訴訟通達局

「大樹」さんからの投稿
「ほしほし」さんからの投稿

■ペンネーム「大樹」さんからの投稿です。

 我が家に二度目の架空請求書ハガキが来ました。
 受け取ったのは母で、詐欺と分かっていてもかなり驚いていたので、念のためネットで「訴訟通達局」を検索してこちらのサイトにたどり着きました(笑)
 
 すぐに架空請求のハガキだと分かりましたが、今度のハガキは少し進化(?)した文章だったので報告します。
 敵も何とか騙そうと必死で文章を考えているようです。
 参考のためにどうぞ。
 
 
司法処分出廷要請最終通達書
 
 訴訟番号(イ)108126−09号
 
 現在、貴殿は「総合消費料金未納分」について通信販売契約会社、運営会社から「未だに連絡が無い状態」として民事訴訟による訴状が提出されております。
 このまま連絡無き場合、指定裁判所から書類通達後に出廷となり、被告の給与および動産物、不動産の差し押さえを執行官立会いのもと強制執行し、「執行証書の交付」を承諾して頂きます。
 民事訴訟の内容等、ご相談に関しては当局が受け賜りますが、「個人情報保護法」上、ご本人様のご連絡を御願い致します。
 尚、当局は原告側からの訴訟の通達、また訴訟の正当性を確認する機関であり、当局が貴殿に対し訴訟を提起するのではありません。
 そして、当局が金員を要求する事は原則としてありえません。類似した葉書や通知にご注意下さい。
  *見に覚えの無い方でも架空請求業者が貴殿の個人情報を悪用し、実際に小額訴訟の手続き(判決が一日で出る裁判。もしも放置してしまうと欠席裁判となり原告側の言い分通りの判決が下される)を利用した新しい手口の報告もございます。
 万が一、該当される方は早急に裁判取り下げの手続きを行って下さい。
 
 裁判取り下げ最終期日 本書到着後4営業日以内
 
 03−3275−9729(民事課)平日9:00〜17:00
 〒103−0027 東京都中央区日本橋2丁目16番地6号
 訴訟通達局
 
 
 少し進化したな〜と思ったのは、「個人情報保護法」と「小額訴訟」を持ち出したところです。
 実際に「小額訴訟」を利用した詐欺をニュースで知っていたので、ここでそれを利用するのは信憑性を持たせる小細工なのでしょう。
 また最終期日もハガキ到着後4日以内と余裕を持たせたり、自ら「うちは金銭を要求しない、架空請求ハガキに注意してくれ」など、敵もそれなりに考えているのでしょう……もっと別な事に頭を使う方がいいのですが……困ったものです。

■司法処分出廷要請最終通達書! 最近、架空請求ハガキのネーミングがマンネリ気味でしたが、これは新しい時代の幕開けなんでしょうか(笑)。
「司法処分」ですか・・・少しでも難しそうな単語を使って脅そうとしているようですね。もはやほほえましさすら感じさせられてしまいます。でも、言葉の意味が必要以上に広範囲すぎますが。
 普通に「民事訴訟」でいいやん。
 
 訴状が提出されているのに、裁判所から本人に通知が無いなんてどうよ、とか
 訴えているのは通信販売契約会社なのか運営会社(何の運営会社?:笑)なのかハッキリしろよ、とか
「未だに連絡が無い状態」って、なんでカギカッコで囲まれているわけ? とか
「このまま連絡無き場合、〜承諾して頂きます。」の文章、アナタ裁判のこと全然知らないでしょ(笑)。指定裁判所 書類通達後 出廷 被告 差し押さえ 執行官立会い 強制執行 執行証書・・・って、キーワードを適当に繋げただけでしょ(笑)、とか
「ご相談」って、何を相談するんだ、とか
「個人情報保護法」って正式名称で書いてみろ、とか
「原告側からの訴訟の通達」は、裁判所に任せてください、とか
「訴訟の正当性」の確認は、普通裁判を通してなされるんですが、とか
 アンタが訴訟を提起しないのは当たり前だろ、とか
 
 ああ、なんてツッコミ甲斐があるんでしょう。
 
 小額訴訟について言及するのは、どうやら最近の流行のようですが、「万が一、身に覚えが無い場合、早急にご連絡下さい。 」などと必死で連絡を要求しているハガキに比べて、今回のものは、随分スマートに攻めていますね。
 でも、訴訟の取り下げができるのは、原告だけですから。被告に訴訟の取り下げができてしまうと、裁判制度が成り立ちませんから。
 
