿論ピッピに尻尾はない。アストリッド・リンドグレーン著『ピッピ 南の島へ』読み始める。カレーライス、鳥の唐揚。ビデオ見ず。
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