updated Jan 23 1996


【紹介】最近、読んだ本、送っていただいた本 一般


指宿信・米丸恒治『法律学のためのインターネット』、1996年11月、4120円、日本評論社
法律関係のサイトが満載。インターネットで法学研究をするときの必読実用書。主に実践・情報発信に利用している私は、インターネットを参照・情報入手に使うための多くのノウハウを教えられた。それにしても、外国情報など入手は容易になったが、情報の質や偏りの問題が残っている。日本でも官庁(官僚)発信の情報が圧倒的多数である。改めて研究者、市民、労働者団体からの情報発信で対抗する必要を感じた。

宮崎繁樹編著『解説 国際人権規約』、1996年12月、3811円、日本評論社
経済大国と呼ばれて久しいが、地域社会、職場、学校で日本ほど人権感覚が鈍い国は少ない。私が経験した長岡京市の保育行政や官僚汚職は、その最も目立った氷山の一角。情報を公開せず、市民の権利を踏みつける管理主義、市民を強権的に管理する自治体管理職員や特権官僚たち。国際人権規約は、まさにこうした日本の現状に対する批判の物差であり、その解説書である本書は日本についての鋭い告発書でもある。

本多勝一『滅びゆくジャーナリズム』、1996年9月、500円、朝日新聞社
退職に際して朝日新聞労働組合に招かれての話、職安での経験等、興味深い。「アカデミズム」はどうかを考えさせられる。

テリー伊藤『大蔵省極秘情報』飛鳥新社、1996年7月、1300円
大蔵省の「エリート官僚」がどのような考え方をしているか、その本音を知って改めて驚かされる。民主主義とは縁遠い意識、弱者の心などには思い及ばない競争社会に骨の髄まで侵されている官僚。
 厚生省事務次官など高級官僚が福祉を喰い物にする呆れはてた事件が生じたが、彼らも、この本の大蔵省官僚とおそらく心底は共通したものであろう。震災被災者、高齢者、母子家庭、生活保護受給者、ホームレスなどの心をわかろうとはしないのか。近年、厚生省官僚が自治体・政界・業界だけでなく、学界にも天下りしている。真面目なところ、「厚生省官僚腐敗の構造と福祉行政」が重要な研究テーマになるだろう。


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