ダイイングメッセージ

■ペンネーム「くみちゃんのパパ」さんからの投稿です。

 昼休みに招き猫さんの「スタンディングオベーション」を拝見して笑っていたのも束の間、私にもマンションの勧誘(だと思う)が来ました。
 勧誘電話が会社にかかってくるのは本当に久し振りのことです。
 しかも、私の所属とは異なる事業所にその電話はかかってきました(近所ではあるけれど)。電話を受けた女性(エリさん(仮名))がたまたま知り合いで、電話を保留してわざわざ私に連絡をくれました。
 
パパ 「もしもし、久しぶりー」
エリ 「あのですねえ、パパさんに○○○○の○○さんとおっしゃる方から電話がかかってますけど、心当たりあります?女性なんですけど」
パパ 「え? そっちに? 何でそっちにかかるんだ? 女性?(慎重に記憶を辿る)ふーん、知らないなあ。用件は何だって?」
 
 と言いながら、さっそく会社名と「悪徳」をキーワードにしてネットで検索。
 
エリ 「ご用件を伺ったんですけど、『お会いする約束をしてるんです』って言うだけ。何かの勧誘だと思うんだけど、お客様だといけないと思って」
パパ 「いや、お客様じゃないよ。女性だろ? 僕の隠れファンとか、ストーカーとか、そういうのじゃないかな。最近多いらしい」
エリ 「本当に会社名も会う約束も心当たりがないんですね。忘れてるって事ないですか?」
 
(こいつは人の話を聞いていない)
 
パパ 「僕が女性と会う約束を忘れる筈が無い」
エリ 「じゃあ、『そんな約束はしていないと言っております』って切っちゃいます?」
パパ 「ちょっと待ってね、今、ネットで検索してる・・・ないかな・・・あったあった。なんだ、東京の不動産会社だ。マンション投資の勧誘だな。
 おっと、ここは逆ギレ系だってさ。ちょっとネタは古いけど、『横綱級のかなりヤバイ会社だと思います』ってコメントがある。自宅ならともかく、会社にかかってきた電話だからあまり乱暴に対応しない方がいいね」
エリ 「じゃ、どうします?」
パパ 「そうだな・・・、うん、『該当者を調べたところ、別の事業所に勤務しておりましたが、先月亡くなったそうです。製品のお問い合わせでしたら担当者から連絡させますので、製品名とご連絡先をお教え頂けますか』っていうの、どうよ」
エリ 「えーっ、本当に亡くなったなんて言っちゃっていいの?」
パパ 「うん、いいよ。
 ついでに、彼の最期の言葉は『頼むから名簿から名前を消してくれ』だったそうですって伝えといてよ」
エリ 「えっとぉ・・・最期の言葉・・・名簿から・・・名前を・・・消してくれ・・・ですね(ってメモってるぞ、こいつ、本気か?)。本当にいいんですね。声からすると若そうだし、美人かもよ〜」
パパ 「何を言ってるんだ。エリちゃんも知ってるだろう。僕には若くて美しい愛妻がいて、彼女一人でも持て余してるのだよ。これ以上美人と付き合うのはごめんだ。君のダンナも僕と全く同じ事を言うと思うぞ」
エリ 「はいはい〜(ガチャ)」
 
 ちなみに、エリさんは家内の高校時代からの友人である。彼女が結局どのようにして勧誘電話をあしらってくれたのか私は確認していないが、彼女のことだから私が言ったとおりに伝えたに違いない。相手が逆切れしたらどうするつもりだろうか。恐ろしい奴である。

■くみちゃんのパパさんから7回目の投稿です。本当にいつもありがとうございます!
 
■いや、お見事、と言うか、たっぷり笑わせてもらいました。
 
 エリ(仮名)さんは、本当に
「彼の最期の言葉は『頼むから名簿から名前を消してくれ』だったそうです」
 って仰ったのでしょうか。
 後の顛末がとても気になります・・・(笑)

(2006.7.25)