 大樹さんの仰るとおり、それなりに敵も頭を使って進化しようとしているのでしょう。
 全体的に文章もこなれてきているし、誤植やポカミスも少ないですし、あとは指定裁判所だか執行証書だか、おそらく書いている本人が意味をわかっていない文章をナントカすれば・・・って、ハガキで通知している時点で、かなりアレなんですけどね。

(2006.1.18)

■「ほしほし」さんからも投稿をいただきました。

 実家の母に届いた文面です。同じようなのはいくつかありましたが、まったく同じのではないと思われたので、参考に投稿してみました。
 
 以下***
 
司法処分出廷要請最終通達書
 
      訴訟番号 (イ)1028****号
 
現在、貴殿は「総合消費料金未納分」について通信販売契約会社、
運営会社から「未だ連絡が無い状態」として民事訴訟による訴状が
提出されております。
このまま連絡無き場合、指定裁判所から書類通達後に出廷となり、
被告の給与及び動産物、不動産の差し押さえを執行官立会いのもと、
強制執行し、「執行証書の交付」を承諾して頂きます。
民事訴訟の内容等、ご相談に関しては当局にて受け賜りますが、
「個人情報保護法」上、ご本人様のご連絡を御願い致します。
尚、当局は原告側から訴訟の通達、また訴訟の正当性を確認する機
関であり、当局が貴殿に対し、訴訟を提起するのではありません。
そして、当局が金員を要求する事は原則としてありえません。
類似した葉書や通知にご注意下さい。
*身に覚えが無い方でも架空請求業者が貴殿の個人情報を悪用し、
実際に少額訴訟の手続き(判決が一日で出る裁判。もし放置してし
まうと欠席裁判となり原告側の言い分通りの判決が出される)を利
用した新しい手口の報告もございます。
万が一、該当される方は早急に裁判取り下げ手続きを行ってください。
 
裁判取り下げ最終期日  本書到着後4営業日以内
 
03−3275−9729(民事課)平日9:00〜17:00
 
〒103-0027東京都中央区日本橋2丁目16番地6号
 
               訴訟通達局
 
 ****という内容でした。
 強調したい文面は色をつけたり、大文字で書いてあります。
 類似したものに注意・・や、新しい手口の架空請求・・などと、一見他は怪しいから注意してね、でもこの葉書は正しいから、と親切を装った文面がいかにも怪しいですよね。
 
 正月早々こんなものが届いて家族でブルーになりました。
 明けたら、消費者センターにでも一応届けてみようか?と言っています。

■上の大樹さんからの投稿が昨年の12月15日着で、このほしほしさんの投稿は半月遅れて今年の元日着でした。
 名称や住所は全く同じです。連絡先である電話番号まで同じということは、同一グループによる時間差攻撃なのでしょう。ぼやぼやしていると足もつくでしょうから、複数グループで電話番号を使いまわしているということもないだろうし。わかりませんケド。
 でも、文面が微妙に違うんですよね・・・。大樹さんやほしほしさんのタイプミスの可能性もありますが、それにしても10箇所もあるし・・・。
 
 もしも、ご両人のタイプミスでなかったとしたら。
 第一弾の架空請求ハガキを出し終えた後、文書ファイルを破棄してしまい、新たに入手した名簿で半月後にまたはがきを発送する時に、もう一度イチから手打ちしているとか。・・・かなりマヌケですけど。

大樹さん版ほしほしさん版
「未だ連絡が無い状態」「未だ連絡が無い状態」
被告の給与および動産物、被告の給与及び動産物、
執行官立会いのもと強制執行し、執行官立会いのもと強制執行し、
ご相談に関しては当局ご相談に関しては当局にて
当局は原告側から訴訟の通達、当局は原告側から訴訟の通達、
当局が貴殿に対し訴訟を提起当局が貴殿に対し訴訟を提起
*見に覚えの無い方に覚えが無い方
もしも放置してしまうと欠席裁判もし放置してしまうと欠席裁判
判決が下される判決が出される
裁判取り下げ手続き裁判取り下げ手続き

 ・・・「見に覚えの無い方」って・・・この誤字、大樹さんの時には気が付いてませんでした。不覚!
 本当にハガキにこう記載されているのだとしたら・・・あ、アホすぎる・・・詐欺しようっていう時に、何をボケかましているのやら。
 
■正月早々のおめでたい気分をぶち壊された、ほしほしさん。腹立たしいことだろうとは思いますが、架空請求ハガキは「お笑いネタ」だと割り切って、皆に言いふらしてあげてくださいね。

(2006.2.3)

■当サイトに寄せられた、架空請求ネタの記事の一覧は、「体験談総目次 不当請求・架空請求」にあります。ご参考にどうぞ。
 
 また、架空請求ハガキの名称を並べてみました。「架空請求ハガキ考」でそのバカさ加減を堪能してくださいね。