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がんばれSud−Est鉄道!

<1997年> エピソード

Sud-Est線は、バーリ〜ターラント、レッチェ〜サレント半島の主要都市を結ぶ私鉄で、プーリア旅行では必ずお世話になる。

沿線風景

地球温暖化防止に貢献

ぼろい!ぼろぼろの車両が走る!走り出すなりすごい轟音がする。あらら、ディーゼルエンジン搭載だったか。
まあ、古い車両を大事に使うのはいいことだし、ぼろさと騒音は我慢しよう。なんてことを思いながら天井を見上げると、あれっ?電球のソケットに、電球が付いてないぞ。よく見ると、車両全体のソケットから電球がはずされている。もっとよく見ると、照明らしき器具は何も付いてない。これじゃトンネルの中で困るんじゃないか?
ああ、やっぱりね。真っ暗だわ。
車窓の外を眺めていると、エプロン姿のおばさんやジーンズを穿いた若者が、ハンドルのようなものをぐるぐる回していることに気が付く。どうやら、手動で遮断機を昇降させているらしい。とにかく電気を使わない鉄道だ。

残業禁止のダイヤ

時刻表を見てみると、電球なしでも困らないことがわかる。最終列車がかなり早い時間帯で終わってしまうから、電球が必要な便はせいぜい1本くらいか。1日を通しても本数が少ない。主要な路線でさえ、1時間に1〜2本ペースで、休日となるとまた極端に本数が少なくなる。1本逃すと、2〜3時間待たされることも。
バーリのような大都市に通勤している人もいるだろうに。これじゃ残業なんて絶対できないぞ。

謎の空白の時間

私が行き先を間違えてしまい、畑の真ん中の駅でいったん降りるはめになったことがある。列車が出てしまうと、駅舎には私一人だけが取り残されてしまった。誰もいない。さっきまで駅員らしき人がいたはずなのに、どこへ行ってしまったのか。あれは車掌で、列車に乗り込んでしまったのかな?
列車の到着時間になって、乗客らしき人が一人やって来た。でも駅員は誰も来ないので、無人駅なのかと思っていた。ところが、遅れた列車が実際に到着する頃になると駅員たちが戻ってきた。一人、また一人、そしてまた一人、さらにもう一人、それからもう一人。どうも、たいていの駅には5人くらいの駅員がいるようだ。
切符を売る人、その後ろで様子を見ている人、操作パネルのような機械の前に座っている人、窓の外を眺めている人、そして何もしていない人の総勢5名である。
がんばれSud-Est鉄道!人件費の払いは大丈夫か!?

Sud-Est線の路線図