FAQ:qa3264 夫の被扶養者になるので社会保険から外れたい

updated Dec. 24 2000 　派遣１１０番によく寄せられる質問と回答例(ＦＡＱ)

　質　問　と　回　答　例　（Ｆ　Ａ　Ｑ）

3264.　夫の被扶養者になって社会保険から外れたいが・・・

　派遣会社で働いています。今まで社会保険に加入していましたが、今月から社会保険を外して主人の扶養内で働くことになりました。被扶養者になるための手続きがうまくいかず今は、保険証のない状態です。主人の保険証に入るためにはどのような手続きが必要なのでしょうか？

　社会保険は強制加入が原則です。この原則の例外はきわめて限定されています。

　この点から、ご相談には問題点が二つあるように思います。
　一つは、（１）被保険者の資格要件と被扶養者認定基準は別個のものだということです。もう一つは、ご質問の（２）被扶養者の認定手続きの問題です。

　このうち、（１）が重要だと思いますので、まず確認お願いします。

（１）被保険者資格要件と被扶養者認定基準の混同

　派遣労働者の「社会保険加入の要件」と「被扶養者の認定基準」（年収１３０万円未満）とを混同される例が少なくありません。

　いただいた情報だけでは判断できませんが、「社会保険を外して」という意味が理解できません。

　社会保険の適用を除外できるのは、
　　（ア）２ヶ月以内の短期契約の場合か、
　　（イ）労働時間が通常が１日８時間として６時間、１週４０時間が通常として３０時間（つまり通常の４分の３まで）の短時間労働の場合

　に限られます。ここでは、年収は要件になっていません。つまり、年収１３０万円未満であっても、社会保険加入をしなくてもよいことになりません。
　派遣労働者の場合にはフルタイマーに近く、２ヶ月を超えて働くことが少なくありませんので、年収１３０万円未満であっても、社会保険に加入しなければならない場合がほとんどなのです。（例：１年で５ヶ月間だけ派遣就労、フルタイム、月収２０万円＝年収１００万円の場合→派遣会社での社会保険加入が必要）

　この点での誤解が、派遣会社だけでなく、労働者の側にも少なくありません。くれぐれも誤解のないようにして下さい。

　この点を詳しく指摘している社会保険労務士の方のＨＰがあります。そちらも参照して下さい。
　【参照】社会保険の加入・非加入の基準
　派遣会社も、労働者から社会保険を外して欲しいという申し出があったとき、本来なら、社会保険加入の必要があるのに、本当に間違ってか、あるいは、知っていながら適用除外の（違法な）手続きをすることがあるようです。

　勝手な判断（思い込み）だけで、「年収１３０万円未満だから夫の被扶養者になれる」と思わないで下さい。
　夫の会社（健康保険組合）からは、本来は派遣会社で被保険者になれる場合には、被扶養者として認定されないことになります。

　結局、本来は被保険者として加入が強制されるのに誤解して、派遣会社の社会保険から外れてしまいますと、夫の会社の被扶養者や国民健康保険の被保険者にもなれない危険が生れます。この場合、本来の派遣会社での社会保険加入の手続きをやり直すことが正しいのですが、実際問題としては元に戻すのは複雑で厄介なことになりますし、多くのトラブルが生じかねません。

（２）被扶養者認定の手続き

　被扶養者の認定手続きは、政府管掌健康保険の場合には、次のような通達があります。

【参考】健康保険の被扶養者の認定についての行政通達
（五二・四・六保発九・庁保発九）
　収入がある者についての被扶養者の認定について

　①　被扶養者としての届出に係る者（以下「認定対象者」という）が被保険者と同一世帯に属している場合

　(1)　認定対象者の年間収入が一三〇万円未満（認定対象者が六○歳以上の老年者である場合又は概ね厚生年金保険法による障害厚生年金の受給要件に該当する程度の障害者である場合にあっては一八〇万円未満）であって、かつ、被保険者の年間収入の二分の一未満である場合は、原則として被扶養者に該当するものとすること。
　(2)　前記(1)の条件に該当しない場合であっても、当該認定対象者の年間収入が一三〇万円未満（認定対象者が六○歳以上の老年者である場合又は概ね厚生年金保険法による障害厚生年金の受給要件に該当する程度の障害者である場合にあっては一八〇万円未満）であって、かつ、被保険者の年間収入を上回らない場合には、当該世帯の生計の状況を総合的に勘案して、当該被保険者がその世帯の生計維持の中心的役割を果たしていると認められるときは、被扶養者に該当するものとして差し支えないこと。

　②　認定対象者が被保険者と同一世帯に属していない場合

　認定対象者の年間収入が、一三〇万円未満（認定対象者が六〇歳以上の老年者である場合又は概ね厚生年金保険法による障害厚生年金の受給要件に該当する程度の障害者である場合にあっては一八〇万円未満）であって、かつ、被保険者からの援助に依る収入額より少ない場合には、原則として被扶養者に該当するものとすること。

　③　前記①及び②により被扶養者の認定を行うことが実態と著しくかけ離れたものとなり、かつ、社会通念上妥当性を欠くこととなると認められる場合には、その具体的事情に照らし最も妥当と認められる認定を行うものとすること。

　④　前記取扱いによる被扶養者の認定は、今後の被扶養者の認定について行うものとすること。

　⑤　被扶養者の認定をめぐって、関係者間に問題が生じている場合には、被保険者又は関係保険者の申し立てにより、被保険者の勤務する事業所の所在地の都道府県保険課長が関係者の意見を聴き適宜必要な指導を行うものとすること。

　⑥　この取扱いは、健康保険法に基づく被扶養者の認定について行うものであるが、この他に船員保険法第一条第二項各号に規定する被扶養者の認定についてもこれに準じて取り扱うものとすること。　（五二・四・六保発九・庁保発九）

　ご主人の会社の健康保険が、健康保険組合管掌健康保険（組合健保）の場合も、基本的には同様ですが、健康保険組合として独自手続きを定めることが多いと思います。その場合には、必要な手続きを健保組合に確認して下さい。

　インターネットにもあちこちの会社の健保組合のホームページがあり、関係した手続きを掲載しています。

3264. 夫の被扶養者になって社会保険から外れたいが・・・

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