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スイスのアルバム

マッターホルン編

 ゴルナーグラートはツェルマットから登山鉄道で登った終点の駅です。ここには古い石造りのホテルがあり、宿泊客の大半は日本人というスイスの山岳ホテルとしては、大変珍しいホテルであります。
 初めて泊まったのは一九九二年の九月でした。前日はツェルマットは雨。ゴルナーグラートは吹雪で、視界百メートルといったところだったでしょうか?期待した景色は白い霧と吹雪の向こうで、ふてくされて寝ていたら、夜中に、ふと目が醒めると月明かりの中にマッターホルンが立っていました。

 壮大なパノラマにまさに興奮してしまい、夢中になって一晩中、ホテルの部屋の窓からマッターホルンを中心とする風景を眺めていました。
 翌日は、忙しくリッフェルゼーに行ったり、シュトックホルンへロープウェイで行ったりして写真を撮るのに、大忙しでありました。
 辺りにはブライトホルンやリスカム、モンテローザ、少し遠くにはヴァイスホルンやツィナールロートホルン、オーバーガーベルホルンとあり、買ったばかりのパノラマ写真に書いてある山の名前と山を見比べて、その壮大な風景に浸りきっていました。
 しかし、中でもマッターホルンの気高さは、他を圧していると思います。
 ゴルナーグラートや写真下のリッフェルゼーからのマッターホルンは見事なピラミッド型で、辺りに同じ様な山が無い、富士山のように孤立した嶺であるが故に、何とも強い印象を与える山であると思います。
 朝早く、ゴルナーグラートを出て、歩いて下っていくと、前日の雪が少し残っていたり、霜が降りていたりしていました。
 夏だとばっかり思っていたのに、もう秋の気配なのです。九月の十日あたりだったと思います。
 リッフェルゼーの湖畔では、写真右の「逆さマッターホルン」が見ることができ、大変幸運であったと思います。
 風も無く、空にはほとんど雲のない真っ青な空が広がり、ちょっと絵はがき的な写真になってしまいましたが、山上湖の雰囲気は出ているのではと思っています。
 ここからリッフェルベルクまでのハイキングもまた楽しいものですね。

 列車に乗って下るにつれて、マッターホルンは少し首を傾げた様子を見せ始めます。何に悩んでいるのか、と考えていると列車はすぐに樹林帯に入り、フィンデルンバッハの滝を過ぎてツェルマットに下って来ます。

 ツェルマットからのマッターホルンはどこからでもいいのですが、小さな村には立派すぎるような教会の前からのマッターホルンは素晴らしいと思います。
(写真下)

 スネガ、フィンデルンからの美しい、バランスのとれた姿なども良いのですが、それはフィンデルンの項を参照して頂ければと思っています。
 写真右はウンターロートホルンから見たマッターホルンであります。

 天候が少し崩れると雲をまとって姿をなかなか現さないマッターホルン。幾多の物語(喜びもそして悲劇も)をその内に秘めて、巨人を初めてのスイス旅行で望むことができた私は、大変、幸運であったのかも知れません。

 最初のツェルマット訪問から三年後、子供達も連れての再訪でもマッターホルンの素晴らしい姿は望めました。シュヴァルツゼーからの美しいモルゲンロートの深い印象を受けました。
 またツェルマットの教会の前の通りからのマッターホルンの姿も圧倒的でありました。(写真左)

 みなさんもツェルマットに行かれてはいかがでしょうか?